ジャパンデニムの先駆者の一つ「フェローズ」が目指す究極のベーシックジーンズとは?

  • 2023.04.25  2022.06.02

ジャパンデニムの黎明期である1991年よりジーンズを作り続けている第一人者の一角であるフェローズ。理想は、いつの時代も愛され続ける究極のベーシックである。

「フェローズ」企画/生産・夏川理輝さん

2015年に入社して以来、代表を務める志村さんと二人三脚で企画と生産を担当する縁の下の力持ち的なポジションを任せられている。繊維の組織からグラフィックまで守備範囲は広大。

目指すのは流行に左右されないタイムレスなジーンズの体現。

日本を代表するアメカジブランドのひとつであるフェローズ。1991年にジーンズをリリースして以来、そのスタンスは変わっていないと夏川さんは語る。

「デニム御三家と同じ時代を生き抜いた実力派ブランド、そんな架空のストーリーが我々の重要なアイデンティティになっています。だからヴィンテージジーンズと寸分違わぬ“復刻品”を作る気はありません。

もちろんヴィンテージに紐づく時代背景や文化に敬意を払ったモノ作りをしていますが、いつの時代にもフィットする普遍性、さらに特定のライフスタイルやシーンを限定することのないユーティリティパンツこそが、我々が目指す理想のジーンズなのです」

色落ちに関して強くこだわりながら、ユーザーの多様性を尊重しているのもフェローズらしい。

「定番モデルでは3種のオリジナルデニムを使い分けています。米綿とオーストラリア綿の混綿を使ったバランスの良い退色感が特徴の13.5オンス、大戦モデルを思わせる荒々しい縦落ちを見せる13.75オンス、1960年代頃のより青みがかった色落ちとなる13.5オンスのデニムを各モデルに相応しいかたちで採用しています。

とはいえ、ジーンズのシルエットと同じく色落ちの好みも人それぞれです。ヒゲやハチノスのように象徴的な退色を求める方もいれば、穿くたびに洗濯機で洗う方だっているでしょう。それぞれ異なる退色感を備えていますが、実際に自分なりの色落ちを楽しむのはお客様ですし、我々はそのベースとなる部分を提供しているに過ぎないと考えています」

オーセンティックな1920sモデル。「Pherrow’s Lot:500SW」【3 年着用】

ラインナップの中で最古の1920年代のサンプリングモデル。米綿とオーストラリア綿を混紡したオリジナルの13.5ozセルビッジデニム。太いシルエットとバックルバックが特徴である。2万1780円

ファッションジーンズの完成形。「Pherrow’s Lot:466SW」【5 年着用】

1960年代にワークウエアからファッションウエアとして舵を切ったアーカイブへのオマージュ。ラインナップの中で細身に位置し、爽やかなブルージーンズとなる13.5oz生地を採用。1万6280円

日本人のために作られた旗艦モデル。「Pherrow’s Lot:421SW」【2年着用】

欧米人に比べてヒップ部分が薄い日本人体型を考慮して、ヒップラインや股周りなどを修正し、抜群のフィット感を実現したフラッグシップモデル。米綿を使った13.75ozのデニム。2万1780円

迫力ある経年変化が魅力。「Pherrow’s Lot:451SW」【4 年着用】

世界大戦時の物資統制で簡略化されたモデルをフェローズ流に体現。米綿を使った13.75ozのセルビッジデニムは、酸化した風合いを出すためにサルファと赤みの入ったインディゴで染色。2万1780円

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning2022年4月号 Vol.336」)

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