2ページ目 - 人が、人のために化学の力を使い生み出した繊維「化学繊維」を深掘り!

服に使われる主な化学繊維

合成繊維

ポリエステル|世界で最も多く作られている合成繊維

毛足の長さが特徴的なアメリカ軍の[ECWECS]フリース。2万1780円(グレースTEL03-6416-3457)

扱いやすさや、その便利さから世界で最も生産されている合成繊維「ポリエステル」。フィラメントをそのまま生地にすることも可能。ステープルは天然繊維など他の繊維とも良く馴染むので、さまざまな混紡生地に使用される。

[ 特徴 ]
1.濡れても繊維の強さは一定。摩擦に対しても強い。合成繊維の中では比較的熱に強い
2.型くずれに強い
3.長時間日光にさらしても強さはほとんど変わらない
4.吸湿性が少ないので洗濯しても伸び縮みせず、速乾性有り。シワもつきづらいので、アイロンかけはほとんど必要なし
5.熱可塑性がありプリーツや折り目は洗濯しても取れづらい
6.薬品に強く、虫、かびの害を受けない

アクリル|柔らかな触り心地はまるでウール

「JCペニー」の70年代頃のアクリルニット。ウールに比べ軽く、丈夫で扱いやすい

柔らかく、温かな触り心地を保つ、合成繊維の中でも1番羊毛に似た性質を持った繊維のため、ニットなどウールの代わりとして使われることが多い。綿やウールなどと混ぜ、お互いの長所を生かした生地も多く作られている。

[ 特徴 ]
1.ウールよりも軽くて、毛の嵩が高くウールに似た風合いを持つ
2.保温性が高く、暖かい
3.ウールと同様に弾性回復率(伸ばした後にどれだけ元に戻るか)が高く、シワになりにくい
4.発色性が高く、染めやすい
5.太陽光線に当っても、ほとんど影響を受けない
6.薬品に強く、かびや虫害を受けない

ナイロン|世界で初めて作られた合成繊維

80年代頃の「レッドキャップ」ナイロンコーチジャケット。1万780円(グレースTEL03-6416-3457)

アメリカのデュポン社が開発した世界初の合成繊維「ナイロン」。当時の「石炭と水から作られた、鋼鉄よりも強く、蜘蛛の糸より細い」といったキャッチフレーズの通り、他の合成繊維と比べ摩耗や折り曲げに強く、しなやかさを持つ。

[ 特徴 ]
1.繊維自体も丈夫で、摩擦や折り曲げなどに特に強い
2.質量が絹の約80%、綿の約70%と軽い
3.ほとんど水を吸わないので速乾性がある
4.弾力性が高く、しわになりにくい
5.薬品、油に強く、海水にも強い
6.カビ、虫の害を受けない

再生繊維

レーヨン|絹のような光沢を持つ、世界初の化学繊維

50年代のレーヨンシャツ。トロンとした生地感が美しい。2万7280円(グレースTEL03-6416-3457)

木材パルプを原料としており、綿や麻と同じセルロース。吸湿、吸水性に優れているため染料の染まりもよく、ドレープ感がある柔らかな質感はシャツの素材としても人気。レーヨンは光の意味の「Ray」と木綿の「Cotton」の造語。

[ 特徴 ]
1.吸湿・吸水性があるので染まりやすく、色柄ものに向いている
2.他の繊維と馴染むので混紡、交織によく用いられる
3.サラッとした肌ざわりは下着、裏地や夏の服との相性が良い

キュプラ|シルクに似て、繊細な糸は極上の肌触り

ジャケットの裏地に使われている素材は、そのほとんどがキュプラによるもの。滑りが良く着心地を向上させる

レーヨンとの違いは、素材が木材パルプではなく、コットンリンターを使っている点。光沢があり、非常に細い糸で肌触りが良いため、トリコットや薄地の生地によく使われる。摩擦に弱いため、ゴシゴシ擦ったり、固く絞るのは禁止。

[ 特徴 ]
1.非常に細い糸を作ることができる
2.柔らかな触り心地と絹のような風合がある
3.染色性がよく、洗濯や日光で変色しにくい

半合成繊維

アセテート・トリアセテート|天然繊維と化学繊維のいいとこ取り

柔らかく加工がしやすいことからメガネのフレームにも使われる。2万900円(フェローズTEL03-5725-9577)

素材はレーヨンと同じく、木材パルプを使用しているが、薬品と合わせ化学反応により繊維とするため、植物性繊維と合成繊維の性質を併せ持つ。アセテートよりも、トリアセテートの方が湿潤時の形態安定製や耐熱性に優れ、安定性が高い。

[ 特徴 ]
1.比重は綿、レーヨン、キュプラなどよりも軽く、ウールに似た風合いを持つ
2.絹のような光沢と感触を持ち、また発色性に優れる
3.適度な吸湿性、保温性、弾力性がある
4.熱可塑性がありプリーツや折り目は洗濯しても取れづらい

※情報は取材当時のものです。

(出典/「2nd 2024年5月号 Vol.204」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

開襟シャツに刺繍入りジャケット……老舗デニムブランドが提案する、春夏のアメカジスタイル。

  • 2026.04.01

老舗デニムブランドであるステュディオ・ダ・ルチザンが提案する、春夏のアメカジスタイル。定番ジーンズからHBTのワークセットアップ、開襟シャツや刺繍入りジャケットまで、軽やかな素材と遊び心あふれるディテールで、春夏の装いを彩る。 [5743]ボーリングシャツ 1950年代のヴィンテージ・ボーリングシャ...

これまでで一番“アイビー”なクラークス誕生! 2026年春夏の新作にペニーローファーやボートシュー ズも登場

  • 2026.04.27

「クラークス」が2026年春夏の新作として発表した「デザートアイビーコレクション」。ブランドのアイコンである[デザートブーツ]や[ワラビー]、[デザートトレック]はアイビーらしい配色に落とし込まれ、アイビーの定番靴であるペニーローファーやボートシューズも顔ぶれに加わる。英国、アメリカ、日本。各国のカ...

Pick Up おすすめ記事

100本限定生産の「エイトG」大戦モデルは、春にぴったりの履き心地とメリハリのエイジング

  • 2026.04.02

無骨なまでに肉厚なデニムで知られるエイトG。その中でも比較的穿きやすく、この時期にぴったりの一本が、第二次世界大戦期のディテールを落とし込んだ大戦モデルだ。特濃インディゴで染め上げた糸ならではの、メリハリの効いたエイジングは、自分だけの一本になること間違いなしだ! ワイドシルエットが生む、クラシカル...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

横浜発アメカジブランド「HEATH」による、定番アメカジのマストアイテム5選はこれだ!

  • 2026.04.03

横浜を拠点に、定番からちょっとアレンジの効いたアメカジを提案するHEATH。人気ブランドのアイテムをセレクトするだけでなく、オリジナルのモノづくりにも注力しており、そのコストパフォーマンスの高さには定評がある。今回はその中から絶対に手に入れておきたいマストアイテム5選を紹介しよう。 【横濱デニム】デ...