エイジングペンって知ってる!? あのヴィンテージスニーカーをエイジングで再現。

昨今の古着ブームも手伝ってか、スニーカーもヴィンテージが人気。なんと靴を汚すためのペンもあるらしい。そんな噂を聞きつけた編集部ナマタメがスニーカーのエイジング加工に挑戦!

「2nd編集部」ナマタメ|編集部きってのカスタム好き。大の古着マニアでクローゼットの中は9割が古着。休日はミシンを使って古着のカスタムを楽しんでいる

服も靴も流行はヴィンテージ。

昨今の古着ブームが関係しているのか、それとは別軸での流行なのか定かではないが、ヴィンテージモデルと呼ばれるスニーカーが多くのブランドから販売されている。その流れと同じくして自分で靴にエイジング加工を施すことも流行した。その結果、様々なエイジング方法が生み出されることとなる。なんと中にはエイジングをするための専用ペンまであるらしい。直接塗ることで、真っ白の新品だったものが、あたかも長年履き込んだスニーカーのように変身するという。

そこで、本当はヴィンテージスニーカーが履きたいのに「腰痛のため機能性重視の新品しか履けない」と嘆く編集部ナマタメが動いた。古着店や本の中で見た、あのヴィンテージスニーカーの再現に挑戦!

「かつてアイビーリーガーが履いていたスペリーのキャンバスオックスフォードを再現したい。」

エイジング後

エイジング前

ツール

ペンチ
カナヅチ
紙やすり
マスキングテープ
コットン
ハトメと打ち具
除光液

エイジングペン

1.マスキングテープを貼る。

ソールをエイジングペンで塗る前に、キャンバス地に色がつかないようにマスキングテープを貼ろう。こうすることで端まできれいに塗ることができる。

2.エイジングペンで塗る。

ソール全体をエイジングペンで塗っていく。塗り終わったら除光液を使って濃さの調整をするので思い切って隅々までしっかり塗ることがポイント。

3.接着剤の染み跡を描く。

白いキャンバススニーカーのデッドストックによく見られる、ソールとアッパーをとめる接着剤が染み出た跡を再現。こちらも除光液で後から調整をする。

4.コットンでペンの線を馴染ませる。

ペンで書いただけでは不自然なので、除光液を染み込ませたコットンでペンの線を馴染ませていく。除光液が多いとペンの線が染み込んでしまうので注意。

5.ハトメを外す。

既存のハトメを外し、用意したハトメをヴィンテージに近い白に。スプレーだけでは塗料が定着しづらいので紙やすりで削ってから塗る。プライマーがあればなお良い。

6.塗装したハトメを打つ。

塗料を十分に乾かしてから打ち具とカナヅチを使って丁寧にハトメを打っていく。小さいハトメを打つ際、打ち具も小さいので誤って手を打たないように注意したい。

「 古着店で見かけ、欲しくても買えなかったサッカニーのシャドウを再現したい。」

エイジング後

エイジング前

ツール

綿100%の靴紐
除光液
コットン

エイジングペン
マスキングテープ
紙やすり

1.マスキングテープを貼る。

ソールにエイジングペンを使う前にマスキングテープを貼ろう。ネイビーのアッパーだからって油断は禁物、面倒くさがらずにしっかり貼ること。

2.エイジングペンで塗る。

ソールをエイジングペンで塗っていく。色を塗る前にソール全体を紙やすりをかけることで色のノリが良くなる。ムラがないように濃いめに塗っていこう。

3.除光液で調整する。

コットンに除光液をつけてソールの塗料を調整。除光液が多すぎると染みてしまうのであくまで適量で。納得がいくまでペンで色を塗り、除光液で調整しよう。

4.擦れ跡を描く。

縫い目やつま先など擦れるところにエイジングペンで塗料を塗っていく。ペンで塗るだけだと不自然なので塗った後にコットンで擦って馴染ませよう。

5.ペンでエイジング加工する。

ヒール部分のメッシュ、サッカニーのアイコンであるサイドのリフレクターにもペンでエイジング加工を施す。ここまで来るとだいぶ良い雰囲気に。あともうひと息!

