ファッション誌編集歴5年だけど、まだ分からない。「糸の番手って太さだっけ? 重さだっけ?」

「セカンド」という服の雑誌の編集をやっております、パピー高野と申します。2018年の年の瀬に、編集経験ゼロの状態で編集部に入って、はや5年とちょっとになります。もともと服は好きだったのですが、そうは言っても周りの「全く服に興味のない人たち」に比べれば、多少お金をかけています、といった程度。お恥ずかしい話、セカンドで特集をやった「バブアー」や「エディ・バウアー」というブランド名すら聞いたことなかったぐらいです。さすがに5年も編集部にいると、当時に比べて知っていることはいくらか増えたとは思いますが、それでも知らないことがまだまだたくさんあるなぁと実感する毎日です

知ったかぶりはよくないとは思いつつも……。

一番困るのが取材や展示会のとき。「このカットソーは〇〇番手で……」とか、「リンキングで縫っているので着心地がよくて……」とか、聞いたことはあるけれどよく分かっていない言葉がでてきた瞬間に、そのアイテムに対する理解度がふんわりぼやけていってしまうんです。

「じゃあその場で聞いたら?」って思われる方もいるでしょう。もちろん僕も、時間が十分にあったり、会話している相手が聞きやすい雰囲気であったりすれば、聞きます。でも聞くことで時間ロスになるし、仮に相手が初対面だったとしたら、そうバンバンと質問しづらいって思っちゃうんですよね。だからよく分かってもいないのに「なるほど」と言って、知ったかぶりしてしまうんです。

取材後に分からなかった言葉を調べたり、別の人に質問したりして、ようやく理解できるんですが、それによって新たな疑問が湧いてくるというもったいないケースもしばしばです。とにかく、あらかじめ服に関する用語について、知っておくに越したことはないよな、と思うんです。

そろそろ服に関する知識を身につけませんか?

そんな悩みを抱えている人は編集部に限らず、服が好きな皆さんの中にもいらっしゃるのではないのでしょうか。雑談中の仲間や、接客してくれているお店のスタッフから、知らないワードが出てきても、ついつい話を合わせてしまう、みたいなことはありませんか? いつかちゃんと勉強したいとは思ってはいるけれど、なかなか重い腰をあげられないという人も少なくないはずです。そろそろ服に対する知識をしっかり身につけませんか?

そんな思いもあって、僕たちが作った「セカンド 5月号」では服に関する「いまさら人に質問できない知識」を集めました。ジャケットやシャツ、パンツなど、いわゆる普通のトラディショナルな服にまつわる用語や、繊維が生地になるまでの流れ、織りと編みの違いのような基本的なことから、番手やゲージのような聞いたことはあるけれど実際それが何を表しているか分からない「単位」のことまで。この一冊があれば、「あれ、なんだっけ?」は大抵解決できると思います。(実際自分もこの本を作ったおかげで、分からないことがかなりクリアになりました)

ただ、最後に付け加えておきたい大事なことですが、編集部としては、この本で得た知識を誰かに自慢してほしいというわけではありません。あくまで自分のなかに留めておくほうがクールだと思います。どこかで服を見た時に「そっか、これは20番手ぐらいだから〇〇だな」と、「服を見る目」をひっそり肥やしていくことで、もっと服選びが楽しくなるし、服に対する自分の好き嫌いがより明確になる。そちらのほうにこそ価値があると思います。「セカンド 5月号」が、そんな「服を見る目」を養うきっかけになれば幸いです。

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

労働者やアウトドアマンに愛された実用服。「ウエアハウス」のフランネルシャツ

  • 2026.10.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 糸そのものから再現し旧式の織り機を用いて製作 フラン...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

Pick Up おすすめ記事

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

今季ワードローブに加えたいアイテムを厳選紹介! 「EIGHT-G」で秋支度。

  • 2026.10.04

秋の装いが楽しくなる季節。ミリタリーやワークといったアメリカ由来の実用服をベースに、素材やディテールへこだわりを詰め込んだエイトジーの新作から今季のワードローブに加えたいアイテムをピックアップ。 (右)ジャケット110,000円(TMJ2615)、シャツ23,100円(8LS-81)、ジーンズ24,...

本格派でコスパも優れる「Amber Threads」のライトアウターで秋を始めよう!

  • 2026.10.05

古着店「DOSTYLE」を運営する「ドラマ」が手がける気鋭のアメカジブランド「Amber Threads」。“トレンドとヴィンテージを融合したアメカジスタイル”を掲げる同ブランドはバリエーション豊かなライトアウターを展開する。ヴィンテージをベースとした本格派でありながらコストパフォーマンスにも優れる...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...