知ったかぶりはよくないとは思いつつも……。
一番困るのが取材や展示会のとき。「このカットソーは〇〇番手で……」とか、「リンキングで縫っているので着心地がよくて……」とか、聞いたことはあるけれどよく分かっていない言葉がでてきた瞬間に、そのアイテムに対する理解度がふんわりぼやけていってしまうんです。
「じゃあその場で聞いたら?」って思われる方もいるでしょう。もちろん僕も、時間が十分にあったり、会話している相手が聞きやすい雰囲気であったりすれば、聞きます。でも聞くことで時間ロスになるし、仮に相手が初対面だったとしたら、そうバンバンと質問しづらいって思っちゃうんですよね。だからよく分かってもいないのに「なるほど」と言って、知ったかぶりしてしまうんです。
取材後に分からなかった言葉を調べたり、別の人に質問したりして、ようやく理解できるんですが、それによって新たな疑問が湧いてくるというもったいないケースもしばしばです。とにかく、あらかじめ服に関する用語について、知っておくに越したことはないよな、と思うんです。
そろそろ服に関する知識を身につけませんか?
そんな悩みを抱えている人は編集部に限らず、服が好きな皆さんの中にもいらっしゃるのではないのでしょうか。雑談中の仲間や、接客してくれているお店のスタッフから、知らないワードが出てきても、ついつい話を合わせてしまう、みたいなことはありませんか? いつかちゃんと勉強したいとは思ってはいるけれど、なかなか重い腰をあげられないという人も少なくないはずです。そろそろ服に対する知識をしっかり身につけませんか?
そんな思いもあって、僕たちが作った「セカンド 5月号」では服に関する「いまさら人に質問できない知識」を集めました。ジャケットやシャツ、パンツなど、いわゆる普通のトラディショナルな服にまつわる用語や、繊維が生地になるまでの流れ、織りと編みの違いのような基本的なことから、番手やゲージのような聞いたことはあるけれど実際それが何を表しているか分からない「単位」のことまで。この一冊があれば、「あれ、なんだっけ?」は大抵解決できると思います。(実際自分もこの本を作ったおかげで、分からないことがかなりクリアになりました)
ただ、最後に付け加えておきたい大事なことですが、編集部としては、この本で得た知識を誰かに自慢してほしいというわけではありません。あくまで自分のなかに留めておくほうがクールだと思います。どこかで服を見た時に「そっか、これは20番手ぐらいだから〇〇だな」と、「服を見る目」をひっそり肥やしていくことで、もっと服選びが楽しくなるし、服に対する自分の好き嫌いがより明確になる。そちらのほうにこそ価値があると思います。「セカンド 5月号」が、そんな「服を見る目」を養うきっかけになれば幸いです。
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