市販車初のターボ搭載モデル。「1974 BMW 2002 TURBO」

銘車と呼ばれるクルマは作られた年代に限らずその完成度の高さゆえ、後世に語り継がれていくもの。いわゆるクラシックカーと呼ばれる半世紀以上も前にこの世界に登場し、息を吹き込まれたクルマが、長い年月を経た現在でも街を走っていることを当時の開発者たちは想像できただろうか。今回はBMW 2002 TURBOを紹介。

愛称の可愛さとは裏腹にスパルタンな走りで魅了。

つぶらな瞳、コンパクトなボディ、かつ「マルニターボ」というなんとも可愛らしい愛称とは裏腹に、いざコックピットに座るとバケットタイプのシートに小ぶりのハンドルが、スポーツカーらしいフィーリングだ。操縦するとスパルタンな走りで、さらにモーターファンたちを魅了してきたBMW 2002TURBO。最大の特徴は、市販車初のターボチャージャーを標準装備して販売されたモデルであること。当時、シボレーコルベアが、唯一オプション設定にてターボを採用した程度。

デビューは’73年。2ドアセダンとしての実用性が高く、優れたハンドリング性能を持つ2002に、より強力なエンジンを搭載するのは、魅力的だった。しかしオイルショックの影響をもろに受け、デビューから2年、わずか1600台ほどで生産が打ち切られてしまう。また外装の大きな特徴であるオーバーフェンダーのビス留めも日本の運輸省では、ボディの付加物として認められず、わざわざパテ埋めを施しての販売に至ったという悲しい過去。もちろん当時から高級車。コンディション良好を保ったままの個体に出逢う可能性があるだけで心躍るものである。

1974 BMW 2002 TURBO

市販車にターボを搭載したことで、クルマ業界にとってエポックメイキングなモデルとなった通称「マルニターボ」。ノーマルのインジェクションモデルよりも3割近くパワーアップし、1.9L/4気筒OHCエンジンで170馬力という驚愕の数字を叩き出した。レカロ製のスポーツシートのほか、スポイラーやボディにデカールされた「turbo」の文字も強烈なインパクトを放っている。

三角窓がクラシカルな装いながらも、どこかスポーツカーの香りが漂うコックピット内。レザー製のバケットタイプのシートが標準装備されている
ビス留めされたオーバーフェンダー。当時、運輸省ではボディの付加物が認められなかったため、パテ埋めを施して販売した
トレッドが拡げられたタイヤサイズもワイド仕様。ホイールはカンパニューロのメッシュホイールが装着されている
ウレタン製のリアスポイラーと「2002」のエンブレム

【DATA】
VINTAGE SHONAN
Tel.045-300-3750
http://www.vintage-shonan

(出典/「CLUTCH2022年6月号 Vol.85」)