メルカリやフリマで売れる! 商品写真をきれいにスマホで撮影するコツ。

最近のスマホのカメラの実力は、目を見張るものがある。昔だったら、プロカメラマンが、複雑なライティングを駆使しなければカッコよく撮れなかった写真が、誰でも気軽に撮れるようになった。そこでここでは、お手持ちのスマホで、愛用の品々を家の中でカッコよく撮影するテクニックを伝授する。

でも難しく考える必要はない。特別な道具は一切必要なし。ちょっとしたコツひとつで、あなたの写真は格段に良くなるはずだ。講師は、元カメラマンという経歴を持つ雑誌「Lightning」編集部モヒカン小川。写真がカッコよければ、SNSのいいね数もアップするし、オークションサイトでも、落札価格がぐんと上がるにちがいない。さぁ、お気に入りのアイテムを激写しようぜ!

【デニム編】

デニムに限らず、家の中で物撮りをするなら、電気の下ではなく、窓から入る自然光を使うのが、上手に撮るコツだ。デニム写真は、ともすると“のっぺり” した写真になってしまいがち。必要なのは「立体感」だ。これがあると、ヒゲやアタリが浮き出た写真になるぞ。

POINT

・自然光で撮るべし。
・ “アンコ”を詰めると立体的に。

これでもいいけれど、この程度で満足しちゃダメです!

自然光でフツーに撮ったデニム写真。これはこれで悪くはないが、何か物足りない感じがする。そんな時に必要なのが「アンコ」だ。

アンコを詰めて立体感を演出する!

アンコとは、中に詰めて立体感を出す詰め物のこと。アンコは何を使ってもいいが、どこの家庭にもあるバスタオルを詰めてみた。どう? まるで人が穿いてるみたいでしょ?足の動きは、裏にガムテープを張って作った。

こんな感じで中にタオルをつめた。

粘着力を肌にくっつけて落としたあと、輪っかにして固定用に利用。

これは絶対やっちゃダメ!

デニム写真で、最も犯しやすいミスは、フレームに足が入ってしまうこと。これはいただけない。椅子に昇ったりして工夫すべし。これだけで購買意欲を削いでしまう可能性もあるので気をつけよう!

【革ジャン編】

革ジャン写真のキモは、なんと言っても「置き方」にある。ライトニング本誌の撮影でも、カタチが決まるまで何度も置き直して撮影するくらいだから、みなさんも、手を抜いてはいけない。革ジャンを置く際、忘れちゃいけないのがジッパーの引手。ボールチェーンなどが上を向いたりしないよう、細かなところまで気を付けよう。

POINT

・日光の向きに注意する。
・とにかく置き方に気を付ける。

どこがNGかわかる? 細かいところをちゃんとしよう!

一見、ちゃんとした写真に見えるが、実はジッパーの引手の向きが上下左右に散らかってしまっている。だらしなく見えてしまうぞ。

これっておしゃれ? いや違う。

いろんな人のSNSなどを見ていて、いちばん気になるのが「置き方」。腕を左右均等にきちんと置くだけで、写真がよくなるはずだ。

日の当たり方で、印象はこんなに違う! 自然光を意識しよう。

これは写真の上側、トップの方向から日を当てた写真。立体感はさほどないが、革ジャン表面の凹凸がくっきり出て、革の質感がうまく表現できている。

これは写真の右側から日光を取り入れている写真。革ジャンのサイドから日が当たると、腕の影が大きく出、立体感が増すが、腕の影が身頃に落ちて若干暗くなる傾向が。でもアリです。革ジャンのフォルムを強調するならこの撮り方をチョイス! 色味だけ白飛びして見えるので、1枚目の写真も一緒に掲載するといいだろう。

ハンガーに掛けるのもおすすめ。

革ジャン撮影で有効なのが、ハンガーに掛けて撮る方法。この際も、腕は左右均等に垂らしたい。が、どうしてもうまくいかない時は、正面からではなく、横や斜めから撮影すると、腕の不均等がごまかせるのでおすすめ。

これならバランスよく見える。

【ブーツ編】

ブーツ写真のポイントは、ポートレートモードで撮るということ。通常、スマホカメラのレンズは広角(広い角度を写せる)気味なので、ブーツのカタチが微妙に歪んでしまうのだ。ポートレートモードでは、レンズが望遠気味となるため、カタチが歪まず、背景がボケて写真としてもカッコよくなる。キモに銘じておくべし!

POINT

・ポートレートモードで撮るべし。

シャフトの “くたり” はアンコを詰めて修正する。

ハイトの高いブーツや、柔らかい素材のものだと、シャフトが倒れてしまいがち。そんな時はデニム編で覚えたアンコが大活躍! 新聞紙などを丸めて中に詰めれば、シャフトもしゃんとする。

適度にアンコを詰める。

シワもありつつイイ感じに立ち上がった。

ノーマルとポートレイトでここまで違う!

ノーマルモードで撮影
ポートレイトモードで撮影

上の2枚の写真を見比べてほしい。左の写真のブーツは、ノーマルモードで撮った写真。パース(遠近感)が出て、歪んでしまっている。迫力重視ならこれもアリだが、ブーツ本来の美しいフォルムを表現するなら、右のポートレートモードの写真に軍配が上がる。背景がボケてブーツが浮きたって見えるのも特徴だ。

(出典/「Lightning 2020年6月号 Vol.314」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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