アメリカ車の主要メーカーと人気車種ランキング【厳選15】

  • 2023.11.09  2021.01.06

アメリカ車と一括りに言うけれど、一般的に人気車種として知られている「ピックアップトラック」「SUV」などを筆頭に、「マッスルカー」「バン」「セダン」などその種類はさまざまだ。これまでアメリカンカルチャーを長年特集してきたLightning本誌で、特に人気のある車種として取り上げてきたクルマを紹介しよう。

まず押さえておきたい、アメリカ車の主要メーカー。

アメリカ車の代表的なメーカーとして挙げられるのがビッグスリーと呼ばれるメーカー「GM」「クライスラー」「フォード」だ。この3社だけで、ほとんどアメリカ市場を独占してきた。主な特徴は下記の通り。

GM(ジェネラルモータース)

1904年にビュイックの経営を任されたウィリアム・C・デュラントにより、1908年に持株会社ジェネラル・モーターズを組織。1908年にオールズモビル、翌1909年にはキャディラック、オークランド(後のポンティアック)、リライアンス(後のGMCの一部)、カーターカーなどを次々と買収した。

一時GMを離れたデュラントは1911年にシボレー創設に関わると、1916年にGMの株式を買い戻し復帰を果たし、シボレーもGMの一部として買収。現在のGMの形がほぼ出来上がった。近年では経営破綻を境にブランドの集約が行われ、現在GMのブランドは「キャデラック」「ビュイック」「シボレー」「GMC」の4ブランドとなり、日本では「キャデラック」「シボレー」のみ展開されている。

FORD(フォード)

現在のフォードは、1903年にヘンリー・フォードが設立した自動車会社に始まる。1922年にリンカーンを買収し、自社の高級車ブランドとした他、1938年にはマーキュリー、1958年にエドセルと自社内ブランドを立ち上げている。ちなみにビッグスリーのうちフォードだけが創業者一族が現在も株主となっていることで知られる。

現行ブランドは「フォード」「リンカーン」の2ブランド。日本からは2016年に撤退しているため、入手には並行輸入などの手が取られる。

CHRYSLER(クライスラー)

クライスラーは、1925年にウォルター・クライスラーがチャーマーズ、マックスウェル両社を合併して自社の自動車を販売する会社として設立された。1929年にはダッジ・ブラザーズを買収している。1987年には、フランス・ルノー傘下だったアメリカンモーターズ(AMC)を買収し、同社傘下だったジープを手中に収めることとなる。

現在所有しているブランドは「クライスラー」「ジープ」「ダッジ」「ラム」の4ブランド。そのうち日本でも展開しているのは「ジープ」のみ。GM同様に、2010年には経営破綻しているが、それ以前の度重なる経営危機を乗り越えるうちに、創業直後に設立されたプリムス、デソート、そしてインペリアル、イーグルも姿を消している。

▼もっと詳しくビッグスリーを知るならこちら!

アメリカの3大自動車メーカー“ビッグスリー”とは?その主要ブランドと歴史を知る。

アメリカの3大自動車メーカー“ビッグスリー”とは?その主要ブランドと歴史を知る。

2023年02月21日

それではここからは、アメリカ車の人気車種を紹介していく。

【人気車種①】「JEEP(ジープ)」のラングラー|クライスラー

軍用車からスタートしたジープだが、現在「チェロキー」「レネゲード」「コンパス」などさまざまなブランドを販売している。なかでも2007年に登場し、2017年まで販売された3代目JK型によって多くのユーザーを取り込んだのが圧倒的な人気を誇る「Wrangler(ラングラー)」だ。2018年に登場した現行の4代目JL型によってさらに人気は不動のものに。新たにSTART&STOPシステム機能付2.0ℓ直列4気筒DOHCターボエンジンと8速ATが採用されている。

スポーツ、アンリミテッドスポーツ、アンリミテッドサハラ、アンリミテッドルビコンの4グレードがラインナップされたが、なかでもルビコンは高いオフロード性能が特徴のラングラーをベースに、さらなるチューニングが施されており、まさに史上最強のジープと呼ぶに相応しい一台となっている。

▼JEEPについてもっと詳しく知るならこちら!

