レッドウィング(RED WING)の定番「ポストマン」ってどんなシューズ?

レッドウィングは何もブーツだけではない。短靴もまた、人気を集めているのだが、なかでも「ポストマン」は一度終売になりつつも復活を遂げたほど、根強い人気がある。元々は名前の通り郵便局員のためのシューズであったポストマンシューズの魅力と種類、おすすめコーディネイトまで紹介します!

CONTENTS

毎日何マイルも歩く、郵便局員から絶大な支持を得た、履き心地抜群の疲れない短靴「ポストマンシューズ」。

レッドウィングがポストマンとポリスマンのために開発し、1954年に発売されたのが「101」。特に手紙や荷物を届けるために重い鞄を背負いながら何マイルも歩くポストマンにとっては、衝撃を吸収するクッションソールのポストマンシューズは頼もしい存在であった。その後一度姿を消したが、現在は復刻され、レッドウィングの疲れない短靴として認知されている

クッションクレープ・ソール

ポストマンで使用されているソールはクッションクレープ・ソール。8-inch CLASSIC MOC、6-inch CLASSIC MOC、CLASSIC OXFORDなどに使用されているトラクショントレッド・ソールの前身として1952年に採用されて以降、ポストマンなどのワーク系のシューズに使われている名作ソールだ。

トラクショントレッドとほぼ同じ特徴と機能を持っているが、耐久性を考慮したシンプルなトレッドパターンが特徴。このソールが衝撃を吸収してくれ、疲れない履き心地を実現してくれている。

ちなみに、ファッション雑誌「2nd(セカンド)」より2010年に発売された「THE RED WING BOOK」では「復刻が望まれる2足の名作」と題し、ポストマンシューズの「101」と「CHUKKA」が当時ヴィンテージ市場で渇水しており復刻を願う声が得に多いモデルとして紹介さている。

それでは、ポストマンシューズの5つのバリエーションを見ていこう。

1.Postman Oxford 101(ポストマン オックスフォード)|定番中の定番の一足。

ポストマンシューズとは郵便局員のために作られたもので、USポスタルサービスの認可を受けたモデルのみ名乗ることができる。レッドウィングでは、過去には106、2206、8999など多数指定され、その中でも最も定番とされているのが、1953年に発売された「101」である。ブラック一色の無骨な表情だが、その履き心地はクッション性に富んでおり、歩く郵便局員のために作られたモデルだけある。

  • レザー:ブラック「シャパラル」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

2.Postman Oxford Gore-Tex 9183(ポストマン オックスフォード ゴアテックス)|防水ゴアモデルは注目の的。

ポストマン オックスフォードのワンピースヴァンプを踏襲した防水ゴアテックスモデル。ライニングにゴアテックスメンブレン、インソールはシンサレートを使用し、インソール表面にはポロンを採用しフィッティングとクッション性を高めた。レザーは上質な牛革ブラック・ユーコンを使用している。

  • レザー:ブラック「ユーコン」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

3.Postman Oxford 9112(ポストマン オックスフォード)|スエード素材で上品な印象に。

なかなか無骨な表情の「ポストマン」のアッパーをブラックのラフアウトレザーでアレンジしたのがこのモデル。素材が違うだけで、よりスタイリッシュに。それでいて履き心地はポストマンシューズという一足。

  • レザー:ブラック「アビレーン」ラフアウト
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

▼ポストマン以外のレッドウィングの短靴気にならない?

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4.Postman Chukka 9196(ポストマン チャッカ)|101と並ぶド定番。

レッドウィングのポストマンシューズの中で最も定番と言える101と並んぶ定番といえば、チャッカブーツタイプの「9196」である。このモデルは、1980年代に一度生産中止となり、1998~2004年までの間に一度復刻されたモデルで、マイナーチェンジを繰り返しながらも基本設計は変わらずに今に至るロングセラー。

USポスタルサービス(アメリカ郵便局)の職員規定に定められた靴だけに付けられる“SR/USA” タグが装着されており、ポストマンたちに認められたシューズだということを物語る。また制服を着用するワーカーのためにデザインされたこともあり、ワークブーツの範疇ながら、シンプルかつドレッシーな装いが特徴だ。

外観は光沢のあるレザーにスリップレジスタンスの認定を受けたクレープソールという組み合わせ。このフラットなソールは、芝生を傷めないために使われたという諸説もある。

  • レザー:ブラック「シャパラル」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

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5.Postman Romeo 9198(ポストマン ロメオ)|ビジネスにも使えるスリッポンタイプの新顔。

ファッションからビジネスシーンまでマルチに活躍するポストマンのスリッポンタイプ9198。このデザインは2021年に登場し、ポストマンのなかでは新しいシューズになる。ありそうでなかったサイドゴアスタイルだけに、シンプルで美しいシルエットが強調された一足となっている。

