クリーンな印象のシャツジャケットだが、機能美を追求した完成度の高いデザイン。
吉祥寺の名店である江口時計店が、今年2月に渋谷・松濤に移転リニューアルオープン。店名もECW SHOTOに変更し、グレードアップした。
カルティエを筆頭に、独自のセレクトでアンティークウォッチの潮流を変えたと評される同店のユニフォームは、クリーンながらもタフに作られたシャツジャケット。トゥモローランドにオーダーしたもので、セールススタッフだけでなく、時計を修理する職人も着用するので、耐摩擦性のあるケブラー素材を採用。
光沢感があり、落ち着いたグレーカラーであるが、タフなファブリックや1930年代のミリタリーのユーティリティウエアから着想を得た両胸のポケットなど、ワークウエアとしても機能美も兼ね備える。
動きやすさを実現するために、あえて大きめのシルエットに仕上げているが、タックインして着用すれば、上品な着こなしも可能。接客から時計修理まで対応できるこの絶妙な身幅になっている。
オープンカラーの襟元は、様々な着こなしが可能。この日の江口さんは、シンプルなクルーネックのTシャツに、シルクのスカーフをコーディネイトする。
両胸には細かなツールなどを収納できるように大きめのポケットを配置。ミリタリーのメディカルジャケットにも使われていた意匠をアレンジしている。
時計を修理する職人は腕まくりすることが多いので、あえてカフスのボタンはひとつにしている。細かな点まで機能美を追求して作り上げたことがわかる。
背面には時計にまつわるアイコンが刺繍されているのもポイント。こんな遊び心あるデザインも江口さんらしい。生地はタフなケブラーを使用している。
【DATA】
ECW SHOTO
東京都渋谷区松濤1-28-6 VORT渋谷松濤residence
TEL03-5422-3070 11時~19時 火曜休
https://eguchi-store.jp
(出典/「Lightning 2024年11月号 Vol.367」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/M.Watanabe 渡辺昌彦
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