錆びも経年変化もそのまま! “枯れ”を楽しむオールドジープ。

アウトドアにぴったりなクルマといえばジープだけど、新車ではなく、あえてヴィンテージジープという上級者な人もいる。しかもあえてオリジナルの経年変化をそのままという選択肢が実にカッコイイ。アメリカで見かけた、カッコイイオールドジープを紹介!

枯れた雰囲気で街もフィールドも楽しむ。

自身、アンティークやヴィンテージにも造詣が深いことはそのファッションからもわかるオーナーのブライス。このクルマの持つ枯れ感を楽しんでいる

「週末は郊外の農場へ遊びに行ったりするんで、どこでもガシガシ行けるクルマが欲しくて。汚れやヘコミも気にせず、機動性があるクルマが欲しいと思っていたときにこれに出会ったんだ」と、この古ぼけたジープとのストーリーを話してくれたブライス。

自身、元レーサーでスピードを追い求めていた日常だったが、引退した今はスピードよりもクルマやバイクの持つ雰囲気を重視するようになったという。だからここ最近はオールドカーやオールドモーターサイクルばかりを相棒にしている。

こんなジープが路上で停まっていたら、置き去りにされたクルマだと思われそうなほど塗装も剥げた外装だけど、これこそオリジナルペイントの証明。あえて当時の経年変化をそのまま楽しむパティーナと呼ばれるスタイルは、彼が住む都会であるロサンジェルスではかなり上級者な趣味のひとつ。このクルマで街乗りから、週末は郊外の農場まで走り、悪路まで使い倒している。

ヘビーデューティなクルマといえば車高が高くイカついイメージだけど、あえてオリジナルを重視するスタイルも魅力たっぷりだ。

元レーサーで、現在はパンナムのクリエイティブディレクターという異色の経歴を持つブライス。ヴィンテージカーやモーターサイクルだけでなく、’70年代の小型飛行機も所有するほど。ファッションもヴィンテージのレザージャケットにブーツと旧いモノに囲まれているライフスタイルだ

「1953 Willys Jeep Station Wagon(ウィリスジープ ステーションワゴン)」のディテールを拝見!

フロントは当然のことながらベンチシート。 助手席は後部座席にアクセスするために セパレートされる。極めてシンプルだ。

ダッシュボードの中央にシンプルに配置さ れたメーターはブライスのお気に入り。 1950年代らしいデザインも大好物。

235/75-15インチのオフロードタイヤを履く。郊外の農場を走るためだけでなく、見 た目も考慮してチョイスしている。

エンジンはオリジナルの直列4気筒エンジンが今も好調に動いてくれる。もちろんメンテは必要だけど、タフな心臓部だ。

乾燥しているカリフォルニアで乗られていたジープなので、薄いサビが出ている程度で、ボディそのものは腐りなし。

誇らしげに4輪全部が回ってるぜを主張するエンブレムも経年変化によって良い風合いに。塗装のヤレ方も最高の雰囲気。

リアシートの後方にも十分な荷室が確保される。ちょっとしたキャンプ道具などはこれくらいあれば十分収納可能である。

オリジナルの枯れた雰囲気は「アジ」という長所だと再確認できる車体。ヴィンテージカーのよさをそのままに生かして乗るという楽しみ方、ワイルドでなかなかカッコいいのだ。

(出典/「Lightning 2021年1月号 Vol.321」)

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

生きたレザーの表情を活かす。これまでになかった唯一無二の革ジャン、「ストラム」の流儀。

  • 2025.10.30

生きたレザーの質感にフォーカスし、“バーニングダイ”をはじめとする唯一無二のレザースタイルを提案するストラム。我流を貫き、その意思を思うがままにかき鳴らすことで、オリジナリティを磨き上げる孤高のレザーブランドだ。デザイナー桑原和生がレザーで表現するストラムのモノ作りの哲学、彼が革ジャンを通して描き出...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...

革ジャンの新機軸がここに。アメリカンでありながら細身でスタイリッシュな「FountainHead Leather」

  • 2025.10.31

群雄割拠の革ジャン業界において、カルト的な人気を誇り、独自のスタイルを貫くファウンテンヘッドレザー。アメリカンヘリテージをベースとしながらも、細身でスタイリッシュ、現代的な佇まいを見せる彼らのレザージャケットは、どこのカテゴリーにも属さない、まさに“唯我独尊”の存在感を放っている。 XI|シンプルな...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

Pick Up おすすめ記事

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...

渋谷、銀座に続き、ブーツの聖地「スタンプタウン」が東北初の仙台にオープン!

  • 2025.10.30

時代を超えて銘品として愛されてきた堅牢なアメリカンワークブーツが一堂に会するブーツ専門店、スタンプタウンが宮城県仙台市に2025年9月20日オープン! 東北初となる仙台店は北のワークブーツ好きたちにとって待望の出店となった。 珠玉の銘品たちがココに揃う。 ブーツファンが待ち焦がれた東北エリア初となる...

生きたレザーの表情を活かす。これまでになかった唯一無二の革ジャン、「ストラム」の流儀。

  • 2025.10.30

生きたレザーの質感にフォーカスし、“バーニングダイ”をはじめとする唯一無二のレザースタイルを提案するストラム。我流を貫き、その意思を思うがままにかき鳴らすことで、オリジナリティを磨き上げる孤高のレザーブランドだ。デザイナー桑原和生がレザーで表現するストラムのモノ作りの哲学、彼が革ジャンを通して描き出...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...