青果店のような街に馴染むコーヒー店でありたい。
1号店は三軒茶屋栄通り商店街でスタートしたカフェ。オープン当初はスペシャルティコーヒーがサイフォンで飲めるカフェとして話題となった。昔ながらの自家焙煎の純喫茶を踏襲しつつも豆選びはスペシャルティを厳選する温故知新なスタイルである。
そして12年前、オブスキュラ2号店ができたのは同じ三軒茶屋だが、街の反対側にある茶沢通りの商店街。ラボラトリーという名の通り焙煎機が置かれたコーヒーの味を試行錯誤する実験場であり、対面商売としてはコーヒースタンドがメイン。
テイクアウトと豆販売に特化していた。現在では三軒茶屋に系列店が3店舗。興味深いのがすべてのメイン通りを網羅していることだ。表参道や銀座などに支店進出を果たす野望を持った店舗が多いなか、徹底して三軒茶屋に根付くことにこだわる庶民派。現在は焙煎施設をラボラトリーから徒歩3分の場所に移し、さらなる三軒茶屋の強固なネットワークを築いている。
「三軒茶屋の街のコーヒー店でありたい」と話すのは焙煎師の柴さん。
「自分たちの規模感で地に足をつけたかった。気軽に野菜を買える青果店のような存在でありたいんです」
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