人が、人のために化学の力を使い生み出した繊維「化学繊維」を深掘り!

  • 2024.05.11

天然繊維の歴史は1万年以上になるが、化学繊維の歴史は150年未満。そんな短い期間で、急速に発達してきた化学繊維はいまの生活には欠かせない。アパレル素材としても様々な革新をもたらした、「化学繊維」の基礎として歴史、素材について学んでいく。

人間が作り出した人のための繊維

「化学繊維」とは人間が作り出した繊維の総称。天然繊維と違い、その歴史は意外にも140年ほど前に始まったばかりだ。「化学繊維」は1883年にイギリスの化学者ジョゼフ・スワンが白熱電球のフィラメントの研究中、偶然ニトロセルロースの細い繊維を作り出したことに始まる。それから約50年の間は天然繊維を素材とした再生繊維の時代であった。

そんな流れを断ち切ったのが当時デュポン社の有機化学部門でリーダーを務めていたウォーレス・カロザースだ。彼が1935年に世界初の合成繊維「ナイロン」を発明すると、その日を境に世界は急速に合成繊維の時代へ突入する。それから50年が経ち、環境問題に配慮した繊維の研究が始まり、現代に至るまで続いている。

合成繊維の時代を年表で振り返る

1883年|イギリス
世界初の化学繊維「アーティフィカル シルク」をジョゼフ・スワンが発明

1887年|ドイツ
銅アンモニアレーヨン(キュプラ)発明

1918年|ドイツ
ベンベルグ社が良質な銅アンモニアレーヨン(キュプラ)の良質な繊維製造に成功

1925年|アメリカ
世界初の化学繊維「アーティフィカル シルク」をデュポン社が「レーヨン」に改名

1928年|日本
ドイツからベンベルグ(キュプラ)の紡糸方法の技術を導入

1931年|日本
旭化成によりベンベルグ(キュプラ)の製造が開始

1932年|アメリカ
デュポン社が「ポリ乳酸」の発明に成功するが耐久性の低さから繊維化に失敗

1935年|アメリカ
デュポン社のウォーレス・H・カロザースが世界初の合成繊維ナイロンを発明

1937年|ドイツ
ハインリッヒ・リンケがポリウレタンを発明。IGファンベル社によって生産が開始

1939年|日本
日本初の合成繊維ビニロンが発明

1941年|イギリス
ジョン・ウィンフィールドとジェームズ・ディクソンによりポリエステルを発明

1942年|アメリカ・イギリス
アクリルの繊維化に成功

1953年|アメリカ
デュポン社がポリエステルの製造を開始。名称は「ダクロン」

1990年代初頭|日本・アメリカ
日本とアメリカの企業によって「ポリ乳酸」の研究が本格化

1994年|日本
カネボウ合繊が世界ではじめて「ポリ乳酸」を繊維化。名称は「ラクトロン」

2018年|日本
バイオワークスが次世代合成繊維「プラックス」を開発

化学繊維は4種類

合成繊維

現代において「化学繊維」と呼ばれるもののほとんどがこの「合成繊維」といって過言ではないだろう。「合成繊維」とは主原料を石油とする繊維を指すが、それは昔の話。最近は植物由来の新しい合成繊維も生まれている。

ポリエステル/アクリル/ナイロン/ビニロン/ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリ塩化ビニル/ポリウレタン/プラックス

無機繊維

「無機繊維」とは他の3種の化学繊維以外のものを指す言葉だ。衣料に使われることは少なく、主に産業用の資材として使われる。身近な「無機繊維」は、電線に使われている銅線や、ゴルフクラブのシャフト、釣り糸など。

ガラス/金属繊維/炭素繊維

再生繊維

「再生繊維」とは木材やコットンリンターなどの天然繊維やペットボトルなどを熱や化学反応を利用して溶かし、再び繊維として蘇らせたもの。世界初の化学繊維アーティフィカルシルク(のちのレーヨン)は再生繊維。

レーヨン/キュプラ/ポリノジック

半合成繊維

植物を原料としたセルロースやタンパク質のような自然から得られる材料に薬品を混ぜるなど化学反応を利用して繊維化したものを「半合成繊維」と呼ぶ。化学繊維の特性と天然繊維の特性を併せ持つハイブリッド素材。

アセテート/トリアセテート/プロミックス

※参考文献 佐藤銀平(2011)衣料と繊維がわかる 東京書籍

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