「キング」と呼ばれる美しいワークブーツ。ホワイツの経年変化をとくと見よ。

創業から一貫して良質な革を用いた堅牢な作りをハンドメイドという手法で貫き「キング・オブ・ブーツ」との呼び声を欲しいがままにしてきたWHITE’S BOOTS。タフさはもちろんクラシカルで美しいフォルムは、私たちを魅了する。そんなホワイツを愛用する業界人たちの美しくエイジングされたブーツを本人たちの声とともにお届けする。

1.SEMI-DRESS(セミドレス)

Owner:西澤太介(にしざわたいすけ)東京・上野の老舗セレクトショップ、HINOYA が手掛けるBurgus Plus のデザイナー。HINOYA が手掛けるWHITE’S BOOTSはセミドレスとスモークジャンパーを愛用

10年ほど前に香港にてオーダーしたセミドレス。当時は、いまと違って円高の影響もあったせいか、ついでにもう1足、スモークジャンパーも購入したのですが気付けば、このセミドレスばかりを履いています。 革はフレンチカーフでフックやアイレットをブラックで統一し、ミッドソールはシングル、自分の足形に合わせてEEウィズ でオーダーをしました。土踏まずのアーチイーズが、WHITE’S BOOTSの一番の特徴かと思いますが、これがとても履きやすく快適です。またジーンズとの相性が良く、501 や 505 などのストレートジーンズをジャスト丈で穿いて、多少、トップスがラフでもこのセミドレスは上品に見えますし、バランスを取ってくれるので重宝していますね。

2.SEMI-DRESS(セミドレス)

Owner:宮田英敏(みやたひでとし)大阪・西心斎橋にて、1974年に創業したセレクトショップ、UNCLESAMの代表。ショップでも長年に渡り、WHITE’S BOOTSを販売してきた

購入したのは2007年、かれこれ15年ほど愛用しているセミドレスですが、初めて買ったWHITE’S BOOTSはスモークジャンパーで25年ほど前。履き心地もスタイルもとても気に入ったこともあり、2足目としてセミドレス、そしてオックスフォードシューズまで購入しました。ソールがビブラム社の#700を装着しているのですが、やや重く感じるので、次に交換するときは#700セパレートにしようかなと思っています。アッパーはブラウンレザーですが、よりマッドな感じに仕上がるようにアイレットやソールエッジカラーはブラックでオーダー。サイズは必ずジャストサイズを選びます。レングスの短いパンツの足元にセミドレスを合わせるととても好印象です。

3.NORTHWEST OXFORD(ノースウエストオックスフォード)

Owner:久野健作(ひさのけんさく)WHITE’S BOOTSやDannerなど、アメリカ生まれのタフなブーツを揃えるSTUMPTOWNのリクラフター。これまで多数のブーツのリペアを担当してきた

アメリカを代表するワークブーツメーカーですが、ここ日本ではカスタムオーダーができるということもあり、他の人が持っていないようなインパクトのある1足が欲しくてオーダーしたのがこのブーツです。高級革として知られるオーストリッチをメインに、オイルドブルハイドとの2トーンで仕上げました。ラストは自分の足型に合わせたノースウェストラストでウィズはE、ソールはビブラムの#2021を装着しています。アイレットはレザーの色に合わせてブラスカラーにすることで全体的な統一感を意識しました。シューズ自体にボリュームがあるので、コーディネイトはワイドシルエットのパンツが多め。週1、2回を目安に履き、ブラッシングは欠かせません。

4.W100

Owner:松島睦(まつしまあつし)1972年東京都生まれ。『Lightning』、『2nd』の編集長を歴任、2012年に『CLUTCH Magazine』を創刊した。ロンドンでCLUTCH CAFEを開業

ワシントン州スポケーンにあるWhite’sのファクトリーで修業し、お墨付きをもらった日本人クラフトマンが日本で生産する初めてのMade in Japanモデル。日本製のWhite’sと聞いた時には、正直なところ耳を疑ったが、アメリカ製とは全く異なるデザインで、日本人ならではのディテール仕上げなど、アート作品のような美しいブーツが完成したのを見て感動した。アメリカ製と日本製、国民性の違いが如実に表れているが、伝統のハンドソーンは継承。たった一人の職人が革の裁断から仕上げまで一貫して作るのもロマンを感じる。履いてよし、飾ってよし、眺めてよしの傑作。もっと履き込んで、究極のアート作品を完成させたい。

