ピエール・ジャンヌレの家具をナバホラグでスタイリング! “フレンチミッドセンチュリーネイティブアメリカン”

近年、ヴィンテージファニチャーの市場で盛り上がっているのが、フランスのミッドセンチュリーだ。昔からジャン・プルーヴェやシャルロット・ペリアンなどが有名であるが、ここ数年の主役はピエール・ジャンヌレ。そんなフレンチミッドセンチュリーを個性的に活用しているのが、サンタセッのオーナーである大貫達正さんである。

フレンチミッドセンチュリーをインテリアに取り入れたアポイント制ショップ。

「SANTASSÉ」オーナー・大貫達正さん|1980年生まれ。茨城県出身。小学生よりヴィンテージデニムに目覚めた根っからの古着好き。2023年にオープンしたサンタセッムニでは、ここでしか買えないエクスクルーシブなアイテムばかり

数々の人気ブランドのディレクターを務める大貫達正さん。超が付くほどのヴィンテージ好きであり、集大成とも言える自身のデニムブランドであるコールマインギャランティードを立ち上げた。そのスペシャルなデニムは、住所非公開のアポイント制ショップであるサンタセッムニのみで購入することができる。その空間の中心に位置するのは、ピエール・ジャンヌレがインド北部の都市であるチャンディーガルのためにデザインしたテーブルとチェアである。

「このテーブルとコミッティチェアは、フランスを代表する建築家であるル・コルビュジェとパートナーのピエール・ジャンヌレが1950年代に手掛けたインドのチャンディーガル都市計画でデザインされたものなんです。建築物はもちろん、中に置くインテリアもデザインされており、これはパンジャブ大学に置かれていたようです。

フレンチミッドセンチュリーらしいモダンなデザインながらも、現地の材料使って職人が組み立てやすいように配慮されたスタンスがおもしろい。自分にとって、このミニマルなデザインは、白米のような存在。どんな建物やインテリアにもフィットしてくれる点に惹かれました。

実際にこのギャラリーは、明治40年に建てられた古民家をリノベーションしていて、室内には僕が敬愛するナバホ族のラグなどを中心に、様々な時代や国の工藝品やヴィンテージと混ぜても違和感がないんです」

唯一無二のプロダクトだけが並ぶ圧倒的な空間。

バーコーナーの前には、大きなナバホラグの上に、アルネ・ヤコブセンが1958年にSASロイヤルホテルのためにデザインしたスワンチェアに、オメルサのカンガルーを組み合わせている。額に入れたリーバイスのアドバタイジングなど、大貫さんの好きなものが詰まっている。

1950年代に着手されたインドのチャンディーガル都市計画でデザインされた家具は、復刻されるほどの人気。籐を用いたチェアがアイコニックであるが、あえてコミッティチェアを選ぶあたりも大貫さんらしいチョイスだ。

1960年代のポッタリーから影響を受けたデザインのポットは、信楽焼のNOTA&designが手掛けたもの。サボテンやアガベなど、アメリカ西海岸を感じられる植物とミッドセンチュリーはよく似合う。

インド・チャンディーガル都市計画では巨匠建築家によって都市空間から建築物、家具まで総合的にデザインされた。このコミッティチェアは大学に置かれたもので、アームレス仕様や複数人のバリエーションもある。当時のオリジナルで、生地はあえてランダムに張り替えた。

2023年にオープンし、話題となっている完全アポイント制のショップであるサンタセッムニ。コールマインギャランティードを筆頭に、その店名の通り唯一無二のプロダクトが揃っている。世界中から吟味されたヴィンテーファニチャーも展示販売され、見どころ満載。

なんとも雰囲気のあるナバホラグやチマヨ織りの上には、ヴィンテージのフレームフランスがディスプレイされている。すべてデッドストックで、1本ずつ吟味して、大貫さんが仕入れている。

1952年に創業された喫煙具の老舗である坪田パールの名作エディーパイプライターは、日本のミッドセンチュリーデザイン。パイプに特化した作り。右/4950円、左/1万1000円

なんともモダンなフラワーベースやウォータージャグなどは、ミッドセンチュリーモダンなデザインを伝統的な手法で表現する信楽焼のNOTA&designもの。青はサンタセッムニの別注。

【DATA】
SANTASSÉ MUNI
完全予約制・住所非公開
※インスタグラムの公式アカウント(@santasse_to_2020)からダイレクトメッセージで予約受付中。

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年4月号 Vol.360」)

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