ロックンロールが生まれたとされる1956年モデルのグレッチ。
初めて自分で買ったギターもGRETSCHだったという西崎氏。高校生の頃、兄が使っていたG6120を譲ってもらいバンド活動に明け暮れていたという。上京してからもロカビリーやガレージバンドを組み、レコードレーベルを立ち上げ、ツアーまでやっていたという本気具合。
コレクションしているギターは、現在20本ほどで、ほとんどがヴィンテージ。うち2本ほどが’90年代のものというが、それでももはや30年前のヴィンテージの域に達している。そのコレクションの中には、ギブソンやフェンダーは1本も無い。昔から、他人と違ったものを手に取る傾向があると自己分析する。
「ギブソンやフェンダーに行ってしまったら、もう戻れない気がしてしまって、1本も持っていないんです。ギターに限らず、アンプまでGRETSCHが好きですね。いろんなモデルを使ってきましたが、やはりロックンロールが生まれた年とされている1956年のモデルは音も色もデザインも完璧です。
ただこれで最後というわけではなく、欲しいモデルはまだまだあって。おそらく一生欲しいものが尽きることはないんじゃ無いかなと思っています」
1956s GRETSCH G6187 Corvette|コレクターの知人から譲ってもらった、音もデザインも秀逸な1本。
「ロックンロールが生まれた年とされる1956年製のGRETSCHをずっと探していました。’50年代特有のディアルモンドのピックアップが奏でるカツンとした音がたまらなく好きで、いままで、’60年代のギターにもディアルモンドをカスタムセットして使っていたほど。その他、ボディカラー、デザインともにGRETSCHらしい1本です」
(出典/「CLUTCH2023年6月号 Vol.91」)
Photo by Kazuhiro Gohda 合田和弘 Text by Tamaki Itakura 板倉環