【フェアレディZ図鑑】存在自体が旧車の資料。これぞジャパンヘリテージ。

  • 2023.07.04  2023.06.21

世界中のクルマ好きからも注目されているジャパニーズ・ヴィンテージカー、フェアレディZ。フルノーマルも存在するが、ここで紹介するのは「納屋物」と呼ばれる納屋の中で埃にまみれ、何十年も眠っていたような一台。高いレストア技術をもつ水上自動車が、あえてフルノーマルにする理由とは。

ネジ一本取ってもオリジナルのままという、資料のような貴重な一台。

「水上自動車工業」河原塚 玄さん|パルサーGTI-Rのオーナーでもある、水上自動車の若手メカニック。ちなみに彼女募集中で「平成生まれですが、昭和な男なのでまずは文通からお願いします」

バーンファインド。納屋などに眠っている埃まみれのクラシックカーのことを指す。日本では「納屋物」と呼んだりすることも。いずれにせよフルノーマルで、納屋の中で何十年も眠っていたようなクルマに価値がある。

迷える旧車オーナーの駆け込み寺として知られる埼玉県の水上自動車工業が所有する’72年製の240ZGは正真正銘の納屋物。ワンオーナー・フルノーマルで、最近永い眠りから目覚めたところだ。

気になるのはこのクルマの今後。高いレストア技術をもつ水上自動車だから、新車以上にビシッと仕上げる予定なのだろうか。

車高もノーマルだが、不思議とこの高さが似合う。ノーマルのシルエットがいかに計算されて設計されていたかがわかる。サイドシルの腐りといったZ特有の弱点は、今後補修をしていく予定だ

「このクルマはこのまま。ひどい腐りは直しますが、それ以外はこの状態です」

と水上自動車工業の若手メカニックの河原塚さん。それだともったいない気もするのだが。

「もったいないのは改造しちゃうこと。このクルマの何がすごいかって、ネジ一本取ってもオリジナルのままなんです。クルマ自体が資料のようなものなんです。ホイールもトピーの鉄チンでホイールキャップ付。当時はクルマが納車されたら真っ先に変える部分だったので、そのままの状態で残っているのはとても貴重なんですよ」

改造はいつでもできるが、それを元に戻すのは非常に難しくなる。こういった当時の状態が残るクルマを残すのは、日本の旧車文化のためには必要なことなのだ。

やれた外装から感じる本物の姿。時代を超え、今も当時のままで。

240ZG仕様は数あれど、正真正銘本物のフルノーマル状態のZGは大変貴重。まさに走る資料とでもいうべき存在の個体だ。

エンジンは前オーナーが調子維持のため、消耗品などを交換した痕跡があるが、それは許容範囲内。クルマ走ることが何より大事だから。

オーディオを付けたり、ステアリングを変えたり、三連メーターを変更したり、とかく改造されやすい室内もフルノーマルの状態を維持している。

シフトノブも当時物。シフトブーツも痛みや劣化もなく、そのままの状態で残っているのはまさに奇跡。これも資料的価値のある部分だ。

レアアイテムと化している当時物のホイールキャップ。タイヤはゴムが劣化し、走るには危険な状態だったため、ヨコハマタイヤのG.T.SPECIAL CLASSIC に変更。このクルマによく似合う。

フェンダーミラーは経年で塗装部分が剥げてきており、風合いを感じる雰囲気に。こういった自然なエイジングは、長い年月の積み重ねによるものだ。

【DATA】
水上自動車工業
埼玉県北足立郡伊奈町小針新宿717-1
営業/9:00〜18:00
TEL048-729-1330
http://www.mizukami-auto.com/

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部