性能とスタイルを両立するヤングタイマーの代表格。
昨今、’80〜’90年代頃の“ちょっと旧いクルマ”がヤングタイマーとして注目を集めているが、その時代の感じ方は見る人それぞれの年齢によっても異なるはず。例えば、青春真っ只中にその時代を過ごした50代オーバーの人からすれば、昔憧れた懐かしいクルマだろう。
鬼木さんは’87年生まれの34歳。つまりバリバリのヤングタイマー生まれだ。物心つく頃にまだ普通に道路を走っていたクルマたち、中でもメルセデスのセダンは当時の感覚では、“おじさんっぽいクルマ”だったに違いない。そんなヤングタイマー生まれの人間が程よくおじさんに差し掛かってきた今、旧いプロダクツを見直す現代的な価値観も相まって、幼い記憶に残る立派なクルマ=渋い、になるのは自然の流れだ。
鬼木さんにとっての初めての旧いクルマだが、W124に至るには理由があった。
「旧いクルマに乗りたいと思った時に最初はW123が有力だったんです。でも、仕事やプライベートの足として使いたいから性能やコンデイションまで含めて、スタイルと安心感を両立するW124が現実的だなと思いました。自分が生まれた年代の名車なので、それも縁なのかなと」
ヤングタイマーといえばイマドキな言葉に感じてしまうが、自分が生まれた時代の名車を日常の足として選ぶのは、旧いモノを愛する現代の30代のリアルなチョイスと言えるだろう。
「1988 MERCEDES-BENZ 300E W124」のディテールを拝見!
全体的にオリジナルを基調としているが、前後のウインカーレンズをUS仕様のクリアレンズに変更している。
ダッシュや内装は全てオリジナルをキープ。内張やシートのファブリックの状態も良く、センターのウッド調のコンソールがリッチな雰囲気。
300Eのエンジンは排気量2960cc、SOHCの直6エンジン。都内の街乗りからロングライドまでこなす必要十分なパワーを誇る。
コンパクトな車格の割にトランクは広々としているため、仕事道具の他に着替えやクルマを降りた後のちょっとした移動で使うスケートボードを収納。
(出典/「Lightning2022年7月号 Vol.339」)
Text/Y.Kinpara 金原悠太 Photo/M.Watanabe 渡辺昌彦 取材協力/ DVELP INSTAGRAM:@_dvelp_
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