シープにおける最強の走破性能を持ったモデルがルビコンの称号なのだ。

ジープのラインナップにたびたび登場するルビコンというグレード。これはアメリカに実在する過酷なオフロードであるルビコントレイルにちなんで付けられたネーミング。つまりこの名前が付けられたモデルはオフロード性能を極限まで高めていることを意味する。つまりジープ本来のスペックを市販最高レベルまで煮詰めたモデルということ。つまり見た目は同じでも足周りを始めとした中身は別物というわけ、そんなルビコンについて深掘りしてみる。

ジープ ルビコンとラングラーとの違いは悪路走破性の高さ。ルビコンの名はその証明なのだ。

ジープといえば、元々は軍事需要から生まれた高機動車で初代はウィリスから発売された。その後、カイザー、AMC、クライスラー(後年はフィアット・クライスラー)、ステランティスと製造メーカーは変わりながらもそのDNAは受け継がれ、現在でも高いオフロード性能を持ったアクティブなモデルとして世界中に多くのファンがいるモデル。いわゆる世界の名車のひとつ。

そんなジープ本来の悪路走破性能をさらに煮詰め、岩山をも難なく登るほどのポテンシャルを持ったモデルにルビコンの名前が冠される。

ルビコンとはアメリカのネバダ州からカリフォルニア州に続く全長22マイルの花崗岩でできたオフロードであるルビコントレイルに由来している。

世界でも有数な道無き道をジープはテストコースに設定し、ここで高い走行パフォーマンスを発揮できるようにセッティングを煮詰め、専用の装備を施したのがルビコンモデルなのである。

その登場は2003年。ラダーフレーム構造のボディに、前後リジッドアクスルという伝統的なオフロード車の構造で、通常モデルよりもローギアード設定になっていたり、前後のデフ(デファレンシャルギア)をロックできるようになっていることで、歩行スピードよりも遅く車体を進めることまで可能にしているなど、様々な悪路に対応できる機能を持っていた。

現在ではラングラー、ラングラー4xe、グラディエーターの車種にルビコンの設定が存在している。

初めてルビコンの称号を冠した2003年式ジープ・ラングラー・ルビコン。ルビコントレイルで鍛えられた足を持った悪路走破モデルとして生まれ、公道仕様を前提としたスタンダードなジープとは見た目は同じながらデフロックなど悪路専用の装備が標準搭載という中身が別物だった。Photo by Stellantis
2022年式ジープ・ラングラー・ルビコンの2ドアモデル。この他にも日本ではアンリミテッドの名前で知られている4ドアモデルも存在。近年ではエンジンフードのサイドにルビコンのデカールが貼られていることで車種の判別ができる。Photo by Stellantis
実際のルビコントレイルを走る2023年式ジープ・グラディエーター・ルビコン。現在ではラングラーだけでなく、ピックアップトラックのグラディエーターにもルビコンモデルが設定されている。Photo by Stellantis

多くの基準をクリアするスペックを持ったルビコンジープ。

過酷なオフロードを走破するために必要な課題はいろいろあるが、そのなかでもトラクション、渡河性能、機動性、アーティキュレーション(接地性)、地上高などといった各テーマにおいて、実際のルビコントレイルでテストされるルビコン。ジープが独自に設定した課題をを高次元でクリアするための装備が開発され、それが最初から搭載されいる。

また、それらの基準を高度な走破性でクリアできるるスペックを持ったモデルにはTRAIL RATEDの称号が付き、さらにラングラーではルビコンという名が冠されるというわけだ。

TRAIL RATEDのエンブレムはまさに過酷なトレイルでの走破性をクリアしたジープの証明。ラングラーではルビコンに、レネゲードやチェロキー、グランドチェロキーにはトレイルホークというモデルにこのバッジが付いている。Photo by Stellantis

2023年、ルビコン392を筆頭に、新型には20周年モデルが登場した(本国アメリカのみだけど)。

2023年はルビコン登場からちょうど20周年ということもあり、アメリカではルビコン20周年モデルが登場している。残念ながら日本では販売されていないけれど、そのモデルたちもここで紹介。20年という悪路走破性を高めた試行錯誤によって生まれたモデルたちはアクティブな趣味人たちの憧れのモデルになっている。READY FOR OFF-ROAD ADVENTUREというキャッチコピーが心を躍らせる。

2023 Jeep Wrangler Rubicon 392 「Rubicon 20th Anniversary Edition」

久々に復活したV8エンジン搭載のジープが392。392とはエンジンの排気量392キュービックインチのことで、日本でいう6.4リッターエンジン。つまり392のレネゲードは最強のエンジンと最強の走破性を併せ持ったモデルということになる。Photo by Stellantis

ラングラー史上最強と言われる470馬力の6.4リッターV8エンジンを搭載したルビコン392をベースに、フロントにグリルガード付きのアイアンバンパー(ウインチにも対応)を標準装備、車高も通常モデルよりも1/2インチ高いサスペンションを搭載する。

2023 Jeep Wrangler Rubicon 4xe 「Rubicon 20th Anniversary Edition」

PHEV(プラグインハイブリッド)になるルビコン4xeに専用の装備やカスタムが施され、さらに悪路走破性を高めた20周年記念モデル。グリルガード付きのアイアンバンパーやサスペンションリフト、812mmの防水性能や284mmの最低地上高を確保している。

日本国内での新車の値段や燃費は? ルビコンこそジープ党の最終到達地点。

世界でも有数な悪路を何度もトライすることで生まれたルビコンというモデルを深掘りしてみると、街でルビコンのデカールが貼られたジープを見たら、悪路もモノともしないモデルだとこれからは想像できる。むしろジープの生まれた背景や、その本来の性格をさらに磨き上げたモデルだと聞けば、もっともジープらしい味付けになっているモデルこそルビコンなのかもしれない。

気になる日本国内でのルビコンモデルの流通はアンリミテッドと呼ばれる4ドア、2リッター直4ターボ搭載車のみで、新車価格は905万円。燃費は市街地で6.6km/L、高速走行で10.8km/Lとアナウンスされている。

ルビコントレイルを駆け抜けるポテンシャルを持った最強のジープこそ、ジープ愛好家の最終到達地点なのである。

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。