5.SEMI-DRESS(セミドレス)

Owner:中島正貴(なかじままさたか)神奈川県川崎市でメガネ店を営む傍ら、横浜に拠点を置く自社工場「G-YARD」を2014年に設立。同時に自社ブランドのディレクションも手掛けている

15年くらい前の年末にブーツリペアの店で知られる福禄寿で購入したウォーターバッファローの革をアッパーに使用したセミドレスです。ちょうどそのときブラックのイタリアンカーフを使用したセミドレスも置いてあって、その佇まいが上品で、まるでドレスシューズのような印象から、とても惹かれたんですけど、まずはウォーターバッファロー特有のシボ感が欲しくて。イタリアンカーフのセミドレスは、うちのスタッフ2人が履いていて、たまに見ると羨ましく思えますね。いま思えば両方買っておけばよかったなと、少し後悔しています。15年も履いていますが、未だにソール交換はしていません。革が柔らかくしなやかなので、ジャストサイズで履いています。

6.NOMADO(ノマド)

Owner:森井英敏(もりいひでとし)北海道・帯広で1990年にセレクトショップ「GOLD★RUSH」を創業。2003年には、蝦夷鹿の角や革を使用したオリジナルブランド「DEERHORNSMITH’S」をスタートさせる

購入したのは15年ほど前。初期別注モデルのNOMADということもあって、エンジニアブーツ特有のストラップバックルの位置が正面側にバックルひとつ分ほど、ズレて付けられているのが特徴です。日本ではあまり見かけないかもしれませんね。1度、ソール交換をしているのですが、いま思えばバックルの位置も修正して貰えばよかったかなとも思います。でもバックルの位置まで直すとなるとヒールやヴァンプまで糸を解かなきゃいけないので、もちろんリペア費も高くなるでしょうし。アッパーのレザーはクロムエクセル。7年ほど前にブラウンのNOMADを追加で購入し、仕事でもプライベートでも運動するとき以外は、ほぼ毎日のように履き回しています。

7.NORTHWEST(ノースウエスト)

Owner:古河ピンク(こがぴんく)『Lightning』のオンラインショップ「CLUB Lightning」の運営、お問い合わせ、SNSなど、媒体を絡めたカスタマーサービス全般を担当。特技は笑うこと

人生初のWHITE’S BOOTS。第1印象は、重くて硬い。でも頑丈なブーツってそれがデフォルトで、上司や先輩たち、周りのみんなが履きやすさや革の馴染みやすさを熱弁してくれたので、これからガンガン履いて馴染ませてから、どんだけ履きやすいブーツなのかを検証するのが楽しみです。ブラックやブラウン1色よりは、ブラックとラフアウトの2トーン、ホワイトのソールが、見た目の軽さを出しつつ、インパクトもあるので気に入っています。メンズライクなスタイルに仕上げてくれるカッコ良いブーツは、オシャレなオトコの気を引きたい時、またはイケメンとの会話の糸口にしたいときなど、とっておきの日に履きたいなと思っています(笑)

8.SEMI-DRESS(セミドレス)

Owner:小森智之(こもりともゆき)京都を代表するセレクトショップ、LOFTMAN COOP KYOTOのスタッフ。入社の面接にもこのブーツを履いていった思い入れのあるブーツなのだという

高校生の頃、RED WINGを試着したことがきっかけでワークブーツに憧れを持ち、辿り着いたのが「キング・オブ・ブーツ」と謳われるWHITE’S BOOTS。ブランドについて調べていくうちに、ますます欲しくなってしまったのが購入のきっかけ。アッパーは、購入時は淡いブラウンでしたが、履き込むことでアメ色に変化していく過程も楽しむことができました。ちなみに履き始めは、自分の足の形状からか、5インチのセミドレスで、フックまで留めて履くと足首周りが痛くなってしまい、一瞬、6~7インチにしておけばよかったかなと後悔が頭をよぎりましたが、プルフープに紐を通して結ぶことで、その症状は改善されたので現在は問題なく着用できています。

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CLUTCH Magazine 編集部
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