農夫用シャツの美しいディテールに魅せられて。「オルゲイユ」西嶋さんの愛するビンテージを紹介。

20世紀初頭のドレスワークスタイルをブランドの世界観とするOrgueil。デザイナーを務める西嶋秀浩氏が、これまで目にし、そして手にしてきたもの。そんな中でも彼がとくに興味をそそられたヴィンテージについて訊いた。

いまのブランドの世界観やジャンルのきっかけ。

「建物や家具、フォント、ペン、パッケージデザイン、さらに服でいうと生地やディテールなどを含めたデザインに惹かれます」

デザイナーとしてモノを見る視点についてそう語る。また、昔のモノは限られた素材を最大限に活用し、デザインで機能性を付与するため、時間をかけて作られているものが多く、いま見ても数年後に見ても良いと思えるものが多い。だからこそ、旧いものに興味をそそられ、面白いと感じるのだろう。

コットンリネンの生地を使用した1920~1930年代前後のシャツ

「最近は特に、昔の生地が好きですね。粗野で荒っぽい生地は、現代の技術で再現しようと思っても簡単ではありません。ORGUEILをスタートした時に、ヨーロッパものに興味を持ったのが、いまのブランドの世界観やジャンルを好きになったきっかけでもあるんです。

このシャツは、補強ディテールなどから推測するにワークウエアとして作られたもの。ギャザーの入れ方やマチの取り方など、考えられたデザインがとても秀逸。仕事柄、どうしても企画、デザイン目線の買い物になってしまいますが、生地やデザイン、ディテールなど、現代には存在しないものがあるとつい買ってしまいます」

農作業しやすいように作られた生地やデザインの秀逸さ。

about 1920-1930s Unknown Cotton Linen Shirt

コットンリネンのシャツは補強のディテールなどから農夫用と推定。

「袖や背中のギャザーは運動量を確保するもので、農作業をする上で動きやすいようにデザインされています。ドビーシャツはドレスシャツにありがちですが、ワークウエアらしい肉厚のドビー生地はとても面白いんですよね。またこの時代ならではの丁寧な縫製、ヨークデザインなど、生地やデザインの秀逸さに惹かれています」

(出典/「CLUTCH2023年6月号 Vol.91」)

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