6.生成りのシューレースに替える。

ネイビーの靴紐も良いが、コットン100%の生成りのシューレースに替えてみる。レトロな風合いの靴紐に換装するだけで雰囲気がヴィンテージにグッと近づくのだ。

洗うこともエイジングだって気がついた。

“エイジング=汚す”なんて思っていたがそれは違った。汚れを落とす「洗う」という過程においても知らぬうちにエイジング加工は行われている。

サッカニーのシャドウ

ソールは多少の塗料を残し、ほぼ落ちた。擦れをイメージしたつま先や縫い目の塗料は水を通すことによってスウェードに馴染み、ペンで加工したとは思えないほどリアルに。

スペリーのキャンバスオックスフォード

強く擦ったりはしていないが、ソール部はかなり白い。アッパーの塗料は多少薄くはなったが、よく見ないと気づかない程度。コットン特有のアタリがよりヴィンテージ感を生む。

リーボックのクラブC85

アッパーが合皮のリーボックでもエイジング加工に挑戦。合皮は凹凸がないため塗料はのるが奥行きがないのが心配だったが、洗ったことで濃淡が出て意外とリアルなエイジング。

コンバースのオールスター

チャレンジしやすい価格帯のコンバース。アッパーに除光液のつけ過ぎたことで塗料がシミになってしまっていたが、洗ったことで緩和され、かなり履きやすく仕上がったと思う。

(出典/「2nd 2023年6月号 Vol.195」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

革ジャンの新機軸がここに。アメリカンでありながら細身でスタイリッシュな「FountainHead Leather」

  • 2025.10.31

群雄割拠の革ジャン業界において、カルト的な人気を誇り、独自のスタイルを貫くファウンテンヘッドレザー。アメリカンヘリテージをベースとしながらも、細身でスタイリッシュ、現代的な佇まいを見せる彼らのレザージャケットは、どこのカテゴリーにも属さない、まさに“唯我独尊”の存在感を放っている。 XI|シンプルな...

「BILTBUCK」の2025年は新素材によって既存モデルを再解釈した革ジャンに注目だ!

  • 2025.11.03

伝統と革新を往来しながら、レザーの魅力を追求するビルトバック。2025年のコレクションは、オリジナルレシピで仕立てた渾身の新素材によって既存モデルを再解釈。質感と経年変化、レザーの本質的な美学を磨き上げ、洒脱な大人たち〈Hep Cats & High Rollers〉へ贈る、進化であり深化の...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

宮城県大崎市の名セレクトショップ「ウルフパック」が選ぶ「FINE CREEK」の銘品革ジャン4選。

  • 2025.10.31

宮城県大崎市に、ファインクリークを愛してやまない男がいる。男の名は齊藤勝良。東北にその名を轟かす名セレクトショップ、ウルフパックのオーナーだ。ファインクリーク愛が高じて、ショップの2階をレザー専用フロアにしてしまったほど。齊藤さんが愛する、ファインクリークの銘品を見ていくことにしよう。 FINE C...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...

Pick Up おすすめ記事

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

宮城県大崎市の名セレクトショップ「ウルフパック」が選ぶ「FINE CREEK」の銘品革ジャン4選。

  • 2025.10.31

宮城県大崎市に、ファインクリークを愛してやまない男がいる。男の名は齊藤勝良。東北にその名を轟かす名セレクトショップ、ウルフパックのオーナーだ。ファインクリーク愛が高じて、ショップの2階をレザー専用フロアにしてしまったほど。齊藤さんが愛する、ファインクリークの銘品を見ていくことにしよう。 FINE C...

生きたレザーの表情を活かす。これまでになかった唯一無二の革ジャン、「ストラム」の流儀。

  • 2025.10.30

生きたレザーの質感にフォーカスし、“バーニングダイ”をはじめとする唯一無二のレザースタイルを提案するストラム。我流を貫き、その意思を思うがままにかき鳴らすことで、オリジナリティを磨き上げる孤高のレザーブランドだ。デザイナー桑原和生がレザーで表現するストラムのモノ作りの哲学、彼が革ジャンを通して描き出...

渋谷、銀座に続き、ブーツの聖地「スタンプタウン」が東北初の仙台にオープン!

  • 2025.10.30

時代を超えて銘品として愛されてきた堅牢なアメリカンワークブーツが一堂に会するブーツ専門店、スタンプタウンが宮城県仙台市に2025年9月20日オープン! 東北初となる仙台店は北のワークブーツ好きたちにとって待望の出店となった。 珠玉の銘品たちがココに揃う。 ブーツファンが待ち焦がれた東北エリア初となる...