なぜ英国トラッドにはブラウンスウェード靴なのか? 相性の良さを着こなしから紐解く。

英国トラッドと茶スウェード靴の相性が良い理由は一体なんなのか。ここでは、本誌でもお馴染みの川辺圭一郎さんのスタイルやコーディネイトを組むときのロジックについての話を伺い、“着こなし”の面から両者の相性を探っていく。

「旧きよきカントリースタイルというひとつの軸を意識することを大切にしています」

トゥモローランド/バイヤー 川辺圭一郎さん|1989年、東京都出身。店舗での販売を経てPRからバイイングまで幅広く活躍。英国やフレンチなどのヨーロッパスタイルに定評がある。英国への渡航経験は、学生時代から数えて実に10回以上。

英国トラッドとブラウンスウェード靴の相性が良い理由を着こなしの面から考えると、第一に挙げられるのが“素材の親和性”だ。

「スウェードという素材の性質上、起毛感があるため、梳毛のドレッシーなパンツやジャケットと合わせると足元が浮いてしまうことも。そこで、ツイードのような表情のある英国由来の素材と合わせると、全体としてまとまりが生まれます」と川辺さん。

実際に英国に何度も足を運び現地のスタイルに触れてきたからこそ、感じたことがあるのだという。

「実際にお会いした〈フォックス ブラザーズ〉の方がリアルなカントリースタイルをされる方で、彼のスタイルを見ても足元はブラウンスウェードでした。カントリースタイルは田舎や自然の中でのスタイルなので艶っぽい黒のスウェードよりも温かみのあるブラウンのスウェードがしっくりくるんです」。

現地のスタイルを肌で感じたうえで川辺さんがブラウンスウェード靴を履いたコーディネイトを組む際に意識していることは、ひとつの“軸”を持つことだという。

「ただ英国ブランドを着るのではなく、例えばアーガイルやタータンチェックなどの英国の伝統的なアイテムを取り入れることを意識しています。特にブラウンスウェード靴を履くときは“カントリースタイル”という軸を持って、ツイードやコーデュロイなどの彼らが実際に着用するアイテムをどこかに入れつつ、コスプレにならないように自分らしいスタイルに昇華させることが大切だと思います」。

川辺さんが考えるいま気分のブラウンスウェード靴スタイル。

Style01…現地の洒落者から着想を得た休日のリラックススタイル。

英国出張の際に現地で見かけた着こなしからインスパイアされたカジュアルスタイル。アーガイルニット、コーデュロイといった旧きよき英国プロダクトを着用しているもののモダンなムードが漂う。「あくまで現代の街着として着ることを意識して“色”を取り入れました。やや太めのコーデュロイパンツとサイドゴアの足元は収まりが良くて、よくやる組み合わせです」

シューズ/ジェイエム ウエストン、カーディガン/メゾン エ ボヤージュ、スウェット/ル シャーロットクラブ、パンツ/ヒューベント、メガネ/ヴィンテージ

Style02…程よく力の抜けたスーツスタイル。

“スーツを自由に着る”がテーマ。濃紺のスーツの足元に茶スウェードを合わせたウィンザー公のスタイルを彷彿とさせる。「重厚感のあるネイビーのツイードスーツを軸にインナーはシャツではなくモックネックニット、足元にはラバーソールのベルト付きチャッカブーツを選び、スーツを着崩しています。60年代後半のビートルズのスタイルからも着想を得ています」

シューズ/ヒデタカ フカヤ、スーツ/ハズバンズ、ニット、スカーフ/ともにトゥモローランド、メガネ/ヴィンテージ

Style03…80〜90年代をイメージしたフレンチミックス。

80〜90年代にフランスで流行したタートルネック×シャツの組み合わせにガンクラブチェックのスタンドカラージャケットを羽織ったミックススタイル。「“森の番人”を意味し、ワークウエアを起源とするフォレスティエールジャケットを軸に英国とフレンチのミックススタイルを組みました。茶スウェード靴はツイードやコーデュロイだけでなくデニムとも相性抜群です」

シューズ/フラテッリ ジャコメッティ、ジャケット/シャトー ルフセン、シャツ/エリーコ フォルミコラ、タートルネックニット/トゥモローランド、デニムパンツ/ハズバンズ、メガネ/ヴィンテージ

(出典/「2nd 2024年12月号 Vol.209」)

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