“GORE-TEX BOOTIE”で世界を変えた稀有な存在「DANNER(ダナー)」のアメリカ現地工場取材!

1979年、世界に先駆けて防水・透湿性を兼ね備えたGORE-TEXを使い開発した革新的モデル“DANNER LIGHT”。それによりDANNERの名を一躍世界へ広め、アウトドアブーツの市場を一変させることとなった。「可能な範囲の中で、最も優れた靴を作る」という1932年の創業以来掲げているブランドポリシーは、手仕事を通じたクラフトマンシップが根付くオレゴン州ポートランドのスタイルを体現している。

DANNERのファクトリーに伝わる信念。“CRAFTING HIGHER STANDARDS”

「より高い品質の靴を作る」とは、DANNERのファクトリーに伝わる信念。それはDANNERがたったの5人の職人とともに靴づくりを始めた創業時から変わらない。“品質”への飽くなきこだわりはこのファクトリーから世界へ発信される。

ダナーの靴づくりの本拠地はオレゴン州ポートランド。ファクトリーで働く人々もプロのクラフトマンという意識の下、早朝から夕方・夜までの2シフト制で稼働している。またファクトリー内にヒストリカルな展示物もある。

革の上に裁断金型を置きプレスすることで裁断していく。職人は金型を置く際に「質、量、効率」の3つを考慮しながら取り都合を考えカットを行う。そんな職人を工場内では“アーティスト”と呼ぶ。

DANNERの心臓部であるラスト(木型)のストックルーム。1回の生産オーダーごとに、左右合わせて24個の木型を1ロットとして使用して、合計12足の靴を一度に生産するという。

DANNERでは革素材をすべて使用する前に検品を行う。革に付属する仕様書通りの品質を持っているかなど、強度や柔軟性などを5つのテストに分けて実施することで、高い品質を守っている。

ファクトリー内にはブーツの製造に使用するパーツごとに纏めたストックスペースがある。そのほとんどはアメリカで製造されたものを選んでいる。こちらはカラフルな色味のシューレースのストック。

裁断されたパーツを縫い合わせ、DANNER LIGHTが形作られていく。ファクトリー内では1898年製のピューリタンマニファクチャーのヴィンテージミシンなど、歴史を感じさせる道具も今だに現役で活躍していたりする。

アッパーを縫い立てた後、GORE-TEX BOOTIEと組み合わせていく。空気の力でブーツ内部へ確実に内蔵させていくことで、防水・透湿性能がしっかりと働き、靴内部を快適に保つための高い品質を実現させている

いくつもの作業工程を経て、最後のアッパーとミッドソールのステッチダウン直前の状態。木型を嵌めたGORE-TEX BOOTIEをアッパーのつま先部分としっかりと接着させる。それによりGORE-TEX BOOTIEが内部でズレを防いでいる。

アッパーとミッドソールをダナー式ステッチダウン製法で縫い上げていく。足馴染みが良いだけでなく、アッパー内部に侵入した水分も排水されやすくなる効果も期待される。

ステッチダウン製法で縫われたミッドソールに接着剤を塗り、アウトソールを貼り付けていく最終工程。いくつもの手間のかかる工程を経ることで、軽量かつ頑丈、そして完全防水機能を持つDANNER LIGHTは完成する。

DANNERは軍や警察といったプロフェッショナルの靴も製造するメーカー。そのため完成したブーツの耐久テストは日々怠ることはない。防水性能や靴紐部分の引っ張り限界強度、靴の耐久性能などを専用のマシンでチェックしている。

ブーツの機能性を復活させる“リフラクティング”という修理サービス。

工場から程近い位置にあるDANNER FACTORY STOREの内部には、見た目のリペアではなく、本来の機能性まで再び元に戻すリクラフティング工房がある。末長く愛用できる品質を守るDANNERならではの修理サービスだ。

【DATA】
DANNER
18201 NE Portal Way, Portland, OR 97230
Tel.503-251-1100

DANNER FACTORY STOREでは、ハイキングやワーク、ハンティングといったカテゴリー新作モデルから、サンプルなど直営店ならではのアウトレット商品、そしてアウトドアギアなどが並ぶ。

【DATA】
DANNER FACTORY STORE
12021 NE Airport Way Portland, OR 97230
Tel.503-251-1111
https://www.danner.com

(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

世界中で探し求める最上の素材。「THE FAT HATTER」秋冬コレクションをクローズアップ!

