連載第一回目は、スウェーデンの夏の風物詩「ザリガニパーティー」のお話をしましたが、ただ単にザリガニを食べて酔っ払う会ではないです。
北欧の人々はとても短い夏を心の底から満喫します。日焼けやソバカスを隠す人は誰もいません。逆に日焼けしてる人は”バカンスに行ける余裕ありますよ”というステータスにもなりますので、数分でも太陽の強い日差しに顔を向けて、エネルギーを補給します。日本とだいぶ違いますね(^.^)
撮影:斉藤美春
取材協力:メッツァ
歌とダンスはひとつの「ハッピー文化」
さぁ、少しドレスアップして、日本でも「ミッドサマー」を楽しもう!
ザリガニでお腹がいっぱいになったらダンス! これはまた良い運動になります。年齢も性別も関係ないです。たまにワンちゃんも陽気に踊る人々の間を通り抜けますよ♪
隣の人と手をつないで、葉っぱやお花で飾られた北欧ならではの「ミッドサマーポール(メイポール)」の周りを陽気な生演奏に身体を揺らし、踊りまくります。前に話した「乾杯の曲」みたいに、いつ覚えたかわからないけど、身体に染み込んでる楽しい曲がたくさんあります。特に「小さなカエルの歌」と言う曲が一番有名です。
夏至のときもクリスマスパーティーでも踊ります。だいたいバイオリンの生演奏に合わせて。小さなカエルは尻尾も耳もないけど、ジャンプできるよ!と、大人も子どももカエルの真似をしてジャンプして前に進みます。
ちょっぴり恥ずかしく聞こえますが、スウェーデン人は”北欧のラテンのノリの人々”と呼ばれています。みんな分かってます。自分自身の中にハッピーがあること。自分から楽しくして、さらにハッピーになる。だから歌とダンスをひとつの「ハッピー文化」として考えてます。
メッツァのときも思いました。きっと多くの日本人にとっては初めてのカエルのダンス体験だったと思いますが、みんな最高の笑顔でした。こんなにもたくさんのナイス・スマイルを見たのは久しぶりです!
でもかなりハードです。だからスマイルよりも表情が引きつってた方もいたかも(笑)。
でもね、この夏祭りでは大人はジャンプして、カエルの真似をしても恥ずかしくない。無礼講です! 盆踊り感覚かも!
夏至祭に欠かせない「コッコ」で癒しのひとときを
夏を迎えるかがり火、フィンランド風に言うとコッコ。わたしはこの名前を初めて知りましたが、ヨーロッパのいくつかの国で、名前は違うけど、6月に行われることを今回初めて知りました。実はスウェーデンでは、「ヴァールボリ」といって4月30日に行われる行事です。国によって少し違いはありますが、目的は共通してます。
夏を迎えることと、このかがり火のもう一つの目的は、冬の間に庭に貯めた枝やクリスマスツリーなどを燃やすこと。それぞれの集落で行うため、昼間は家族で力を合わせてかがり火のところまでそれらを運んで、大きな枝の山を作ります。コンポストも庭もスッキリ! 祭りが始まれば、顔見知りを見つけては会話をして、気持ちも楽しく弾む。
と! 言わなくてもなんとなく勘付いたと思いますが、このときの曲もあります!
「Vintern rasat 」(ヴィンテン・ラーサット)は“冬が過ぎ去った”と言う意味で、みんな大合唱します。これを歌うと鳥肌が立ちます。寒いからというせいもありますが、最高の夏が来るからワクワクしての鳥肌。
ただしスウェーデンの、4月の末に夏を迎える….はちょっと早いのでは? と思ったあなた。はい、これが毎回繰り返されることですが、若者は大きなかがり火のところで飲んで歌って、アルコールが入ってる関係で大胆になり、若干薄着になり、次の日は風邪で寝込んでます(笑)。
わたしも今年の4月30日にスウェーデンに帰りましたが、空港に着いたら4℃でした。パーカーしか着てなかったわたしの毛穴がギュッと小さくなって、室内に一回避難しました!
