【業界人の愛用品】旧きよき時代の手仕事を感じる愛用品。|HOOKED VINTAGE /安藤公祐さん

ファッションを知り尽くした業界人に、コート、ジャケット、シューズなど、それら愛用品との出会いや経緯、もの選びの基準などを聞いた。ヴィンテージインダストリアルファニチャーに精通した「HOOKED VINTAGE」の安藤さんだが、愛用品として使っているものは意外にもヴィンテージには限らないそう。詳しく聞いてみた。

気兼ねなく使えるタフなものが基本です。

1981年生まれ。宮城県出身。中目黒のジャンティークを経て、夫婦で渋谷にフックドをオープン。日本有数のヴィンテージインダストリアルファニチャーのスペシャリストだ

ヴィンテージのインダストリアルファニチャーのスペシャリストである安藤氏。オーナーを務めるフックドには、その確かな腕を信頼して、内装業のプロフェッショナルも足繁く通っている。戦前の旧き良きアメリカを深く知る安藤氏のワードローブは、そんな世界観を感じるものがメインだ。

「ヴィンテージウエアも好きですが、気を使ってしまうようなスペシャルなものは性に合わないんです。仕事柄、本当に珍しいものに出逢うと気持ちは高まりますが、自分がワードローブとして手元に置きたいのは、ファッションとしても働く際のワークウエアとしても気兼ねなく使えるもの。そうなるとコンディションがよくて、180センチを超える身長の自分でもゆったりと着られるサイジング。ただそうなると古着で見つけることは難しいので、こればっかりは出逢いですね。現行品でも良いものはたくさんありますし、じっくりと探していこうと思います」

「HOOKED VINTAGE」安藤公祐さんの愛用品。

1.JACKET/LEE

LEEを代表するワークウエアのひとつであるカバーオールの98J。生地の種類で末尾のナンバーが変わるのもおもしろい。タグから30sと推測。「個人的に末尾が8のストライプ生地のバランスが好きなんです。ここまで大きいサイズはほとんど出ません」

2. BAG/ZERO HALLIBURTON

前職のオーナーであるジャンティークの内田さんよりプレゼントしてもらったという小振りなキャリー。「機内持ち込みもできるサイズなので、海外出張の際に必ず持っていきます。新品で頂いたのですが、かなり使い込んだ風合いになりましたね」

3.SHOES/ALDEN

HORWEEN社のコードバンを用いたローファーは、雨の日も気にせずにガシガシと履いている。「いろんなローファーを履きましたが、自分の足型にしっくりと来るのが、ALDENのラストだったんです。ニューヨークで購入しました」

4.EYEWEAR/TIMEWORN CLOTHING×HAKUSAN MEGANE 069

硬派なスタイルを貫く名店タイムウォーンクロージングと日本の老舗ブランドである白山眼鏡とのコラボ。同じモデルをフレームのカラー違いで3つ所有。「車を運転する用として購入したので、クリアレンズ、サングラスともに度が入っています」

5.CAP/COOPERSTOWN

今もメイドインUSAを貫く数少ないキャップメーカー。「このブランドのキャップが大好きで、いろんな種類を持っているんです。日本の代理店を友人がやっている縁から、フックド別注モデルをワンオフで作ってくれました。Hのワッペンは屋号の頭文字です」

最近買ったもの、ハマっているもの

’30~’40年代にアメリカでロードサイドツーリストウエアとして販売されていたOZARK POTTERY の陶器。フォークアートを感じさせるような独特なカラーリングが魅力。

(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

Pick Up おすすめ記事

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...