  • レザー:ブラック「シャパラル」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

かつてはこんなモデルもありました。

Postman Boots 9197

9 つのハトメを持った6インチ丈のポストマンブーツ。ポストマンシューズの6インチモデルとしてラインナップされる「9197」は、1950年代に販売されていた「102」をルーツにしている。塗膜が施されたレザーは雨にも強く、質実剛健なグラウンドシューズとして履ける。またホールド力が群を抜いて優れている。

  • レザー:ブラック「シャパラル」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

Postman Oxford 9101

101のアッパーをチョコレート「シャバラル」に変更したモデル

  • レザー:チョコレート「シャパラル」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

ダサいなんて言わせない! ポストマンシューズのコーディネイト。経年変化もチェックしよう。

ここからは、「ポストマン」を愛用するファッション通の皆さんのコーディネイトをチェック! こだわりのあるブーツにはこだわりのある着こなしを。真似したくなるコーデが盛りだくさんだ。エイジングも見逃せない!

1.「アンドファミリー」ディレクター 村上游さん

アウトドアが入口だったという村上さん。若い頃から愛用してきたのはアイリッシュセッターだった。だが、Resto Rodsで整備した1970年初期型ダッジチャレンジャーに乗るときは、アイリッシュセッターではなくポストマン。

「アウトドアはセッターだけど、インドアはベックマンやポストマンだね。あ、俺にとってインドアとは街履きってことね。形がシャープでアーバンな着こなしもできるし、スニーカー的に履けるのがいいね」と、ポストマンをチョイスする村上さん。大人のジャケットスタイルの足元のハズシとして活躍。

愛用シューズ「Postman Chukka 9196」

2.「417 エディフィス」バイヤー・関根渉さん

滑らかで上品な光沢が特徴的なコレクテッドグレインレザーをアッパーに使用したレッド・ウィングが誇る伝統のモデル、ポストマン。オックスフォードプレーントゥはシンプルなデザインゆえ、スタイル問わずコーディネイトできることから、シリーズの中でも人気モデル。

「ワークシューズでありながらドレスシューズ寄りな見た目から、どんなコーディネイトでも合わせやすいのが気に入っています」

愛用シューズ「Postman Oxford 101」

3.「kokoro」スタッフ・才田雅人さん

オックスフォードタイプのポストマンをベースにハイトを高めにデザインされたチャッカブーツ。くるぶしを覆うホールド性の高さから足入れに安心感を覚え、チャッカ党になるユーザーも多いと聞く。

「高校生の頃に初めて購入したレッド・ウィングが、このポストマンチャッカ。デニムやチノ、スラックスなど、コーディネイトを問わずに履けることから、長年愛用しているシューズのひとつです」

愛用シューズ「Postman Chukka 9196」

4.「ビームス」プレス・百々南さん

ビームスのPRとして活躍する百々さんが選んだのは、定番のポストマンオックスフォード。ただこれはゴアテックスを搭載した防水モデル。別注したシュガーケーン×ビームスのネルシャツとビームス プラスのデニムパンツとうまくダークトーンにまとめているのもポイント。

愛用シューズ「Postman Oxford Gore-Tex 9183」

5.「JOB314」スタッフ・佐藤睦樹さん

Double RLのオーバーオールを中心に組み立てたコーディネイト。ここでワークブーツを合わせてしまうと一気に土臭い雰囲気になってしまうので、あえてゴアテックスを搭載したポストマンシューズでバランスを取った。トップスはゴールドのCPOジャケットでミリタリーテイストをプラス。「タフで防水性にも優れているので、万能ですよ」

愛用シューズ「Postman Oxford Gore-Tex 9183」

6.「レッドウィング青山店」スタッフ・能登一貴さん

カバーオールに白いパンツを合わせて爽やかなワークスタイルの能登さん。足元はポストマンチャッカ9196を合わせて、キレイな印象をプラスしている。

「このポストマンチャッカは二年ぐらい履き込んでいます。3〜4カ月に一度、純正のブーツクリームを塗る程度のメインテナンスを行ってます」

愛用シューズ「Postman Chukka 9196」

ビジネスシーンにも使えるポストマン。

ポストマンのデザインはスーツにも似合い、ビジネスシーンでも活躍する。こんなプレッピースタイルだって自由自在だ。1足あれば、革靴、ブーツ、スニーカーと“1足3役”こなす万能靴、そんな実力を3つのコーディネイトで紹介している記事をぜひ読んでみてほしい。きっとポストマンを手に入れたくなるはずだ。

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【問い合わせ】
レッドウィングジャパン
https://redwingheritage.jp/

情報は雑誌掲載時のものとなり、現在品番変更、後継モデル、終売の場合があります。

(出典/「別冊Lightning Vol.235 ALL ABOUT RED WING」「別冊2nd「ザ・レッド・ウィング・ブック」、「別冊Lightning「RED WING BIBLE」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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