“履くこと”だけが価値ではない! 加水分解しても欲しいスニーカーとは。

ハイテクスニーカーの宿命である加水分解。ソールなどに使われているポリウレタンやEVA素材が、空気中の水分で化学反応を起こし、劣化してしまう現象だ。そんな悲しい現象に多くのスニーカーファンたちが落胆してきたが、近年スニーカーブームで一部の光明が見えたかもしれない。捨てるのでなく飾る。これは新たなサスティナブルか!?

「スキット」代表・鎌本勝茂さん

1978年生まれ。青森県出身。学生時代にバスケットボールを始めたことでスニーカーに興味を持つ。18歳で上京し、22歳の若さでスニーカーショップ『SKIT』をオープンした。

リペアパーツとして活用する人もいる!

ヴァルカナイズ製法のローテクスニーカーから、機能性を求めて、各スポーツシューズメーカーは最先端のテクノロジーを駆使してハイテク化していった。競技で使うには機能性や耐久性は大きく向上したが、ファッション目線だと加水分解という問題に直面する。

こちらはオリジナルでなく、2000年頃のエアジョーダン6の復刻。デッドストックであったが、加水分解でバラバラになってしまった

スニーカーファンであれば、誰もが経験したことがあると思うが、ソールなどに使われているポリウレタンやEVA素材が、空気中の水分で化学反応を起こし、劣化してしまうのだ。メーカーそれぞれで見解は異なるが、早ければ3~5年程度で加水分解が起きてしまうと言われている。捨てる以外の選択肢はないと思っていたが、ここ数年で変化があったとスニーカー専門店スキットの鎌本さんは語る。

「一部のコアなファンの間では、加水分解してしまったスニーカーを飾ったり、SNSで紹介したり、リペアする際のパーツ取りとして密かに需要があるんです。その中でも人気なのが、これまで復刻されていないモデル。しばらく復刻されていないモデルも人気が高く、すぐに売れしまいます。当初は30~40代の方々が多かったのですが、リアルタイムで知らない若い世代の方にも人気が高まってます」

このように様々なモデルでソールユニットを共有していたため、リペアする際のパーツとして買っていく人もいるというから驚きだ

履けないけれど飾りたい、未復刻モデル6選。

1.ナイキ/エアマックス95

今も定期的に復刻されているエアマックス95だが、このオリジナルカラーはしばらく再販されていないため、人気を呼んでいるそう

2.ナイキ/エアズームサイズミック

1999年にナイキアルファプロジェクトからリリースされたナイキ・エアズームサイズミックはいままで復刻されていない。これは日本企画の色

3.ナイキ/エアジョーダン

一見、きれいなデッドストックかと思いきや、ソールに亀裂が入っているのでアウト。ただジョーダンシリーズは人気が高い。1999年の復刻

4.ナイキ/エアバースト

少し前のダッズスニーカーブームにピッタリなナイキ・エアバースト。フットロッカー企画のため、これまで復刻されたことがない

5.ナイキ/エアフォースⅢ

こちらもデッドストックだが、ソールがダメになってしまったナイキ・エアフォースⅢ。1988年に発売され、これは2005年の復刻モデル

6.ニューバランス/996

ニューバランスの名作996。品番によってはメーカーでリペアすることができるため、修理前提で購入するユーザーが非常に多いそうだ

【DATA】
スニーカーショップスキット吉祥寺店
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-18-1 D-ASSET吉祥寺1F
TEL0422-47-6671
営業/11:00〜20:00

(出典/「Lightning2022年3月号 Vol.335」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

世界最高峰のニットメーカー「JOHN SMEDLEY」が編むもの。

  • 2026.10.20

イングランド中部、リーミルズの自社工場で240年以上前からニットウエアを作り続ける〈ジョン スメドレー〉。1784年に創業した同ブランドが編んできた歴史と伝統が息づく場所で彼らが編むものとは。 240年の伝統と魂が息づくファクトリー 英国のトラッドブランドとして群を抜く歴史を持つのが〈ジョン スメド...

東京・入谷にできた靴づくりの新聖地「THE ZINE FOOTWEAR CLUB.」にメディア初潜入!

  • 2026.10.18

「ブラザーブリッジ」や「シュアブーツ」を手がける「ザ ジン フットウェア」。店舗と企画・縫製工場がひとつになったいわば“本拠地”を入谷に新設した。メディア初公開となる、その全貌に迫る。 メーカーでもあり店舗でもある新拠点 弊誌の読者であれば、おそらく「ブラザーブリッジ」という革靴ブランドはご存知であ...

Pick Up おすすめ記事

金子ノブアキが着る【REDKAP × FREAK’S STORE】

  • 2026.10.21

長い歴史を持つワークウエアブランド〈レッドキャップ〉と〈フリークス ストア〉のコラボアイテムを金子ノブアキが今の感覚で着こなす。年齢を重ねたからこそ楽しめる服のこと、ブランドが持つ哲学のこと、そしてこれから大切にしていきたいこと。45歳を迎えた金子さんに、ファッションと生き方について話を聞いた。 タ...

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

ヒートツイードとは? 軽くて薄くて暖かい、英国派に捧ぐ革命ツイード

  • 2026.10.26

〈トラディショナル ウェザーウェア〉が誇る人気シリーズ、ヒートツイード。英国ツイードのオーセンティックな雰囲気はそのままに、驚くほど軽く、保温性の高いオリジナル生地。一度味わうとやみつき間違いなし! 英国らしくも、軽くて暖かなツイード生地は現代的ヘビーデューティ素材の最適解である。 【コート】ブラン...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...