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『マツコの知らない世界』でも話題の激ウマ調理ロボットYo-Kai Expressがアップデート

テレビ番組『マツコの知らない世界』でも取り上げられたシリコンバレー発の調理ロボットYo-Kai Express。一見、一般的なラーメンの自動販売機なのだが、店舗で提供されるラーメンに迫る味と、それを提供するテクノロジーは新世代のフードテックと呼ぶに相応しいもので、大きな可能性を持っている。今回、Yo-Kai Expressから、さらに2つの新しい発表があった。

単なる自動販売機ではなく、『調理ロボット』

登壇したのは、Yo-Kai ExpressのCEO、アンディ・リンさん。台湾大学でバイオ産業機械工学を学び、カリフォルニア大学アーバイン校の大学院では電気工学とコンピュータサイエンスを専攻。そこで学んだことが、Yo-Kai Expressの調理ロボット開発に活きている。

一見、日本に古くからある麺類の自動販売機に見えるYo-Kai Expressだが、実際にはそういう古い自動販売機とは一線を画した調理ロボットともいえるマシンだ。具体的な内容に関しては『企業秘密』とされているが、これまでの取材で明らかになった情報のうち、筆者が重要なポイントだと思う部分を取りまとめてみよう。

●食材は冷凍で庫内に約50食を保存可能
●メニューに応じて違う調理工程を実行可能
●加熱は超高温の蒸気によって行う

この『超高温の蒸気による加熱』がミソの部分で、電子レンジなら6〜8分かかる冷凍ラーメンの加熱を、わずか2分で行う。しかも、電子レンジだと特有の加熱ムラが発生しがちで、熱すぎる部分や、加熱が不十分な部分が発生しがちだが、Yo-Kai Expressの加熱はまるで厨房で調理したかのような心地よい『アツアツ』が体験できる。

また、加熱時間などもメニューによって最適化されたもの。もしかしたら、センサーなども駆使して、温度を計測しながら加熱しているのかもしれない。

メニューの表示、選択、決済も大画面は行う。売れたことによって庫内の在庫がどう変動したかも通信で共有できるので、本部で統合して管理することができる。

また、一般的な自動販売機のように商品が流れる『レーン』があるワケではないから、売れる商品をフレキシブルに多く内蔵することができる。従来だとたとえば、1品目10個を5レーン……というように同量を内蔵するしかなかったが、売れ筋商品を多めに、フレキシブルな在庫が可能になっている。

一風堂、テーブルマークと資本・業務提携

今回の最大の発表は『力の源HD(一風堂)と、JT(テーブルマーク)との資本・業務提携』だ。共同で開発したメニューを提供するだけでなく、両者は資本も提供し、経営にも参画する。

もちろん、我々にとっては一風堂のトンコツラーメン、テーブルマークの讃岐うどんを食べられるのも大きなメリットだが、これらの会社から出資を受けて、資本的に安定することも今後の展開を考えるとうれしい。

両社と協力して開発されたメニューは、一風堂が『一風堂博多とんこつラーメン』、『IPPUDOプラントベース(豚骨風)ラーメン』、『力の源グループ善光寺Kamo Soba』、テーブルマークが『テーブルマーク肉うどん』『テーブルマークきつねうどん』『テーブルマークカレーうどん』となっている。

ちなみに、『一風堂博多とんこつラーメン』、『IPPUDOプラントベース(豚骨風)ラーメン』は本日から980円で提供開始。あとの4品は年内発売予定となっている。

走りながら改善するシリコンバレー流

もうひとつのニュースは提供状況の改善だ。

前回発表の後に、羽田空港や首都高速のパーキングなどで提供されていたYo-Kai Expressで、食事の提供が停止されていたり、温度が不十分なケースがあったりした問題は、ベンディングマシンの改良によって解決したとのこと。

日本流に万全を期してスタートするのではなく、走り出しながら開発を続けていくシリコンバレー流のスタンスだったが、それが一部の日本メディアから批判されてしまった格好だ。万全を期してからスタートする日本流とはスタイルが違うと見るべきだろう。

世界的な半導体不足の影響もあり、製造が順調でなかったものも、ロジスティックの問題が徐々に改善されており、年内には日本国内に約30台の設置を予定しているという。

また、本来のコンセプト通り高温で提供できるようになると、今度は手で持つ時に熱すぎる……という問題が発生したため、容器を左右に持ち手のあるデザインに変更。また環境に配慮したプラスチック原料を用いるようにしたという。

熱さが保たれており、驚くほど美味しい

さて、発表会で実食する機会も得られた。

ベンディングマシンは電子決済専用で、交通系ICカードなどFeliCa決済、クレジットカード、QRコード決済などが使える。

上の大きなモニターには、動画なども表示され、待つという感覚なしに2分間の調理時間を過ごすことができる。

出てきたラーメンは驚くほど熱々。

力の源ホールディングス 取締役CSOの山根智之さんは、「開発当初は我々のこだわってるご提供時の『温度』を十分に高くすることができなかった。それがベンディングマシンの改良をしてもらって、十分に『熱々』といえる状態になった」と満足そうだった。

写真は『IPPUDOプラントベース(豚骨風)ラーメン』。スープにも動物性の成分はまったく入っていないとのことだが、十分な食べごたえ。こってりした豚骨スープとは少し違うが、若くはない筆者にはむしろこちらの方が好ましいのではないかと思ったほど。

『テーブルマークきつねうどん』も食べたが、こちらも讃岐うどんっぽいもちもちした感じが美味しい。少し時間をおいても麺が伸びたような感じにはならなかったので、成分的にもさまざまな工夫がされているのだと思うが、これまたインスタントラーメンや、冷凍食品を電子レンジで温めたものとは一線を画す美味しさだった。

これほど、美味しくて熱々のラーメン、うどんが提供されるとなると、これからの展開がとても楽しみ。

Yo-Kai Expressが開く可能性

アメリカだと、温かい食事を取れる場所が限られているので、本当に歓迎されると思う。IT系企業のオフィスでも広すぎて、食べる場所がないケースも多い。

日本は、24時間営業のファストフードショップや、コンビニエンスストアが充実しているので、ニーズが少ないと思いがちだが、やはり都心部の大きなオフィスだと飲食店が遠いケースも多い。これから、人口が減り、労働力が減少していく中で、高速道路のSA、駅構内、空港などで、24時間温かい食事がとれるというのは大歓迎されるだろう。

また、将来的にはコンビニ店内に設置されるというケースもあるだろう。電子レンジで温めた食事も美味しくはなっているが、Yo-Kai Expressはそれの数段上をいく美味しさだ。今後、提供される食事の種類も増えていくとのことなので、さらに将来が楽しみだ。

左から、JT執行役員食品事業担当の古川博政さん、力の源ホールディングス 取締役CSOの山根智之さん、Yo-Kai Express CEO兼創業者のアンディ・リンさん、同日本ジェネラルマネージャーの土屋圭司さん。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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