街乗りもできてレースも愉しめるオールマイティなスポーツカー「シボレーノバ」とは?

アメリカでは普段乗りするクルマをデイリードライバーと呼ぶ。アメリカのローカルレーサーを彷彿させる自営業・小川伊佐雄さんの’70年式シボレー・ノバは、レース上まで自走で走り、ドラッグレースに参加している。それどころか普段の買い物までこなす、究極のデイリードライバーなのだ。

街乗りもできてレースも愉しめるオールマイティなドラッグレーサー「1970 Chevrolet Nova」。

自営業・ 小川伊佐雄さん 実はこのGrumpy’s Toy VII の他にもレース専用のドラッグレースマシンを所有する大のドラッグレース好き。若い頃から憧れていたそうだが、実はこのクルマが初のアメリカ車でもある

同時にスタートしてどちらが早くクォーターマイル先のゴールラインを通過するか、そんな単純ながら奥が深いアメリカ発祥の自動車競技がドラッグレースだ。当然専用にチューニングされたエンジンを搭載し、操作方法もかなり特殊。通常であれば、街乗りするのはかなりキビシイのだが、ここに紹介する小川さんは、ドラッグレースに参戦している’70年式シボレー・ノバで、普段乗りしているスゴ腕の人物だ。

レトロなレタリングが入るレザートップが特徴的なボディは、’60年代から’70年代にかけてアメリカで活躍した有名なエンジンビルダー兼ドラッグレーサー、Bill Jenkinsがドライブするレースカー“Grumpy’s Toy”をオマージュしたもの。

前オーナーが仕上げたためエンジンの詳細は不明というが、かなりリフト量のあるレース用のハイカムが組み込まれ、一般的に想像するV8サウンドとは異なる甲高い排気音が特徴。街中を走る姿はかなり目立つ。

「シフトレバーの操作も慣れてしまえば別に問題ないし、実際にレースにも自走で参加しているので、街中を普通に走るのも楽しんでいます。何より自分が好きなクルマですから、普段から気兼ねなく乗りたいじゃないですか」

毎日普段乗りできて、レースも楽しめる。小川さんのシボレー・ノバは、まさに究極のスポーツカーといえるだろう。

有名レースマシンの幻の7号車をオマージュして製作したドラッグレーサー。

’60年代から’70年代にかけて活躍し、The Grumpと呼ばれたアメリカで有名なエンジンビルダー兼ドラッグレーサー、Bill Jenkins。彼がドライブした歴代のドラッグレースマシンは、ニックネームから”Grumpy’s Toy”と呼ばれた。

そんな歴代マシンは6代目まで存在するが、中でも”Grumpy’s Toy V”がレザートップ付きの’68年ノバをベースとしていたことから、これをオマージュして前オーナーが同じレザートップのノバを使い、幻の”Grumpy’s Toy VII”を製作したもの。見る人が見れば、このレタリングのドラッグレーサーが街中を走る姿はかなり奇異に映るはずだ。

ハイコンプなスモールブロックを搭載しドラッグレースでも活躍する実力を持つ車体。

エンジン

エンジンはシボレーのスモールブロックをベースにチューニングを施したレース用エンジン。ツインリンクもてぎで行われる1000ftドラッグレースで、12.7秒を記録する実力を持つ。

リア

リアはあえてスティールホイールに、レースでも使用する極太のミッキートンプソン・スポーツマンタイヤを履く。

テールライト

テールライト横には、レース場で緊急時にサポートメンバーがエンジンを切れるように電源のシャットオフスイッチが備わる。

ボディ

ボディサイドのレタリングは、往年のドラッグレーサーを忠実にオマージュ。実際には存在しない7代目モデルをイメージして製作している。

シート

これほどのドラッグレーサーながら、シートはベンチのままで、ステアリングすらノーマル。実はベースの程度が非常に良いことが判る。コラムにマウントしたタコメーターが逆に目立つ。

レース用シフター

本来コラムシフトだが、フロアにレース用のラチェットシフターを設置。操作方法が特殊だが、街乗りでも違和感なく使いこなす。「慣れちゃえば、全然イケますよ!」

ステッカー

ボディ各所のステッカーは、現在のものとはロゴのデザインが異なるものもあるため、当時のレースカーを元にカッティングシートで忠実に再現したものでステッカーチューン。

(出典/「Lightning 2020年2月号 Vol.310」)

この記事を書いた人
ADちゃん
この記事を書いた人

ADちゃん

ストリート&ミリタリー系編集者

Lightning本誌ではミリタリー担当として活動中。米空軍のフライトジャケットも大好きだけど、どちらかといえば土臭い米陸軍モノが大好物。そして得意とするミリタリージャンルは、第二次世界大戦から特殊部隊などの現代戦まで幅広く網羅。その流れからミリタリー系のバックパックも好き。まぁとにかく質実剛健なプロダクツが好きな男。【得意分野】ヴィンテージ古着、スケートボード、ミリタリーファッション、サバイバルゲーム
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

Pick Up おすすめ記事

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...