究極のSUV「ジープ」の歴史から種類、新車、中古車、価格まで教えます!【保存版】

究極のSUV「ジープ」の歴史から種類、新車、中古車、価格まで教えます!【保存版】

2023年02月21日

【人気車種②】「DODGE(ダッジ)」のチャレンジャー|クライスラー

J MorrisによるPixabayからの画像

2009年に主力車種「ラム」を切り離したため、現在は乗用車のみを販売しているダッジ。1970年に、すでに登場し人気を集めていたフォードのマスタングに追随する形で登場したのが、現在も販売されている「Challenger(チャレンジャー)」だ。若者向けのコンパクトで比較的低価格のスポーツカー“ポニーカー”という新しいジャンルに投入されたが、1974年には一度姿を消してしまう。

その後、2代目が1977年に復活するも、「三菱」のギャランΛを北米向けに販売するものであり、初代に比べ直列4気筒のみというパワー面で及ばず、1983年に再び姿を消す。しかし、再び2008年、ストラトスクーペの後継としてV8エンジンを搭載した3代目が登場。セダンタイプの「Charger(チャージャー)」と共に、現在までマッスルカーとして人気を集めている。

▼ダッジについて詳しく知るならこちらの記事をチェック!

ダッジの歴代の名車から新車まで。愛されるアメリカ車ダッジの魅力とは?

ダッジの歴代の名車から新車まで。愛されるアメリカ車ダッジの魅力とは?

2023年02月21日

【人気車種③】「DODGE(ダッジ)」のバイパー|クライスラー

チャレンジャーと同じクライスラーのマッスルカーといえば、「Viper(バイパー)」を忘れてはならないだろう。クライスラーの高性能車両開発チームSRT(ストリート&レーシング・テクノロジー)及び、ダッジから販売されていた、アメリカ車を代表するスーパーカーだ。

’80年代に北米マッスル・スポーツカー市場をほぼ独占していたシボレー・コルベットに対抗するために開発。当初は3年間のみの生産予定だったが、発売後大きな反響とともに想定以上の売り上げとなったため、2017年までおよそ26年間にもわたって継続販売された名車だ。

生産中止となった現在も世界中に熱狂的ファンを多く抱えている。特徴としてはアメリカ車ならではのOHVエンジンを搭載しながらも、その実はよく見られるV型8気筒ではなくV型10気筒で、排気量は8.4リットル600馬力オーバーと市販車の中では最大級ということが挙げられ、世界最速の量産市販車だった記録も残っている。

現行のマッスルカー「Charger(チャージャー)」「Challenger(チャレンジャー)」の上を行く、マッスルスポーツカーの王様であったが、米国連邦自動車安全基準 FMVSS 226(車外放出低減)をクリアできないため2017年に姿を消すことになった。とはいえ記録にも、記憶にも残るダッジの誇る名車である。

▼詳しくはこちらの記事をチェック!

クルマ好きが行き着いたセカンドカーは、「Dodge Viper(ダッジ バイパー)」だった。

クルマ好きが行き着いたセカンドカーは、「Dodge Viper(ダッジ バイパー)」だった。

2023年02月21日

【人気車種④】「CHRYSLER(クライスラー)」の300(300SRT8)|クライスラー

F. MuhammadによるPixabayからの画像

クライスラーブランドの高級セダンが「300」だ。全長5mを超えるフルサイズセダンの「300M」の後継として2004年に登場した。5.8リットルV型8気筒ヘミエンジンを搭載した最高グレード「300C」もラインナップされ、2005年には6.1リットルV型8気筒ヘミエンジンを搭載した「SRT8」が追加されている。

2011年にはモデルチェンジを行い、現在に至る。ラインナップは「300」「300リミテッド」「300C」、そして2012年に追加されたスポーツモデル「300S」と6.4リットルヘミエンジンV型8気筒を搭載した高性能モデル「300 SRT8」がある。大排気量車ではあるがヘミエンジンを採用しているので、比較的燃費はよい、アメリカ車を代表する高級フルサイズセダンである。

【人気車種⑤】「FORD(フォード)」のFシリーズ(F‐150、F-250 )|フォード

フォードF-250にシェルを乗せたトラックキャンパー

アメリカで不動の人気を誇るクルマと言えば、SUVと並びピックアップトラックである。フォードからは、ミドルサイズピックアップ「RANGER(レンジャー)」、もっともスタンダードなフルサイズピックアップ「 F-150(Fシリーズ)」、F-150よりさらに大きい「SUPER DUTY(スーパーデューティ)」が発売されている。

特に、「F-150」はアメリカ市場においてトップに君臨し続けているフォードの屋台骨を支える存在で、年間90万台近くを売り上げ、アメリカでもっとも売れているモデルである。フォードがSUVやCUVなど、ほかの車種が苦戦するなか好調を維持できているのは、F-150あってのことなのだ。

