EV&プロパイロット2.0の日産アリアで諏訪湖まで行ってみた

  • 2023.02.21  2022.06.22

キムタクの「やっちゃえ日産!」というCMでお馴染みの日産アリアで、東京から諏訪湖まで日帰りで往復する機会があったので、試乗レポートをお届けしよう。プロパイロット2.0は、どのぐらい自動運転してくれるのか? EV専用設計車体の操縦性はどんな感じなのか? 興味ありません?

なお、誰となぜ、諏訪湖に行ったかなど詳細については、こちら( https://modul.jp/2022060911106/ )をご参照のこと。

今回試乗したのは2駆のB6

まずは簡単にクルマについてご説明しよう。

アリアは、世界初の量産型EVであるリーフに続く、日産の2車種目の電動専用設計車両。専用で設計すると、やはり、エンジンのことを考えなくていい、バッテリー配置に自由度が出るなど、メリットは大きいのである。

パワートレインは66kWhのバッテリーを搭載したB6と、91kWhのB9の2種類があり、さらにそれぞれに2駆と4駆がある。4駆モデルの売りは前後のモーターの駆動制御で4輪それぞれの駆動力を操作する四輪制御技術『e-4ORCE(イーフォース)』だが、まだ発売されておらず、今回お借りしたのはB6の2駆のモデル。

すでにスカイラインにも搭載されている高精度地図も使った高速道路での運転支援技術プロパイロット2.0も搭載している。

ちなみに試乗車のメーカー希望価格は標準仕様で549万4500円(税込)で、オプションなどを含めて約600万円のクルマ。

エンジン搭載を前提としない車体設計

全長4595mm、全幅1850mmと車格はけっこう大きい。さらに、エンジンなどが存在しないので、車内、特に足元はけっこう広い。もとより、クルマの室内空間というのがエンジンやドライブシャフトなどに制限されていたのに、そういう制約がなくなるとこうなるのか……という感じがする。それでも、フロントフードなどが必要なのはむしろ耐衝撃性能のためだろうと思われる。EVでありながら、長年クルマを作って来たメーカーの製品というのは、そういうところに安心感を感じる。

ボンネット下はコンバーターなどが搭載されている。モーターはもっと車軸近くにあるし、バッテリーは床下にベッタリと搭載されている。

B6でも十二分にパワフル! プロパイロット2.0オン!

中央高速に乗って、アクセルを踏んでみる。かなりパワフル。

EVの常で出足は非常に俊敏。2トンを越える車両重量をあっという間に高速域まで運んでくれるパワーはエンジン車で言えば3リッターV6あたりと比べても遜色ない。ただし、EVは速度によるトルク変化はないので、エンジン車のように回転が上がるほどパワフルになるということはない。おそらく、超高速域にあると空気抵抗に押されてパワー不足感が出てくるとは思うが、日本の制限速度ではそれを体感することはないだろう。つまりは2駆のB6でも十分パワフルに感じるということだ。

高速道路の流れに乗ったところでプロパイロット2.0をオンに。メーター内のハンドルマークがグリーンになると自動操舵が始まり、ブルーになると手を放しても問題ない。

プロパイロット2.0はGPSと連動しており、高速道路内でしか動作しないが、位置情報を得て加減速もする。首都高速内でスカイラインを走らせたことがあるが、急カーブの前にちゃんと適切な速度まで減速してコーナーに入っていったのには驚かされた。加減速もスムーズで、下手なドライバーよりなめらかなドライビングを見せてくれる。

(ダッシュボード左の突起は撮影用のGoPro)

とはいっても眠りこけたり、スマホを見たりするわけにはいかないが、アクセルやブレーキから足を離し、ハンドルからも手を離せるのはなかなか驚きだ。アリアが自分で、運転している感じがする。

スカイラインのプロパイロット2.0は、クルマを電子機器が操縦している感じがしたが、EVであるアリアの場合そもそも全体が電子機器なので、より運転制御に最適化されいてる気がする。

これは好みの問題だと思うが、ファントゥドライブも求めるならスカイラインの方に利があり、よりガジェット感があり、自動運転している方が自然体だと感じるのがアリアだ。

大きなディスプレイタイプのメーター、連動して動く大画面カーナビなど、すべてにガジェット感がある。

航続距離は実際に約400km走行可能っぽい

EVといえば気になるのが航続距離。

なにしろ、ガソリン車と違って、チャージャーがないと充電できない。そして、充電するのに時間がかかる。

アリアB6の航続距離は約400kmといったところ。もちろん、運転の仕方によっても異なる。筆者がハンドルを握って、中央高速を快適に走るとバッテリーの減りは早かったが、自動運転に任せてピタリと制限速度で走ると、400km以上走れそうだった。もはや、人間が余計なことをしない方がいいのかもしれない(笑)

東京→諏訪湖間は約200kmなので、極論すれば無給電で往復できなくないが、前後の旅程もあるし、寄り道もするかもしれないし、何より「なんとなく不安」なので、往路は談合坂SAで一度満タンにし、諏訪湖SAでチャージ。そして、帰路にも諏訪湖SAでチャージしてから帰った。

充電しようとしたところに先客がいる可能性もあるし、充電する場合、そこで30分を消費することになるので、できる限り電力に余裕がある状態にしておきたくなるのだ。残りのバッテリーが半分を切るととても不安になる。まるでスマホのようだ。とはいえ、眺めのいい場所で充電すれば気分もいいし、SAでトイレに寄って売店を散策すればすぐに30分ぐらい経つので、急いでいなければ、それほど気になるものではない。

温泉上がりの帰路は、プロパイロット2.0で走るミーティングルームに

十分にパワフル、航続距離も必要十分。運転もそれなりに楽しいし、プロパイロット2.0に任せてしまうことができるというのも便利。

特にそのことを実感したのが、帰路。

諏訪湖で温泉に入ったこともあって、のんびりした気分になってしまい、帰路はプロパイロット2.0を制限速度ピッタリにセットして、運転を任せることにした。

そして、東京までの2時間ほどの間、同行したいしたにまさきさんと、今後の仕事のいろいろについてたっぷりと打ち合わせすることができたのだ。

もちろん、私は一応、ハンドルに手を置いて前を向いていたが、それでも実質の作業はないし、緊張感もかなり減る。ストレスは少ないのだ。

また、助手席から話していたいしたにさんも「運転支援が動作していると分かると話しかけやすかった」という。ちなみに、運転支援の動作中は、コクピットを取り巻いている間接光がブルーになるので、同乗者も動作状況が分かりやすい。

クルマで高速道路を走っていると、適度なノイズ感もあって話しやすいという経験がある方は多いと思うが、その状況で運転制御が働くとより会話しやすい。中央高速を走るアリアは、さながら走るミーティングルームだった。これも、これからのクルマの新しい姿なのかもしれないと思った。

約600万円の価格に見合う魅力のあるクルマ

想像以上によく出来ていた日産アリア。

あとは自分の使い方と、求めるものと、予算にマッチするかどうかだ。

ジャパネスクを感じさせるモダンなデザインもかっこいいし、未来的でもある。EVとして完成度も高い。筆者はまだ、エンジン車の回転の上昇に心昂ぶるものを感じるが、道具として考えた時に、環境性能、経済性の高さは魅力的だと思う。

満タンで1万2000円を超える筆者のクルマのガソリン代を考えると、これを貯金すればアリアが買えるかな……などと思ってしまうのだ。

取材協力:
MODUL.JP https://modul.jp/
日産 http://www.nissan.co.jp/

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