【ガレージライフ】カリフォルニアで見つけた、おもちゃ箱みたいな夢見るアメリカンガレージ。

かつてアップルコンピューターがガレージで生まれたように、今でもアメリカのガレージにはオーナーの夢が詰まっている。外観ではわからないアメリカのガレージは、覗いてみれば十人十色の奥深き趣味の世界が広がっている。今回紹介するのは、アメリカ・カリフォルニアにあるおもちゃ箱のようなガレージだ。

中で電車が走るガレージ、それは子どものころの夢を実現した場所。

アメリカ、とくにカリフォルニアにある一般的な住宅には必ずといっていいほどガレージがある。

クルマがないと生活ができない土地だけに、クルマ好きにはうれしい環境。しかし、ここに紹介するガレージは、いわゆるクルマやバイクに熱狂的な人とはちょっと違う。

もちろんクルマも大好きだけど、なんとガレージのなかでミニチュアの電車を走らせているという強者である。

こちらがジェリーさんの自宅。1980年に購入し、コツコツと自分でガレージをリノベーションした。外観からはまったくわからない秘密基地

ここのオーナーのジェリーさんは、子どもの頃から遊ぶのはミニカーばかりだっという大のクルマ好き。大人になってもその熱は冷めず、さらには父親の趣味だった鉄道模型にもハマリ、自宅を購入してからこつこつとガレージをリノベーションして鉄道模型を走らせる空間を作り上げた。

ガレージのメインスペースはクルマではなく、ご覧のように鉄道模型のジオラマ。その下にはコレクトしている鉄道模型も並べられている

ガレージの中央に巨大なジオラマを設置。走らせるのは、1930年代から存在するヴィンテージのOゲージがメインで、実際にそのころの時代考証を考えた街並み(1930〜1950年代)まで再現するという凝りようだ。

日本でメジャーなNゲージ(縮尺1/148-1/160)と比べるとはるかに大きいOゲージ(縮尺1/43 -1/48 )なので、ジオラマもかなりの迫力。もともとジェリーさんのお父さんの趣味であったが、約20年前から収集を始めたという。模型が高価だったため、子どものころは手は出せず、大人になったからこそ楽しめるようになった彼の夢のひとつだ

コントローラーを操作し、思い思いに電車を操作しているジェリーさん。その姿はいくつになっても少年のまま。その純粋な生き方が長寿の秘訣なのかも。

電車を動かすコントローラーがこれ。クラシカルな装いが逆に新鮮。子どものころは手の届かなかった趣味だからこそ、大人になって実現させた達成感は格別なモノ。 その情熱に脱帽するしかない
UFOをモチーフにした建物が特徴的なアメリカンダイナーを発見。ミッドセンチュリーのスペースエイジが反映された旧きよきアメリカの街並みをジオラマで表現しているのも特徴だ
こちらはいかにもアメリカン・グラフィティなダイナー。 駐車しているクルマも時代感を合わせているところに凄みを感じる。ディテールまで完璧に仕上げる
ストーリーを感じるフィギュアは人間から動物まで至る所に配置。自分でストーリーを想像しながら配置する。いつでもレイアウトが変えられるように、接着剤ではなくロウを使って固定しているという
ガレージの壁一面を覆うキャビネットは、市販のショーケースでは奥行きがありすぎるためOゲージ用に自作している

ミニチュアだけでなく、実物大コレクションも圧巻。

リタイヤする前まで、航空関係のエンジニアだったというジェリーさん。だから機械にも強い。クルマや電車好きは2歳のころからだよと笑って話してくれた

幼少期からクルマや鉄道が大好きだっただけに、その趣味は模型だけにとどまらない。ガレージにはこれまた旧きよきアメリカが佇む。ガレージとミニチュアを混在する実物大コレクションを拝見!

こちらは、1950年代にニュージャージー州のモーテルで使われていたというネオンサインをスワップミートで手に 入れたという代物。今ではガレージ入口のアイコンに。しっかりサインも光る。

シュウィンの120周年記念モデルとして500台限定で販売されたモデル。ヴィンテージばかりのガレージ内では新しいアイテムであった。見た目は旧いけど。このシュウィン、ヴィンテージ市場があるほど人気があるのだ。興味がある人は下記記事を読んでみてほしい。

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2023年02月21日

1955 Chevrolet 210

1968年にセカンドオーナーとして購入したというトライシェビー(1955〜1957年式シボレーの愛称)は、もう半世紀も所有していることになる。モノ持ちの良さもハンパないが、変わることなく愛情を注いでいることが素晴らしい。

当時のオプションだったデルレイのレザーインテリアも程度抜群である。

1929 Ford Roadster

ゆるーい雰囲気のシボレー210とは真逆のホットロッドも所有。ボディは’29年式フォード・モデルAだが、デュースフレーム(’32年式)にデュースのグリルをセットする。

エンジンはシボレーの283V8にキャブレターを3基セットするクラシカルなスタイル。ベアメタルのエンジンフードの周囲にあしらわれたルーバー(262個)にやる気を感じる。

インテリアも秀逸だ。

ガレージに置きたいものランキングに必ず入る(と思っている)ジュークボックスも。ヴィンテージでも汚れたアイテムではなく、新品同様にレストアされたモノが好きなジェリー。往年のジュークボックスはシーバーグ社製で、当時としては画期的だった100連装モデル。1990年に個人売買で手に入れたというストーリーがある。

きれいに陳列されたRCAビクターのテレビはよく見ると上部にハンドルが付いたポータブルモデル。といってもかなり大きいのが時代感だが、聞けばどれも1956年製。当時としては最先端の家電だった。その後ろに飾られた旧い写真も雰囲気たっぷりである。

アメリカでは収集家も多いヴィンテージのガソリンポンプはレストアされているので新品同様のクオリティ。上部のランプもしっかりと点灯する。アメリカのガレージにはこれがよく似合うのだ。

◆

これぞ小さいころの夢を存分に詰め込んだ夢のガレージ。日本の狭い住宅環境ではなかなか真似できない空間だが、まずは最初のハードル、ガレージを手に入れるところから検討してみてはいかがだろうか?

「ガレージ」のある暮らしを見る

(出典/「Lightning 2018年9月号 Vol.293」)

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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