こだわる人のバイカースタイル。「タイムズアーチェンジン」代表・春原 勉さん

  • 2024.06.19

Tシャツにジーンズといったシンプルなスタイルでもバイクに乗っていると不思議とかっこよく見える。モーターサイクルにはそんな魅力があり、それがヴィンテージのアメリカンバイクとなるとことさら。今回は群馬の名店「タイムズアーチェンジン」のオーナーである春原勉さんのスタイルから、その謎を紐解いていこう。

ショップと共に歩んできた大事な相棒なんです。

「タイムズアーチェンジン」代表・春原 勉さん|1970年生まれ。群馬県出身。21歳の時に初めてアメリカに渡り、ヴィンテージのバイイングを経験。1996年にタイムズアーチェンジンをオープンした

群馬を代表するセレクトショップであるタイムズアーチェンジンは春原さんが自らアメリカで買い付けてきたヴィンテージやグッドレギュラーに、国内外の実力派ブランドが織り交ぜられ、なんとも魅力的なラインナップになっている。そんな春原さんのルーツのひとつとなっているのが、アメリカのモーターサイクルだ。

「パンヘッドに乗りたかったから独立したんです(笑)。だから相当な思い入れがあって、創業時から25年以上乗っていますね。当時は今のように情報もなければ、カスタムのスタイルも確立されていなかったので、VHSでヘルズエンジェルスの映像をビルダーと夜な夜な観て、手探りでカスタムしました。

一方のインディアンは、自分の中で創業20周年の節目を迎えたこともあって、2017年頃に購入しました。これは街乗りがメインで、キビキビと動いてくれます。

バイクは用途だけでなく、乗る時のスタイルも自分の中では分けていて、洋服も楽しんでいます。

チョッパーだと遊び心のあるスタイル、ボバーだと無骨なミリタリーやワークがよく似合う。その車両やカスタムの背景を考えながら、洋服を選ぶのも、バイク乗りの一興ですね」

春原さんの自宅に併設するガレージは、ヴィンテージのモーターサイクル関連のアイテムからサーフボード、マウンテンバイク、パウダーサーフィン、フィッシング道具まで趣味の遊び道具がパンパンに詰まっている。ヘルメットはレアモデルばかりだが、安価で手に入れた

春原氏が心を寄せる、時代を超えた逸品たち。

ヴィンテージで探すとなかなかないインディアンのオフィシャルTシャツ。こちらは’90年代のメイドインUSAボディで、タグにもインディアンのネームが入っている。9980円

ハーレーの純正アクセサリーではないが、’70年代のデニムを用いた珍しい素材使いのモーターサイクルパンツ。この手のものはレザーが多いので、カジュアルに穿けるデニムは希少だと言えるだろう。2万7280円

アメリカを代表するプラグメーカーであるチャンピオンのアドバタイジング。ドルマンスリーブのようなユニークなデザインは化繊を使っており、ショルダー部分にはチェッカーフラッグ。おそらく’80sだ。7980円

1950〜’60年代にかけて作られていたハーレーの純正ヘルメットは、名門であるマックホールが生産を担当していたため、コレクターズアイテムになっている。内装もすべてオリジナルでスペシャルだ。17万3800円

ヴィンテージ市場でも人気の高い’50年代のエンジニアブーツは、コンディション、サイズともに良好。シャフト部分のエイジングが美しく、ヴィンテージらしいシャープなフォルムだ。6万4900円

オフィシャルでリリースされていたヴィンテージのハーレーステッカーもデッドストックで発掘。豊富なバリエーションがあり、中にはパッチも混ざっている。値段も手頃なのが嬉しい。1200〜1980円

ハーレーTシャツではめったに出てこないブラウンカラーのボディがおもしろい。背面にはクラシックなイラストやハーレーとともに、カンザス州ダッジ・シティのディーラーがプリントされている。’90年代のオリジナル。8980円

1984年にラジオ局が主催したポーカーランというイベントのTシャツ。両袖にハーレーのロゴマークが入っているので、オフィシャルで協賛したバイクイベントだったのだろう。トランプのプリントが◎。8980円

1938 INDIAN MOTORCYCLE SPORT SCOUT|オールド感溢れるインディアンの名車をボバーに!!

世界恐慌によりインディアンの経営が傾いていた際に、起死回生の策として、1934年にリリースされたスポーツスカウト。現車はアメリカにてストック状態で見つかった1938年式の個体で、春原さんがパーツをストリップしてボバースタイルに。ペイントは’50〜’60年代に再塗装されたようでいい雰囲気に。パフォーマンスモデルなので、クイックに走る。

インディアンの代名詞であるサイドバルブエンジンは、名車スカウトをベースにハイパフォーマンス仕様にカスタムされている。エアクリーナーのカバーも含めて、純正パーツで構成されている。

スピードメーターは、インディアンの純正品で1939年のものが使われている。オリジナルの6V仕様のまま走っているが、これといって不便はないそうだ。

スポーツスカウト用の純正リンカートキャブレターM641など、オリジナリティが高いのも魅力。スポーツスカウトは現存数が少なく、本家アメリカでも今や珍しい存在。

ボバーに乗る時は、車両の雰囲気に合わせて、よりラフで無骨なスタイルに。Tシャツは敬愛するグレイトフル・デッドで、パンツはウエアハウスを着用。

1962 HARLEY-DAVIDSON PANHEAD|見様見真似で仕上げた思い入れのあるチョッパー!!

春原さんが1996年に独立した際に、思い切って購入したというハーレーのチョッパー。映画『イージー・ライダー』に感化されたため、どうしてもチョッパーに乗りたく、夜な夜なアメリカのカスタムバイクをVHSで学習し、ビルダーと二人三脚で仕上げたそう。数年ごとに外装の一部は替えているが、基本的なフォルムは変えていないそうだ。

1948年にナックルヘッドの後継としてデビューしたパンヘッドは、シリンダーヘッドがアルミに変更され、オーバーヒートに対する信頼性が飛躍的にアップした。1965年まで生産され、人気が高い。

ほとんど純正パーツを使っていないが、オイルタンクはオリジナルを使用している。そこに春原さんらしいステッカーカスタムを施しており、アメリカの西海岸らしいセレクト。

ハンドシフトのノブには、フォルクスワーゲンなどでよく使われているカスタムパーツであるハーストを使っている。実際に握りやすく、見た目も良いので一石二鳥。

タンクは’60〜’70年代頃のスポーツスターのものをチョイスしている。ペイントは西海岸らしいチョッパーのカラーリングをイメージしたそう。スレやサビが出ていて、いい雰囲気に。

パンヘッドに乗る時は、遊び心を利かせたスポーティなコーディネイトに。トップスはなかなか見つからないビッグサイズのヴィンテージフットボールTで、ボトムはカーハートのダブルニーパンツだ。

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年7月号 Vol.363」)

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