本当、スウェーデンを離れて初めて、故郷のみんながどれだけ歌を愛してるのかがわかりました。
ヴァールボリの思い出としては、4月30日は私の父の誕生日。そしてスウェーデン国王の誕生日でもあります。だから、お祝いが3倍! この日メッツァで久しぶりにかかり火の炎を見つめていたら、心の中が癒されました。
キャンドルの揺らぎで心が落ち着くとよく言われていますが、こんなに大きな炎と木材のパチパチという音を堪能すると癒しの深さが増しますね。
メッツァ(Metsä/ムーミンバレーパーク・メッツァビレッジ)
メッツァとは、フィンランド語で“森”。ムーミンテーマパークの「ムーミンバレーパーク」と北欧の生活をテーマにしたパブリックゾーンの「メッツァビレッジ」からなる複合施設で、メッツァビレッジが2018年11月にオープンし、翌年3月にムーミンバレーパークが開業した。森と湖に囲まれた豊かな自然のなかで北欧気分が味わえる日本唯一のスポットとして人気。
夏は、花火&北欧の妖精・エルフのイベントを開催!
~8月19日(土)毎週土曜日夜/「メッツァの花火2023 -Saturday night HANABI-」
~9月24日(日)「エルフの森-メッツァの雲海-2023」
毎週土曜は湖畔の花火&雲海広がる魔法の森へ 「メッツァの花火 2023 -Saturday night HANABI-」「エルフの森 -メッツァの雲海 2023-」開催決定!
【LiLiCoのおすすめ情報①】北欧雑貨のLiLiCoCoでお気に入りを見つけて!
本当に可愛い北欧雑貨を日本のみなさんに紹介したく、美容のプロフェッショナル木下美穂里さんとデザインのプロフェッショナルであるファースト・パブリシティと私で共同でスタートさせた通販サイト。
わたしがスウェーデンで見つけて、デザイナー本人とお話しながら惚れ込んだ物もあれば、伝統的な手作りの民芸品もあります。たまには小田井涼平のお父さんが温もりたっぷりのサービングボードを手作りしてくれます。元々家具職人だったこともあり、個性的な形の物が登場します。世界にひとつだけの宝物。即完売しますので、リリココサイトは小まめにチェックしないと悔しい思いをします(笑)。
わたしも、クリスマス前になるとツリーや壁に飾るオーナメントをフェルトで作ったりします。北欧に限らず、日常をハッピーにしてくれるものがたくさんありますので、是非サイトに遊びに来てね。
メッツァではみんなに直接の会えたので、私がサインしたり、写真も撮れたりしたので楽しかった。リリココオリジナルのトートバッグが大人気で、ワンちゃん用にも購入してくださった方が大勢いました。
北欧雑貨のLiLiCoCo(リリココ)|LiLiCoセレクトの通販サイト
https://lilicoco.jp/
※8月9日はムーミンの日。ムーミン商品を3,300円以上お買上のお客様にムーミンの日限定エコバッグをプレゼント中! ※バッグがなくなり次第終了
【LiLiCoのおすすめ情報②】ザリガニパーティーを楽しめる北欧料理レストラン「リラ・ダーラナ」
もうかれこれ30年近くお世話になっている六本木のリラ・ダーラナ。私がホームシックになるとここに来ます。スウェーデンの祖母の家みたいな雰囲気が暖かくて、ドアを開けたときから別世界。コロナ前までは毎年ここでファンのみなさんと一緒にザリガニパーティーをして大騒ぎ! 状況を見てですが、また来年から再開させようと思っています。
でも、私がいなくてもここでは誰でもザリガニパーティーできますよ!
リラ・ダーラナのザリガニシーズンは7〜9月いっぱい。北欧の夏を味わって、アルコール40度以上のスウェーデンのお酒を飲んで、仲間で盛り上がると最高に楽しいです。日本人にとっても”毎年恒例のザリガニパーティー”になれば良いなぁと願っています。絶対にクセになりますので、6月はメッツァ、8月にリラ・ダーラナと、夏のハシゴ・ザリガニ!
もちろんザリガニ以外の北欧料理も満載。前菜のニシンの酢漬けなど、じゃがいもとアンチョビのグラタン”ヤンソンの誘惑”は日本の方もみなさん「最高に美味しい〜」と言ってくれます。さぁ、レッツゴー!
【DATA】
北欧料理リラ・ダーラナ
東京都港区六本木6-2-7 ダイカンビル2F
定休日:日曜日・祝祭日
http://dalarna.jp/