ヨーロッパ好きは品よくデニムを履きこなす。真似したくなるコーデ5選

アメリカのワークウエアを起源とするが、ヨーロッパスタイルとも好相性なデニムパンツ。ヨーロッパを愛する洒落者たちにデニムスタイルを見せてもらうと、そこには共通点があった。着こなしの参考にしたくなる5人のスタイルをチェック!

1.英国製のワイドデニムが演出するエレガントなヨーロピアンスタイル

「江口時計店」「江口洋品店」代表・江口大介さん|世界中のアンティーク時計やヴィンテージを扱う目利き。「スタジオニコルソン」の旧式織機による英国デニムにロマンを感じたそう

他にはない「スタジオニコルソン」のワイドシルエットに魅せられたという江口さん。

「ヴィンテージデニムの太いシルエットって、ワークウエアとしての機能じゃないですか? でもこのワイドシルエットにはデザインとしてエレガントさや魅力を大いに感じたんですよね。これに『アルモ社』のブロードを使ったドレスシャツや、『エルメス』のスカーフでヨーロピアンな雰囲気にまとめるのが好みです。タックインして全体がキレイに見えるのも、英国製ならではだと思います」

2.程よく着崩したブレザースタイルに中間色の英国製リーバイスを合わせる

渡辺産業 プレス・坂本竜さん|英国皇室御用達の証であるロイヤルワラントを保持するアイテムを多数所有する生粋の英国トラッド好き。休日は良きパパの一面も

英国老舗ブランドの良品を展開する渡辺産業のプレスにして、生粋の英国好きである坂本さんの今のお気に入りはカットオフが施された英国製「リーバイス」の[501]。ホワイトでもグレーでもブルーでもない独特のカラーが特徴的だ。

「パキッとしたカラーよりニュアンスカラーが今の気分です。ユーロリーバイスはアメリカ製と比べてシルエットのアウトラインが綺麗な印象で、ブレザースタイルとよく合います。足元は大好きな『チャーチ』のスウェード靴を合わせ、オープンカラーシャツをタックアウトすることで抜けを作りました」

3.ヨーロピアンなジャケットスタイルにベルボトムでアクセントをつける

「アーチ」ジェネラルマネージャー・原祐輔さん|ヨーロッパを主軸としたスタイルの魅力を発信するアーチの頭脳。最近のマイブームはサウナで、サウナハットの購入を検討中だとか

ヨーロッパスタイルを好む原さんにとっていま最も新鮮なのが「リーバイス」の[517]。

「フランス軍の[M-47]などの太い軍パンをたくさん穿いてきて、太いのは程々と思うようになりつつありました。この[517]は裾が靴に溜まる感じや元々入っていたセンタークリースのようなアタリが気に入っています」

シャツのボタンをラフに開けてジャケットを羽織り、パンツにデニムを合わせたスタイルはフランスの歴史に残る色男「ゲンズ・ブール」を彷彿とさせる。

「あくまでもユーロものと合うことが自分の中でのデニム選びのポイントです」

4.ユーロスタイル外しのデニムではなくユーロ直球のデニムスタイル

「アナトミカ東京」店長・山根領太さん|1993年生まれ、山口県出身。お客さんから全幅の信頼を受ける頼れる店長。現地まで行き観戦をしたことがあるほどのNBAファン

デニムをユーロスタイルの外しとして穿く人が多いなか、山根さんの穿く「アナトミカ」のデニムはユーロスタイルのためのデニムと言える。

「デニム然とした形でありながら、緯糸を白ではなくグレーで織り上げることで生まれる色味やデニムにはない股上の深さ、細身のシルエットなど、いわゆるアメカジを代表するデニムではないんです。なので、『アナトミカ』のジャケットに『レマメイヤー』のカーディガン、『ターンブル&アッサー』のシャツというユーロスタイルに合わせても外しではなく、そのスタイルに馴染んでくれるんですよね」

5.フランス製のリーバイス501を軸としたユーロ×アメリカのミックススタイル

「リヴェラーノ&リヴェラーノ ジャパン」ディレクター・柳田高広さん|アパレル小売業を生業とする会社での約30年の勤務を経て現在は「リヴェラーノ&リヴェラーノ」ジャパンのディレクター

ブレザーやチノパンなどのアメリカントラッドが大好きだという柳田さんが最近ハマっているのがヨーロッパのアイテムを使ってアメリカ的なスタイルを作ること。

「今日もフランスの『シャルべ』のシャツに英国製のワークジャケット、肩にかけたニットもイタリアの『ミッソーニ』。ジャケットに色落ちしたジーンズというアメリカンなスタイルなので足元には履き込んだ『オールデン』を合わせたい。この[501]は裾幅がやや広く股上も深めなのでジャケットスタイルにもよく合うし、あえてのフランス製というところが今の気分です」

(出典/「2nd 2024年6月号 Vol.205」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...