59CLUBとLewis Leathers
ルイスレザーズの代表であるデレック・ハリス氏。彼はルイスレザーズの歴史に基づくものづくりの総指揮を執る。当然、ヴィンテージのルイスレザーズやモーターサイクルカルチャーの研究を続けており、イギリスのミッドセンチュリーにも造詣が深い。
アヴィエイターの飛行服を起点に、モーターサイクルジャケットを展開したルイスレザーズが、その地位を明確にした出来事があった。1959年、59CLUBの創設だ。
「59クラブは教会のユースクラブでした。若者を集めてレクリエーションの場としました。発起人はその教会のビル・シャーゴールド神父。世界的に有名なロッカーズのクラブが、神父によって創設されたというのは興味深いことですよね」
その神父自身もバイク愛好家だった。教会のユースクラブと言っても、メンバーの多くはバイカーで、神父が作ったモーターサイクルクラブといった面が強かった。
「毎月第二土曜日には59クラブでルイスレザーズはライブを催し、即売スペースを設けて、ジャケットや、ジャケットを飾るピンズやバッヂを販売していたんです。当時の写真を見ても、とても賑わっていましたね。だから現代も続く伝説の59クラブとルイスレザーズは切っても切れない縁なのです」
ミッドセンチュリーの時代には世界中でユースカルチャーが盛り上がった。若者たちは、反骨心や個性の主張をカスタムで表現した。そして既成概念にとらわれない自由な発想が文化として根付いていったのだ。イギリスではその象徴が59クラブであり、ルイスレザーズのジャケットとなったのだ。
歴史や伝統にリスペクトを表し、カスタムで新しい風を吹き込む現代のルイスレザーズも、当時の息吹を継承し、後世に伝える重要な役割を果たしている。単なる商業プロダクツではない、文化の重みがルイスレザーズには宿るのだ。
【DATA】
ルイスレザーズ ジャパン
https://www.lewisleathers.jp/
(出典/「Lightning 2024年4月号 Vol.360」)
Text/A.Matsushima 松島睦 Photo/M.Nagata 永田雅裕
関連する記事
-
- 2023.12.03
UKモーターサイクルジャケットを確立した立役者。「ルイスレザーズ」の代表モデルを紹介!
-
- 2023.07.09
「LEWIS LEATHERS」、1着のジャケットに魅せられた男たちの小さな物語。