美しいボディが魅了する、1972年のフォード グラントリノ。

  • 2023.02.21  2020.11.29

フォード・フェアレーンの上級グレードとして’68年に登場したトリノは、’72年のモデルチェンジでコークボトルラインが強調され、よりグラマラスになった。そんなトリノのスペシャルモデルとして登場したグラントリノは、専用グリルを与えられるが、翌’73年には大型バンパーが備わるため、’72年のグラントリノは非常に人気が高い。

【1972 FORD GRAN TORINO】シンプルなブラックボディがグラマラスなボディを強調。

’72年にモデルチェンジを受けたトリノの上級グレードとしてリリースされたグラントリノは、専用のフロントグリルを持つ。翌’73年にはバンパーが大型化されてしまうため、’72年のグラントリノファンは多い

撮影車両は、そんな’72年のグラントリノをベースに、オリジナルでは設定のなかったブラックにリペイント。さらに日常の使用に耐えられるように、エンジンや足回りを中心にアップデートを行った個体だ。

GM系の有名車とは異なり、パーツの入手には非常に苦労したとい う。特にフロントグリル周辺のモールはグラントリノ専用品となる ため、状態の良いものはかなりレアだという。その他バンパーなど はリクロームが施されている
エンジンは大型の351ウインザーに替わってコンパクトながらパワフルな302ci(4949㏄)クレートモーター(フォードが発売するニューエンジン)に換装している

エンジンは純正の351 クリーブランドからSVO302クレートモーターを採用。ラジエターもコア増し&電動ファンを追加し、トラブルなく日常使用に耐えられるよう各所が工夫されている。

グラマラスなボディラインを最も堪能できる角度から眺めてみる。ブラックボディで目立たないが、想像以上にフェンダーラインが張り出していることが判る。うねりの少ない美しい塗装面も◎

映画の影響もあり、グリーンのイメージが非常に強いグラントリノだが、シンプルなブラックボディは大人な佇まいを醸し出していた。

 

シートはオーナーの好みを反映して純正のステッチラインなどにとらわれずにシンプルにブラックで張り替えられる。全体的にクロームパーツも少なく、おとなしめのインテリア
フロントフェイスを上から見てみると、グリルやフェンダー前端がかなり立体的であることが判る。バンパーやヘッドライトベゼルなどは全てリクロームされている

 

普段からストレスなく乗りたいというオーナーの希望を受け、車高も必要以上に下げることなく、自然なスタンス。グラントリノというと、スポーツルーフが人気だが、ハードトップのリアビューも美しい
’60 年代とは異なり、クロームパーツが少なく、少々おとなしい印象のダッシュ周りはストックをキープ。ステアリングはグラントの3スポークをチョイスする
フロントグリルとトランク後端にはトリノ専用のエンブレムが備わる。 クロームのローレル模様で囲まれた赤いエンブレムはブラックボディ によく映える
純正オプションだったマグナム500 ホイールのデザインをモチーフ に、17インチ化したアメリカンレーシングホイールをチョイス。タイヤは前後ともNITTO NT555で245/45-17を履く

取材車のスペックを紹介!

FORD/GRAN TORINO

  • エンジン:水冷4ストロークV型8気筒
  • 総排気量:4949㏄
  • トランスミッション:3速AT
  • ブレーキ:ストックディスク(フロント)、ストックドラム(リア)
  • タイヤサイズ: 245/45-17(フロント&リア)
  • カラー:ブラック

(出典/「別冊Lightning Vol.165 VINTAGE CARS」)

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