世界的コレクターが語る、’90年代スケートデッキの魅力。
アメリカ老舗カンパニーの復刻モデル制作に、自身のコレクションを貸与するほど世界的なヴィンテージスケートボードデッキコレクターとして知られるローランさん。最近は’90年代初期のグラフィックがお気に入りだと話す。
「’80年代よりも色使いが多彩になりましたし、当時の社会問題を取り上げたり、昔からある人種差別などをテーマにしながら、アーティスト独自の世界観が投影されているのがすごく面白いんです。社会風刺などメッセージ性の強いものが格段に増えましたね。仮に今リリースするなら、ロシアとウクライナの戦争は間違いなく入ってくるでしょうし、ストリート発信のアートは独自の魅力に溢れてます」
もちろんそのグラフィックの進化にも明確な理由が存在する。
「’80年代にも有名なアーティストやグラフィックはありますが、スカルモチーフが多かったり、悪い言い方をすれば似たようなグラフィックやビジュアルばかりだったんです。それが’90 年代に入ると、ライディング技術の進化と共にストリートスケートの時代を迎え、デッキの形状もフィッシュテールからダブルキックに変わっていきました。そうした時代の変革期の真っ只中だったから、グラフィックパターンも多彩に広がっていったんです」
【Late1980s~MID1990s】知っておきたいスケートボードのカタチ。
スケートボードの歴史を語るなら、’80年代末から’90年代前半にかけての革命期は外せない。ストリートの時代が花開くまでの数年は、ライディングスタイルの進化と共に、デッキの形状も短期間で変化していったからだ。
1.Big Kicktail with Double Kick|’80年代の面影を残しつつストリートの要素も感じるシェイプ。
2.’80s Shape|オーリーが生まれる前の、極端に短く尖ったノーズ。
3.Football Shape|小回りが効いて扱いやすいアメフトのボールのような楕円形。
4.Popsicle Shape|現在でも主流となっているアイスキャンディー型の誕生。
スペシャルなアートピース!! 1980年代から1995年のコレクタブルなデッキを一部公開。
デッキシェイプの変遷を学んだところで、次はローランさんが所有する珠玉のコレクションをドドンと紹介。リリース年も明記しているので、形状のみならずデザインや色使いがどのように進化していったのかにも注目だ。
1.【’89】Santa Cruz / “Jason Jesse”
2.【’90】101/“Natas Kaupas”
3.【’91】bLind/ “Jason Lee”
4.【’92】Powell Peralta/“Adam McNatt”
5.【’92】101/“Eric Koston”
6.【’92】Santa Monica Airlines/“Frank Hirata”
7.【’93】Plan B/“Rick Howard”
8.【’94】Prim/“Kris Markovich”
(出典/「Lightning2022年6月号 Vol.338」)
Text&Photo/Y.Yoshida 吉田佳央 撮影協力/ジェルヴァゾニ・ローラン Instagram@2_secondes_stp
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