独自開発された名機スポルトマチック|1971 PORSCHE 911T SUNROOF COUPE/SPORTMATIC

クラシックカーの王道として愛されるナロー911。なかでも1960年代に独自に開発されたスポルトマチックはPORSCHEブランドの本質を知るにふさわしいクルマだ。美しいボディラインはもちろんスポーツカーらしいトルクフルな走りと軽快さ、そして実用性を兼ね備えた唯一無二の銘車として後世に語り継がれるべき1台だ。

ナロー911を気兼ねなく普段使いする贅沢。

1967年に生まれたスポルトマチック。簡単に言えば、アクセルとブレーキの2ペダルのみでクラッチレスのマニュアルミッションのことでPORSCHEが独自に開発した機構だ。

これにはポルシェ・ヴァイザッハ開発センターの開発者やテストドライバー、そしてファクトリーのレーシングドライバーたちが、長距離耐久レースに於いてドライバーの負担を軽減させるために、多大な労力と技術を注ぎ開発されたのだが、残念ながら当時、スポルトマチックの素晴らしさを理解できる人が少なかったのは事実。

生産後半世紀以上が経過し、クルマに動力性能を求める時代ではなくなった現在なら、もっと広く浸透したことだろう。ドライビングフィーリングは実に軽快で2200㏄ながらも車重が軽量な分、トルクフルな走りと心地よいエンジンサウンドでドライバーを楽しませてくれる。

クラッチ操作が不要なため、高速走行はもちろん街路での運転もクラッチ操作の煩わしさを感じることはない。ナロー911を気兼ねなく普段使いする。それもまたクラシックポルシェの愉しみかたのひとつではないだろうか。

1971 PORSCHE 911T SUNROOF COUPE/SPORTMATIC

ロングホイールベース化され、排気量がややアップされたCシリーズと呼ばれるタイプ。エンジンは1970年式から採用されている911/06型・排気量2.2L・125馬力で、数値だけを見ると非力に思えるかも知れないが、車重に対して必要にして充分すぎるパワーを持っている。組み合わされるミッションは、4速のスポルトマチック。確実なタッチと気持ち良いシフトでフィーリングも抜群だ。

モノトーンで統一されたシックなインテリア。合皮とコンビのチェックシートがスポーティさを印象付ける。また当時のオプションであるサンルーフも装備する。

とても丁寧なメインテナンスが施されてきたことが、ひと目で理解できる綺麗なエンジンルーム。

シグナルレッドと呼ばれる純正の赤ボディにゴールドのエンブレムが高級感を増している。

リアのクオータガラスは開閉式。フロントの三角窓とともに併用すれば、車内の換気は充分にまかなえる。

【DATA】
VINTAGE SHONAN
Tel.045-300-3750
http://www.vintage-shonan.co.jp

(出典/「CLUTCH2024年5月号 Vol.95」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

Pick Up おすすめ記事

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...