ルイスレザーズ代表デレック・ハリス氏に訊く! 英国ミッドセンチュリーとはなんだったのか

ミッドセンチュリー(世紀の中間)と呼ばれる1940年代から1960年代。第二次世界大戦によって、大きな転換を余儀なくされたイギリス。アメリカなどでは技術の発展や新たな価値観の誕生により、多くのカルチャーの転換期ともなったこの時代。イギリスでも同様にその後の文化に大きな影響を及ぼした。英国が生んだレザーブランド、ルイスレザーズで当時の話を聞いてきた。

59CLUBとLewis Leathers

ルイスレザーズの代表であるデレック・ハリス氏。彼はルイスレザーズの歴史に基づくものづくりの総指揮を執る。当然、ヴィンテージのルイスレザーズやモーターサイクルカルチャーの研究を続けており、イギリスのミッドセンチュリーにも造詣が深い。

アヴィエイターの飛行服を起点に、モーターサイクルジャケットを展開したルイスレザーズが、その地位を明確にした出来事があった。1959年、59CLUBの創設だ。

「59クラブは教会のユースクラブでした。若者を集めてレクリエーションの場としました。発起人はその教会のビル・シャーゴールド神父。世界的に有名なロッカーズのクラブが、神父によって創設されたというのは興味深いことですよね」

その神父自身もバイク愛好家だった。教会のユースクラブと言っても、メンバーの多くはバイカーで、神父が作ったモーターサイクルクラブといった面が強かった。

「毎月第二土曜日には59クラブでルイスレザーズはライブを催し、即売スペースを設けて、ジャケットや、ジャケットを飾るピンズやバッヂを販売していたんです。当時の写真を見ても、とても賑わっていましたね。だから現代も続く伝説の59クラブとルイスレザーズは切っても切れない縁なのです」

1956年の広告に初めて登場したルイスレザーズのBRONX。Dポケットやウエストのベルトを備えた革新的なモデルだった。1950年代以降も定番として長く愛された。59クラブ創設者ビル・シャーゴルド神父も愛用していた

ミッドセンチュリーの時代には世界中でユースカルチャーが盛り上がった。若者たちは、反骨心や個性の主張をカスタムで表現した。そして既成概念にとらわれない自由な発想が文化として根付いていったのだ。イギリスではその象徴が59クラブであり、ルイスレザーズのジャケットとなったのだ。

歴史や伝統にリスペクトを表し、カスタムで新しい風を吹き込む現代のルイスレザーズも、当時の息吹を継承し、後世に伝える重要な役割を果たしている。単なる商業プロダクツではない、文化の重みがルイスレザーズには宿るのだ。

Dルイスブランドで1930年代から1960年代まで続いたユニバーサルレーサーMk1。S.マックイーンもプライベートでエンデューロレースに出場した際に着用していた写真が残っている。現在も復刻されている
1950年代のスーパージェットヘルメット。AVIAKITのネームラベルは、ルイスレザーズがブランド黎明期の1920年代に飛行士の装備品を作っていた頃から使われている。1950年代にはBRONXなどのジャケットに付される
イギリス・ロンドンのフィッツロヴィアにあるルイスレザーズ。ブランドの歴史を伝えるヴィンテージピースや昔の写真などもたくさん展示されている
1960年代のAVIAKITラベルが付いたモーターサイクルヘルメット。この時代はヘルメットやジャケットなど、身の回りの物をカスタムするのが当然
こちらは現在ルイスレザーズが復刻するスーパージェット。1958年に発表されたものを忠実に復刻し、販売している

【DATA】
ルイスレザーズ ジャパン
https://www.lewisleathers.jp/

(出典/「Lightning 2024年4月号 Vol.360」)

この記事を書いた人
松島親方
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松島親方

買い物番長

『Lightning』,『2nd』,『CLUTCH Magazine』男性スタイル&カルチャー誌の統括編集長。ロンドンのセレクトショップ「CLUTCH CAFE」のプロデューサーも務める。 物欲を満たすためには海をも越え、全地球規模で買い物を楽しんでいる。
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