「ハレル」オーナー・加瀬善隆さん
中目黒にある人気ヴィンテージショップであるハレルのオーナー。大のミリタリー好きとしても有名で、そのマニアックなセレクトに定評あり。店舗には、サブカルチャー的なインポートや古着も充実している。
サバイバル気分も味わえる大自然の中でキャンプするのが流儀。
人気セレクトショップのバイヤーなどを経て、中目黒にミリタリーを基軸としたヴィンテージショップ『ハレル』をオープンした加瀬さん。国を問わず、様々な年代のミリタリーウエアをファッションとして提案しており、そのセンスは業界内にもファンが多い。そんな加瀬さんが数年前からハマっているのが、ミリタリーギアを使ったキャンプだ。
「軍では野営することが前提なので、世界各国の軍隊にキャンプギアが存在します。アメリカとスイスでは気候や環境が異なるので、ウエア同様にキャンプツールに対する作り込みも違ってきて、追求してみるとおもしろいんです。もともとはアウトドアメーカーのテントを使って、普通のキャンプを楽しんでいたのですが、ポーランドとフランスのテントを仕入れできるタイミングがあり、それを使ってキャンプをしたら、ものすごく楽しかったんですよ」
ミリタリーキャンプに開眼した加瀬さんは、千葉にある実家の裏山にベースキャンプを作るなど、ライフスタイルの一環に。
「区画されたキャンプ場で、手のキャンプをすると強烈に浮くんですよ(苦笑)。だから基本的には野営。軍だと敵に見つからないように山間部でキャンプするので、そのルーツを考えるとサバイバル的な要素もある自然の中でやる方が理に適っているのだと思います。基本的にミリタリーのギアは耐久性が高く、修理がしやすいシンプルな構造。だから近年のキャンプグッズのような快適性はありません。でも自分の中でキャンプは不便を楽しむものだから、ちょうどいいんですよね。だから大勢でやるより、ソロキャンプもしくは少人数でやるシーンにしっくりと思いますよ」
ミリタリーキャンプにマストな加瀬さんが選ぶ質実剛健なギア【厳選5】
1.1970〜80sスイス軍のランタン
名作ミリタリーランタンのひとつに挙げられるスイス軍のアイテム。ドイツの名門であるペトロマックスが生産しており、そのデザインはスイス軍のみであるのもポイントが高い。「なかなか市場に出てくるアイテムではないけど、人気の高いランタンです。燃料が灯油で光量がかなりあるため、汎用性が高いのも魅力です。燃料タンクも大きく、2泊3日程度なら、十分保ってくれます」
2.1973米軍のサバイバルナイフ
ケース付きのサバイバルナイフは米軍で使われていたもの。1973年製の刻印が入る。「カミラスという有名なメーカーが生産しています。キャンプでマストなアイテムです」
3.スウェーデン軍のメスティンセット
ミリタリーのメスティンでも珍しい風防付き。アルコールランプで加熱する。「風防付きなので安心して使えますよ」。
4.スイス軍のアックス
野営の時に薪を作ったり、寝床を確保する際に枝を伐採するアックスは、スイスのミリタリーもの。「木を切るだけでなく、ペグ打ちをする時にも使っているんです」
5.2000sアメリカ軍のダッフルバッグ
加瀬さんがキャンプグッツを収納するバッグとして活用している米軍の2ウェイバッグ。「背負うこともできるので、野営地まで歩く際にとても便利なんですよ」
(出典/「Ligthning2021年9月号 Vol.329」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/S.Tsuji 辻茂樹 取材協力/ハレル TEL03-5734-1946 http://hallelu.jp
関連する記事
-
- 2024.11.11
ツイードやコーデュロイアイテムに合わせたい英国的傑作6選。Vol.02
-
- 2024.10.27
ミリタリーとワークのいいとこ取り! 軍用カバーオールにインスパイアされた現行モデル7選。
-
- 2024.10.26
セカンド編集部が「今」気になるシューズやらスウェットやらアイウエアやら4選!