2ページ目 - この春、話題の革靴10足。2nd編集部が厳選して紹介!

  • 2023.05.23

6スウェードとボックスカーフに旅のインスピレーションを巡らせて。

1946年に誕生した[シグニチャーローファー #180]は、まさにジェイエムウエストンのシグニチャーと呼ぶべきモデル。日本語にすると「名物」「自慢の」「カッコいい」「ユニーク」といった意味合いがある言葉、シグニチャー。今季は、その意味合いがさらに進化を遂げるような事件的コレクションが誕生している。

そんな喜ばしい事件とは、各所のステッチがエクリュカラーになっていること。通常はアッパーと同色で溶け込んでいるはずのステッチが、今作においてはエクリュの衝撃を巻き起こしている。それはすなわち、押し寄せる洗練の波……。エプロンを走るステッチが波頭のようでもあり、その上を飛翔するカモメ型のサドルと詩的に交流する。

世界中の誰もが自由に旅できなかった時期を超えたいま、旅の豊かさを着想の源にしながら、今作では海辺の夜明けをイメージしたという。各137500/ジェイエムウエストン(ジェイエムウエストン 青山店 TEL03-6805-1691)

7ローファー? デッキシューズ? いいえ、これが[コルス]なんです!

パンツ3万3000円/ナイジェル・ケーボン(アウターリミッツ TEL03-5413-6957)、 ソックス1980円/モクティ(ユナイト ナイン TEL03-5464-9976)

パラブーツと言えば、仏海軍からお墨付きを頂戴しているデッキシューズも名作として名高い。今作の履き口周りにもデッキシューズを思わせるレザーレースがぐるりとあしらわれているが、不思議な違和感がある。甲にあるはずの羽根とシューレースが取り払われているのだ。

その代わりにローファーでお馴染みのビーフロールを配置。しかしながら、サドル(ローファーの甲部分に被せられる革)は見当たらない。すなわち、ローファーとデッキシューズの足し引きバランスに長けた絶妙なデザイン。そんな今作[コルス]は、10年ほど前にインターナショナルギャラリー ビームスがパラブーツに型別注したものを今季、待望の復刻。

余談だが、この渋い革色は「アメリカ」と命名されている。5月下旬入荷予定。靴39600/インターナショナルギャラリー ビームス×パラブーツ(インターナショナルギャラリー ビームス TEL03-3470-3948)

8素材とカラーのバリエーションが豊富で圧倒的なコストパフォーマンスのワラビー。

ワラビーと呼ばれる英国発祥の靴は、1934年にアイルランドで創業したあるシューズファクトリーが、1967年にイングランドのある靴会社にハンドステッチの画期的なフルモカシンシューズを提案したことが契機となって誕生した。残念ながら今日では、そのアイルランドの歴史的な工場は閉鎖している。

そこで、ロイドフットウェアはアイルランドモカシン=ワラビーを再現するべく研究を重ねた。分厚い生クレープソールなどのディテールにこだわり、ライニングレザーの装着で型崩れしにくくして、フィッティングのバランスも改善。本当に履きやすいワラビーの開発に成功したのが今作だ。

英国で生まれたカジュアルシューズの伝統を守りながら、すなわちデザイン性と技術を重視しながらスペインのワラビー専門工場にて製造する。表革2色、スウェード4色。合計6色というバリエーションの豊富さとコスパの高さがうれしい。各17600/ロイドフットウェア(ロイドフットウェア銀座 TEL03-3561-8047)

9日本人の感性を全開にして味わっていきたい特別なチャッカ。

コトカは、奈良の革靴メーカー7社の共同開発によるブランド。奈良は日本でも有数の革靴産地である。素材を生かす日本料理のように、あるいは簡素さに美を込める日本建築のように……

「日本ならではの感性から生まれてくる新しい革靴」を標榜している。[吉野チャッカ]と命名された今作には、たつの蝋引きレザーを使用。鎌倉時代から革をつくってきたという兵庫県たつの市のタンナーにより、タンニン仕上げされ、蝋(ワックス)を染み込まされ、揉み加工されるなど、手間をかけて生み出されたレザーだ。他のどんな革よりもたっぷりと蝋分を含んでいるという。

艶やかで、水に強く、靴を履いていないときはやや硬く、履くとすぐに体温で柔らかく足に馴染む。この豊かな風合いのレザーをライニングなしの1枚革で使用し、柔らか い履き心地を創出。経年変化で表情を深めていく様子も味わえる。33000/コトカ(コトカ https://nara-shoes.jp)

10「製造者たち」を意味するマニュファクチャーズからの新提案。

このブランドは、1919年創業の世界長と1952年創業のユニオン・ロイヤルが合併して2010年に設立された世界長ユニオンというシューズメーカーからの発信。1960年にイタリアのマレリー社と技術提携してマッケイ製法の技を磨いたユニオン・ロイヤルは、70年代にはイタリアの国際製靴技術コンクールで最高賞を受賞するなどの実績を誇ってきた。

当時の熟練職人たちが引退を迎えるにあたり、平均年齢40歳前後の現役職人約10名が技術継承を重要な課題ととらえ、2020年秋に自発的にマニュファクチャーズというブランドを始めた。

今季、そのマニュファクチャーズから新たに始動したのが、マニュファクチャーズ スタンダード。「靴職人の日常靴」をメインコンセプトに、アメリカンカジュアルを意識したデザインが登場する。99000/マニュファクチャーズ スタンダード(トレーディングポスト ラギットストア渋谷店 TEL03-3407-0689)

セカンド20235月号にはもっとたくさんのアイテムが載っているので併せて読むとさらに革靴愛が刺激されるはず。ぜひチェックしてみて。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 20235月号 Vol.194」)

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