2ページ目 - この春、話題の革靴10足。2nd編集部が厳選して紹介!

6スウェードとボックスカーフに旅のインスピレーションを巡らせて。

1946年に誕生した[シグニチャーローファー #180]は、まさにジェイエムウエストンのシグニチャーと呼ぶべきモデル。日本語にすると「名物」「自慢の」「カッコいい」「ユニーク」といった意味合いがある言葉、シグニチャー。今季は、その意味合いがさらに進化を遂げるような事件的コレクションが誕生している。

そんな喜ばしい事件とは、各所のステッチがエクリュカラーになっていること。通常はアッパーと同色で溶け込んでいるはずのステッチが、今作においてはエクリュの衝撃を巻き起こしている。それはすなわち、押し寄せる洗練の波……。エプロンを走るステッチが波頭のようでもあり、その上を飛翔するカモメ型のサドルと詩的に交流する。

世界中の誰もが自由に旅できなかった時期を超えたいま、旅の豊かさを着想の源にしながら、今作では海辺の夜明けをイメージしたという。各137500/ジェイエムウエストン(ジェイエムウエストン 青山店 TEL03-6805-1691)

7ローファー? デッキシューズ? いいえ、これが[コルス]なんです!

パンツ3万3000円/ナイジェル・ケーボン(アウターリミッツ TEL03-5413-6957)、 ソックス1980円/モクティ(ユナイト ナイン TEL03-5464-9976)

パラブーツと言えば、仏海軍からお墨付きを頂戴しているデッキシューズも名作として名高い。今作の履き口周りにもデッキシューズを思わせるレザーレースがぐるりとあしらわれているが、不思議な違和感がある。甲にあるはずの羽根とシューレースが取り払われているのだ。

その代わりにローファーでお馴染みのビーフロールを配置。しかしながら、サドル(ローファーの甲部分に被せられる革)は見当たらない。すなわち、ローファーとデッキシューズの足し引きバランスに長けた絶妙なデザイン。そんな今作[コルス]は、10年ほど前にインターナショナルギャラリー ビームスがパラブーツに型別注したものを今季、待望の復刻。

余談だが、この渋い革色は「アメリカ」と命名されている。5月下旬入荷予定。靴39600/インターナショナルギャラリー ビームス×パラブーツ(インターナショナルギャラリー ビームス TEL03-3470-3948)

8素材とカラーのバリエーションが豊富で圧倒的なコストパフォーマンスのワラビー。

ワラビーと呼ばれる英国発祥の靴は、1934年にアイルランドで創業したあるシューズファクトリーが、1967年にイングランドのある靴会社にハンドステッチの画期的なフルモカシンシューズを提案したことが契機となって誕生した。残念ながら今日では、そのアイルランドの歴史的な工場は閉鎖している。

そこで、ロイドフットウェアはアイルランドモカシン=ワラビーを再現するべく研究を重ねた。分厚い生クレープソールなどのディテールにこだわり、ライニングレザーの装着で型崩れしにくくして、フィッティングのバランスも改善。本当に履きやすいワラビーの開発に成功したのが今作だ。

英国で生まれたカジュアルシューズの伝統を守りながら、すなわちデザイン性と技術を重視しながらスペインのワラビー専門工場にて製造する。表革2色、スウェード4色。合計6色というバリエーションの豊富さとコスパの高さがうれしい。各17600/ロイドフットウェア(ロイドフットウェア銀座 TEL03-3561-8047)

9日本人の感性を全開にして味わっていきたい特別なチャッカ。

コトカは、奈良の革靴メーカー7社の共同開発によるブランド。奈良は日本でも有数の革靴産地である。素材を生かす日本料理のように、あるいは簡素さに美を込める日本建築のように……

「日本ならではの感性から生まれてくる新しい革靴」を標榜している。[吉野チャッカ]と命名された今作には、たつの蝋引きレザーを使用。鎌倉時代から革をつくってきたという兵庫県たつの市のタンナーにより、タンニン仕上げされ、蝋(ワックス)を染み込まされ、揉み加工されるなど、手間をかけて生み出されたレザーだ。他のどんな革よりもたっぷりと蝋分を含んでいるという。

艶やかで、水に強く、靴を履いていないときはやや硬く、履くとすぐに体温で柔らかく足に馴染む。この豊かな風合いのレザーをライニングなしの1枚革で使用し、柔らか い履き心地を創出。経年変化で表情を深めていく様子も味わえる。33000/コトカ(コトカ https://nara-shoes.jp)

10「製造者たち」を意味するマニュファクチャーズからの新提案。

このブランドは、1919年創業の世界長と1952年創業のユニオン・ロイヤルが合併して2010年に設立された世界長ユニオンというシューズメーカーからの発信。1960年にイタリアのマレリー社と技術提携してマッケイ製法の技を磨いたユニオン・ロイヤルは、70年代にはイタリアの国際製靴技術コンクールで最高賞を受賞するなどの実績を誇ってきた。

当時の熟練職人たちが引退を迎えるにあたり、平均年齢40歳前後の現役職人約10名が技術継承を重要な課題ととらえ、2020年秋に自発的にマニュファクチャーズというブランドを始めた。

今季、そのマニュファクチャーズから新たに始動したのが、マニュファクチャーズ スタンダード。「靴職人の日常靴」をメインコンセプトに、アメリカンカジュアルを意識したデザインが登場する。99000/マニュファクチャーズ スタンダード(トレーディングポスト ラギットストア渋谷店 TEL03-3407-0689)

セカンド20235月号にはもっとたくさんのアイテムが載っているので併せて読むとさらに革靴愛が刺激されるはず。ぜひチェックしてみて。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 20235月号 Vol.194」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

Pick Up おすすめ記事

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...