そして、1999年以降、FシリーズのF-150より大きなサイズF-250、F-350、F-450、F-550が独立する形で誕生したのが「SUPER DUTY(スーパーデューティ)」で、ピックアップトラックとしてだけでなく、キャンピングカーのベースとしてもアメリカでは人気を集めている。

特にピックアップトラックにシェルを乗せたトラックキャンパーのベースとして人気なのが「F250」だ。シェルは簡単に取り外すことが可能で、ピックアップトラックとして普段は使用し、週末はトラックキャンパーとして使えるのが魅力。シェルには様々なサイズがあるので、F-350、F-450に乗せることも可能だ。

▼フォードについて詳しく知るならこちらの記事をチェック!

【フォード】マスタング、アーリーブロンコ、ホットロッドまで!歴史と車種、その魅力を紹介!【保存版】

【フォード】マスタング、アーリーブロンコ、ホットロッドまで!歴史と車種、その魅力を紹介!【保存版】

2023年07月24日

【人気車種⑥】「FORD(フォード)」のマスタング|フォード

1964年のニューヨーク万博で若者をターゲットとして発表されたフォード・マスタング。スポーティな外観と高い性能を持つミドルクラスクーペのマスタングは、ポニーカーと呼ばれ大きなムーブメントを生み出した。乗用車からピックアップトラック、商用バンまで幅広く展開するフォードにあって、マスタングは現在もスポーツカー(マッスルカー)の代名詞である。

現在、ファストバックコンバーチブル(オープンカー)、シェルビー(コンプリートカー)にそれぞれエコブーストGTのグレードが選べるラインナップで展開されている。エコブーストは2.3L 4気筒エンジンであるのに対し、GTは5.0L V8エンジンなので、厳密にはマッスルカーと呼べるのはV8エンジンを搭載したGTグレード、となる。

▼マスタングについてもっと詳しく知るならこちらの記事をチェック!

FORD MUSTANG(フォード マスタング)とは? その衝撃デビューから歴代の名車を紹介!

FORD MUSTANG(フォード マスタング)とは? その衝撃デビューから歴代の名車を紹介!

2023年07月24日

【人気車種⑦】「FORD(フォード)」のエクスプローラー|フォード

【FORD EXPLORER】写真はエコブーストエンジン搭載で税金も安くなった4代目

フォードから出ているSUV・CUVジャンルのクルマの中で、長らく人気を集めてきたのが「EXPLORER(エクスプローラー)」だろう。1990年にフォード ブロンコIIの後継として登場し、現在のモデルは2019年に登場した6代目のU625型である。2020年モデルでは、パワーアップしたエンジンと新しくなった後輪駆動システムで、けん引や悪路など、よりタフな走行が可能になっている。

ちなみに、現在フォードから出ているSUV・CUVはエクスプローラーのほかに、人気を二分するコンパクトSUV「ESCAPE(エスケープ)」、エクスプローラーとエスケープの中間のミドルサイズCUV「EDGE(エッジ)」、エスケープより小型でフォード最小CUVの「ECOSPORT(エコスポーツ)」、フルサイズSUVの「EXPEDITION(エクスペディション)」などがある。

【人気車種⑧】「FORD(フォード)」のブロンコ|フォード

Photo/Ford Motor Company

本来悪路を駆け抜けるために生まれた四輪駆動車を、おしゃれに街で乗るという文化を作ったのは間違いなくアメリカであり、フォードにとって最初のSUVがこのブロンコだ。1965年8月、ジープ「CJ-5」やインターナショナル「スカウト」など、当時急成長を遂げていた4WD市場にフォードが満を持して投入され、1966年から1977年までに生産された初代モデルは、アーリーブロンコとして今でも愛されている。

サイズは、長さ3863×幅1755×高さ1809㎜と後年サイズが大きくなっていったブロンコに比べて小型である。それでいてエンジンはV型8気筒、排気量302cid(約5L)とパワフルな走りが魅力であった。1996年に一度姿を消したが、2020年に復活。2021モデルとして登場し、再び注目を集めている。

▼もっと詳しくブロンコを知るならこちら!

祝復活!フォードの元祖SUV「ブロンコ」の初期型“アーリーブロンコ”をおさらい!

祝復活!フォードの元祖SUV「ブロンコ」の初期型“アーリーブロンコ”をおさらい!

2023年02月21日

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部