  • 2026.10.07

日本が世界に誇るハッターであるTHE FAT HATTERの秋冬コレクションをクローズアップ。今回のシューティングでは、それぞれの正義や美学をぶつけ合う場に向かう男たちを表現。彼らの強い決意と威厳を表現したような力強いハットが、精悍な雰囲気を醸し出している。ハットの良し悪しを大きく左右するフェルトは...

FINE CREEKを世界でいちばん熱く語る男。

  • 2026.10.07

この男恐るべし、である。北海道・帯広にあるセレクトショップ、...Dannyオーナー、河合裕介さん。彼のセレクトスタイルは一貫している。自分の愛せるものしか、ショップに置かないのだ。「売れるモノ」をセレクトするのではなく、「自分の売りたいモノ」のみを並べる。この時代にあって、その姿勢はまさに「愚直」...

55周年を迎えた「MOTO」。周年を祝うスペシャルなレザー&シルバープロダクツを紹介

  • 2026.10.11

レザーやシルバーを駆使した製品を手がけるMOTO。1971年の創業より半世紀を超えて55年。ここでは、周年を祝うスペシャルプロダクツを紹介する。MOTOや本池秀夫さんが纏う唯一無二の世界観にも注目だ。(写真は「本池美術館」の隣にあるアトリエにて。周年限定のライダースジャケットにコンチョを装着する本池...

バガブージャケット、40年目の原点回帰。現代に蘇った名作ジャケットの魅力とは?

  • 2026.10.20

1986年に誕生した〈コロンビア〉の名作「バガブージャケット」が、今年で40周年を迎えた。その機能とデザインは、フィールドだけでなく街へも広がっていった。40周年となる2026年、その原点を振り返りながら、現代に蘇った[バガブージャケット]を見ていこう。 Bugaboo II 1986 Interc...

Pick Up おすすめ記事

55周年を迎えた「MOTO」。周年を祝うスペシャルなレザー&シルバープロダクツを紹介

  • 2026.10.11

レザーやシルバーを駆使した製品を手がけるMOTO。1971年の創業より半世紀を超えて55年。ここでは、周年を祝うスペシャルプロダクツを紹介する。MOTOや本池秀夫さんが纏う唯一無二の世界観にも注目だ。(写真は「本池美術館」の隣にあるアトリエにて。周年限定のライダースジャケットにコンチョを装着する本池...

毎日のそばに、エル・エル・ビーン。秋の定番、フィールド・コートとフランネル・シャツ

  • 2026.10.16

毎日の服に、特別な理由はいらない。気兼ねなく着られて、どんな装いにも自然となじむ。そんな日々のワードローブを支えてくれるのが、エル・エル・ビーンだ。今回は秋の定番、フィールド・コートとフランネル・シャツを着て街へ出た。 100年を超えて今日もいつもの日常着 朝、玄関を出るときに手が伸びて、休日にもつ...

ネイティブアメリカンの美しき手仕事。伝統を守りながらもモダンな表現を得意とする現代作家を紹介!

  • 2026.10.08

ネイティブアメリカンのヴィンテージや工芸品を通して、彼らのカルチャーを伝えるCORNERS。今回は伝統的な手法を守りながらも、モダンな表現を得意とする現代作家をピックアップ。もの作りが乏しくなった今の米国だからこそ、余計に強く輝いているのだ。 Pamela Brown 1868年から続くナバホ族の織...

今季の「Lee」はブランケット付きジャケットに注目せよ!

  • 2026.10.19

シグニチャーモデル「101」が101周年を迎えるなど、アメカジ好きに多くの話題を提供してくれるLee。そんなアメリカンデニムを代表する同ブランドの注目の新作は、ブランケットを携えたワークジャケットだ。普遍的なデザインと保温性に優れるという機能を備えるこの秋冬の相棒となる逸品を紹介する。 Leeのシグ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。