文化の薫りが感じられる、旧きよきファブリック。
ラグやキルトなどを中心に、インテリアとして安定した人気を誇るヴィンテージ・ファブリック。グランドギャラリーのオーナーである井出靖さんは1990年代初頭から収集をはじめたという。
「職業柄、服やレコードを買うのは仕事のようなものですが、旧い時代の布地は、僕が唯一と言ってもいい収集しているアイテムです。個人的には、購入に対するこれといった基準は設けていなくて、ファーストインプレッションを大切にしています。そもそも旧いものは探したところでイメージ通りの品が見つかるわけでもないから出会いありきです。だから数を重視しているわけでもなくて、本当にいいと思うモノが見つかったら買うようにしています。その国や地域の文化の違いが柄にも表れるのも面白いと思いますよ」
作りのきめ細かさが、市場での価値を生む。
希少性よりも自分のフィーリングを大切にすると話す井出さんが、長年ヴィンテージ・ファブリックを買い続けてきた中で気がついたことがある。
「これは他の分野のヴィンテージプロダクトにも通じることかもしれませんが、見た目がいいと思えるモノはやはり値段が高い。昔からこの手のファブリックはギャラリーで販売されていることが多くて、絵と同じような感覚で観賞用として扱われています。僕は専門家ではないから、細かなことは分かり兼ねる部分がありますが、原産国や年代問わず、“クオリティの高さ”という評価の基準は確実にあるかと思います。これが何を意味するかというと、手作業ならではの魅力が詰まっていたり、同じような柄でもひとつずつ違っていたりと非常に作りが細かいプロダクトであることを指します」
付加価値へと繋がる、プロダクトのクオリティに目を向ける。
イギリスの伝統的なパッチワークキルトや中東諸国の織物を始め、世界各国から魅力的な品々が集う、ヴィンテージ・ファブリックのマーケット。“クオリティ” という共通言語を物差しに自分だけの逸品を見つけ出そう。
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市場価値を知る!
グランドギャラリーの店頭に並ぶヴィンテージ・ファブリックの一部を紹介。人気が高いナバホのラグやオールドキリムを中心に、生産国や年代は問わず、あくまでもデザインとクオリティを重視して選び抜いている。初心者から愛好家まで納得できる鉄板プロダクトは必見の価値あり!
これから購入を検討している人へのアドバイス。
「はじめに考えるべきポイントは用途です。完全に鑑賞用か、それとも床などに敷くかなどで選択がかなり変わる思います。同じような感覚でサイズにも目を向けたいですね。タイミングもあるので難しいかもしれませんが、なるべく品数が揃っている中から選んだ方が商品を見比べることができるので良いかと思います」
※掲載情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2019年6月号」)
写真/石井文仁 文章/戸叶庸之 問い合わせ/グランドギャラリー URL http://grandgallerystore.com
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