展示総額5億円! ヴィンテージデニム研究者による個展『ビンテージデニムの歴史と教養』をレポート!

さる2月に、日本屈指の高級百貨店である伊勢丹新宿店にて、スペシャルなヴィンテージイベントが開催された。昨年に続き、2回目となった新潟の名店マッシュルームのポップアップイベントと、世界有数のヴィンテージデニムコレクターである
脇谷重輝氏によるエキシビション『ビンテージデニムの歴史と教養』の2本立て。今回はエキシビションで展示されたヴィンテージデニムを紹介する。

ヴィンテージを学術的に読み解いた情報体系を発信。

“展示総額5億円”がサブタイトルとなったエキシビション『ビンテージデニムの歴史と教養』が、伊勢丹新宿店で開催された。そのキュレイターを務めたのが、世界屈指のヴィンテージデニムコレクターである脇谷氏だ。自身が所有する大戦モデル中心のデッドストックが20点ほど並ぶ圧巻の光景。

「私は20年以上、何百回とアメリカ現地に足を運び、ヴィンテージデニムを学術的に追求してきました。その中でも力を入れたのが大戦モデルでした。調べるうちに定説となっていることが、けっして正しいことではないと確信したんです。今回のイベントは、私の見識を皆様にお伝えしつつ、デニム学術活動の本格始動を宣言することを目的としているんです」

「I¿B」代表・脇谷重輝|早稲田大学政治経済学部卒。戦争経済学を選考し、独自のアプローチで大戦期のデニムを研究。新潟の名店「マッシュルーム」と組んでデニムの贋作対策を行う機構も設立予定

ヴィンテージデニム研究者による個展が開催。

ヴィンテージデニムを論理に基づいた学問として研究し、独自の論理体系とともに、その価値を世に定評する学術団体「I¿B」。その代表であり、大戦モデルを中心としたヴィンテージデニムコレクターである脇谷氏が、自身のコレクションとともに
エキシビションを開催。伊勢丹新宿店のVIPのみが参加できた会であったが、特別に取材許可が下りたので、その一部を紹介する。

1945 LEVI’S S501XX

デッドストックでもバックポケットのアーキュエイトが消えてる個体が多いが、こちらはバッチリと残る。大戦モデルでありながらFOR THE DURATION表記フラッシャーが付属しないパラドクスが概念を覆す鍵に。

1939 LEVI’S 501XX

1939年にドイツがポーランド侵攻したことで第二次世界大戦が勃発。その影響下でドイツからの染料の輸入が止まり、広義的に大戦モデルと定義し得る、前代未聞驚愕のディテールを有する。

1942 LEVI’S S501XX

フラッシャーに1942の文字が入るが、デザイン統制が始まる同年8月以前に生産された個体。そのためバックルバックなどが省略されていない。ただ生地に関しては、大戦期ならではの深い色。

1944 LEVI’S S501XX

1942年の8月より物資統制が敷かれ、バックルバック、リベット、飾りステッチなどが省略された仕様で生産。こちらはスレーキにチェックを用いた仕様であることも個性的だ。

1946 LEVI’S S501XX

当個体は、1944年3月に設立されたサンタクルズ工場で生産されたもの。大戦モデルのフラッシャーや革パッチの品番から第二次世界大戦後も同仕様でデニムが生産されていたことを証明。

1947 LEVI’S 501XX

品番は501XXに戻っているが、大戦期と同じ生地やリベットが使われている1946モデル。1946年12月中旬にデザイン統制が解けるので、1947年に生産されたというのが脇谷さんの考察。

1948 LEVI’S 501XX

いわゆる1947モデルであるが、この呼称も正確ではないと考察。47と呼称されるモデルでも最低5種類に細分化され、このチケットが付けられた工場、モデルは限られたことまで特定済だそう。

(出典/「CLUTCH Magazine VOL.99 2025年5月号」)

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