
服も靴も流行はヴィンテージ。

昨今の古着ブームが関係しているのか、それとは別軸での流行なのか定かではないが、ヴィンテージモデルと呼ばれるスニーカーが多くのブランドから販売されている。その流れと同じくして自分で靴にエイジング加工を施すことも流行した。その結果、様々なエイジング方法が生み出されることとなる。なんと中にはエイジングをするための専用ペンまであるらしい。直接塗ることで、真っ白の新品だったものが、あたかも長年履き込んだスニーカーのように変身するという。
そこで、本当はヴィンテージスニーカーが履きたいのに「腰痛のため機能性重視の新品しか履けない」と嘆く編集部ナマタメが動いた。古着店や本の中で見た、あのヴィンテージスニーカーの再現に挑戦!
「かつてアイビーリーガーが履いていたスペリーのキャンバスオックスフォードを再現したい。」
エイジング後

エイジング前

ツール










1.マスキングテープを貼る。

ソールをエイジングペンで塗る前に、キャンバス地に色がつかないようにマスキングテープを貼ろう。こうすることで端まできれいに塗ることができる。
2.エイジングペンで塗る。

ソール全体をエイジングペンで塗っていく。塗り終わったら除光液を使って濃さの調整をするので思い切って隅々までしっかり塗ることがポイント。
3.接着剤の染み跡を描く。

白いキャンバススニーカーのデッドストックによく見られる、ソールとアッパーをとめる接着剤が染み出た跡を再現。こちらも除光液で後から調整をする。
4.コットンでペンの線を馴染ませる。

ペンで書いただけでは不自然なので、除光液を染み込ませたコットンでペンの線を馴染ませていく。除光液が多いとペンの線が染み込んでしまうので注意。
5.ハトメを外す。

既存のハトメを外し、用意したハトメをヴィンテージに近い白に。スプレーだけでは塗料が定着しづらいので紙やすりで削ってから塗る。プライマーがあればなお良い。
6.塗装したハトメを打つ。

塗料を十分に乾かしてから打ち具とカナヅチを使って丁寧にハトメを打っていく。小さいハトメを打つ際、打ち具も小さいので誤って手を打たないように注意したい。
「 古着店で見かけ、欲しくても買えなかったサッカニーのシャドウを再現したい。」
エイジング後

エイジング前

ツール







1.マスキングテープを貼る。

ソールにエイジングペンを使う前にマスキングテープを貼ろう。ネイビーのアッパーだからって油断は禁物、面倒くさがらずにしっかり貼ること。
2.エイジングペンで塗る。

ソールをエイジングペンで塗っていく。色を塗る前にソール全体を紙やすりをかけることで色のノリが良くなる。ムラがないように濃いめに塗っていこう。
3.除光液で調整する。

コットンに除光液をつけてソールの塗料を調整。除光液が多すぎると染みてしまうのであくまで適量で。納得がいくまでペンで色を塗り、除光液で調整しよう。
4.擦れ跡を描く。

縫い目やつま先など擦れるところにエイジングペンで塗料を塗っていく。ペンで塗るだけだと不自然なので塗った後にコットンで擦って馴染ませよう。
5.ペンでエイジング加工する。

ヒール部分のメッシュ、サッカニーのアイコンであるサイドのリフレクターにもペンでエイジング加工を施す。ここまで来るとだいぶ良い雰囲気に。あともうひと息!
6.生成りのシューレースに替える。

ネイビーの靴紐も良いが、コットン100%の生成りのシューレースに替えてみる。レトロな風合いの靴紐に換装するだけで雰囲気がヴィンテージにグッと近づくのだ。
洗うこともエイジングだって気がついた。

“エイジング=汚す”なんて思っていたがそれは違った。汚れを落とす「洗う」という過程においても知らぬうちにエイジング加工は行われている。
サッカニーのシャドウ

ソールは多少の塗料を残し、ほぼ落ちた。擦れをイメージしたつま先や縫い目の塗料は水を通すことによってスウェードに馴染み、ペンで加工したとは思えないほどリアルに。
スペリーのキャンバスオックスフォード

強く擦ったりはしていないが、ソール部はかなり白い。アッパーの塗料は多少薄くはなったが、よく見ないと気づかない程度。コットン特有のアタリがよりヴィンテージ感を生む。
リーボックのクラブC85

アッパーが合皮のリーボックでもエイジング加工に挑戦。合皮は凹凸がないため塗料はのるが奥行きがないのが心配だったが、洗ったことで濃淡が出て意外とリアルなエイジング。
コンバースのオールスター

チャレンジしやすい価格帯のコンバース。アッパーに除光液のつけ過ぎたことで塗料がシミになってしまっていたが、洗ったことで緩和され、かなり履きやすく仕上がったと思う。
(出典/「2nd 2023年6月号 Vol.195」)
Photo/Satoshi Ohmura,Yoshika Amino,Ryota Yukitake Text/Yu Namatame
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