DANNERのファクトリーに伝わる信念。“CRAFTING HIGHER STANDARDS”
「より高い品質の靴を作る」とは、DANNERのファクトリーに伝わる信念。それはDANNERがたったの5人の職人とともに靴づくりを始めた創業時から変わらない。“品質”への飽くなきこだわりはこのファクトリーから世界へ発信される。
ダナーの靴づくりの本拠地はオレゴン州ポートランド。ファクトリーで働く人々もプロのクラフトマンという意識の下、早朝から夕方・夜までの2シフト制で稼働している。またファクトリー内にヒストリカルな展示物もある。
革の上に裁断金型を置きプレスすることで裁断していく。職人は金型を置く際に「質、量、効率」の3つを考慮しながら取り都合を考えカットを行う。そんな職人を工場内では“アーティスト”と呼ぶ。
DANNERの心臓部であるラスト(木型)のストックルーム。1回の生産オーダーごとに、左右合わせて24個の木型を1ロットとして使用して、合計12足の靴を一度に生産するという。
DANNERでは革素材をすべて使用する前に検品を行う。革に付属する仕様書通りの品質を持っているかなど、強度や柔軟性などを5つのテストに分けて実施することで、高い品質を守っている。
ファクトリー内にはブーツの製造に使用するパーツごとに纏めたストックスペースがある。そのほとんどはアメリカで製造されたものを選んでいる。こちらはカラフルな色味のシューレースのストック。
裁断されたパーツを縫い合わせ、DANNER LIGHTが形作られていく。ファクトリー内では1898年製のピューリタンマニファクチャーのヴィンテージミシンなど、歴史を感じさせる道具も今だに現役で活躍していたりする。
アッパーを縫い立てた後、GORE-TEX BOOTIEと組み合わせていく。空気の力でブーツ内部へ確実に内蔵させていくことで、防水・透湿性能がしっかりと働き、靴内部を快適に保つための高い品質を実現させている
いくつもの作業工程を経て、最後のアッパーとミッドソールのステッチダウン直前の状態。木型を嵌めたGORE-TEX BOOTIEをアッパーのつま先部分としっかりと接着させる。それによりGORE-TEX BOOTIEが内部でズレを防いでいる。
アッパーとミッドソールをダナー式ステッチダウン製法で縫い上げていく。足馴染みが良いだけでなく、アッパー内部に侵入した水分も排水されやすくなる効果も期待される。
ステッチダウン製法で縫われたミッドソールに接着剤を塗り、アウトソールを貼り付けていく最終工程。いくつもの手間のかかる工程を経ることで、軽量かつ頑丈、そして完全防水機能を持つDANNER LIGHTは完成する。
DANNERは軍や警察といったプロフェッショナルの靴も製造するメーカー。そのため完成したブーツの耐久テストは日々怠ることはない。防水性能や靴紐部分の引っ張り限界強度、靴の耐久性能などを専用のマシンでチェックしている。
ブーツの機能性を復活させる“リフラクティング”という修理サービス。
工場から程近い位置にあるDANNER FACTORY STOREの内部には、見た目のリペアではなく、本来の機能性まで再び元に戻すリクラフティング工房がある。末長く愛用できる品質を守るDANNERならではの修理サービスだ。
【DATA】
DANNER
18201 NE Portal Way, Portland, OR 97230
Tel.503-251-1100
DANNER FACTORY STOREでは、ハイキングやワーク、ハンティングといったカテゴリー新作モデルから、サンプルなど直営店ならではのアウトレット商品、そしてアウトドアギアなどが並ぶ。
【DATA】
DANNER FACTORY STORE
12021 NE Airport Way Portland, OR 97230
Tel.503-251-1111
https://www.danner.com
(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)
Photo by Kentaro Minato 湊健太郎 (Seven Bros. Pictures)
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