日本製となって復活! 世界が注目するレジェンド眼鏡「マックスピティオン」。

ここ数カ月のあいだに、「伝説」と称されていたアイウエアブランドが相次いで復活。ヴィンテージ好きから熱烈な支持を集めるフランスの「マックスピティオン」は、この春2度目の復活! 日本製かつオリジナルを忠実に再現したクオリティの高さに業界に衝撃を走らせている。

メガネの歴史に名を残すこの復活劇を見逃すな。

1948 Archive POLITICIAN|1948年製の定番モデル[ポリティシャン]。このモデルが登場したのがまさに40年代後半のため、最初期の一本と言える。ヒンジなどに錆が見られるものの、この状態で残っていることこそ品質の良さを物語る
New Model POLITICIAN|新生マックスピティオンを代表するモデル、[ポリティシャン]。前貢の同モデルアーカイブと比べても分かるとおり、かなり忠実な復刻を遂げている。金具は真鍮に、生地はタキロン社のアセテートに変更

1921年、櫛の産地としても有名な町、フランス・オヨナで生まれたマックスピティオン。例に漏れず当初はセルロイドなどを使った女性用の櫛を製造するところからスタートしたこのブランドも、1940年代にはその技術と素材を転用して、メガネの製造を始める。独特な極太フレームでミステリアスな魅力を放っていた同ブランドの名は瞬く間に国境を越え、世界へと知れ渡っていくことに。

しかし、創業者であったマックス・ピティオン氏が1981年に業界を引退。ブランドはその歩みを止めたかのように思われたが、ヴィンテージ好きから根強い人気を獲得していたこともあり2013年に一度待望の復活を果たす。だがこれも5年ほど継続したのちに生産を終了。

多くのファンが肩を落としていた矢先、再復活のアナウンスが突如轟いたのである。発起人は、ジュリアスの名を冠してタートオプティカルを復活させたことでも知られるタミー・オガラ氏。ヒストリーからアーカイブまで、すべての版権を創業者の息子であるバーナード氏から譲り受け、満を持しての再出発。

鯖江産のメガネとしてアップデートを遂げつつも、オリジナルを忠実に再現したそのクオリティの高さに、先に行われた展示会でメガネ業界に衝撃を与えた最注目ブランドだ。2月11日より一部セレクトショップで販売をスタートする。

「マックスピティオン」とは? 簡単に解説!

櫛の生産で有名な「オヨナ」で誕生。

Oyonnaxと書いて、和文では「オヨナ」と呼ぶ、フレンチアルプス付近の自然豊かな小さな町。ここでマックスピティオンは誕生した。樹脂産業が盛んなオヨナは、櫛の名産地とされており、メガネづくりの聖地・ジュラ地方からもほど近い。

創業者、マックス・ピティオン。

1921年、仏・ジュラ地方にあるオヨナで生まれたマックス・ピティオン。父であるエミールは1920年代に櫛の生産を、1940年代にセルロイドメガネの製造をはじめる。マックスは1945年から工場で働きはじめ、ビジネスを拡大していった。

休暇を楽しむマックス親子

シルモの創設メンバーに。

1967年にオヨナ地方ではじまり、現在に至るまでパリで毎年秋に開催されてい るメガネの国際見本市「シルモ」。世界最大級の規模を誇るこのイベントの、なにをかくそう創設メンバーのひとりが、マックス・ピティオン氏だったのだ。

名女優ラナ・ターナーも愛用していたんだとか

復活させたのはザ・ライトのタミー・オガラ。

ザ・ライトのタミー・オガラさんは、ジュリアスタートオプティカル復活の立役者でもあり、ネイティブサンズなどのオリジナルブランドも手がける、いまの日本のメガネ界における最重要人物。全版権を買い取り、満を持して本ブランドをスタート。

タミー・オガラ|ジュリアスタートオプティカルやネイティブサンズなどを手がける日本メガネ界の第一人者。鯖江に自社工場を持つ
バーナード・ピティオン|87歳で故郷オヨナにて息をひきとった創業者マックス・ピティオンの意志を継ぐのが、息子であるバーナードだ

世界一のクオリティを保証するメイド・イン・鯖江。

タミーさんが代表を務めるザ・ライトは、世界的なメガネの聖地・福井県鯖江市に2棟の自社工場を持つ。もちろんマックスピティオンが製造されているのもここ。特にガラ入れを得意とするこの工場で、何度も丁寧に磨き上げたフレームは見れば見るほど絶品だ。

ガラ入れには自信アリ!

H2:1stコレクションはスペシャルパッケージで! 「ポリティシャン」以外のモデルもチェック。

販売がスタートしたばかりの1stコレクションにのみ特別仕様のケースが付属。今後も2nd、3rdとコレクションは続いていくだろうが、この試みは今回だけだ。

上)CROWN PANTO

新生マックスピティオンらしいなめらかなエッジと、直線的なクラウン部分のコントラストが美しい。一層厚めのフレームもいまの気分にマッチ。7万400円

中)PANTO

日本ではボストンと呼ばれる、シンプルなパントシェイプも、特有の丸みと肉厚さでしっかりと存在感を放つ。ほかのモデルと比較しても、スタイルを選ばない一本。7万400円

下)WELLINGTON

長らく愛され続ける定番シェイプのウェリントン。アメリカや英国の印象が強いこのフレームも、フロント上部の傾斜や造形美からはフランス的な色気すら感じる。7万400円

【問い合わせ】
プライベートアイズアンドトラッカーズ
TEL070-1577-2666

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年4月号 Vol.193」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

Pick Up おすすめ記事

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4人が集結! EDWINと考えるトラッド学

  • 2026.09.15

本誌でも何度も紹介してきたEDWINのコンセプトショップ限定アイテムは、普遍的なデザインとそのクオリティの高さから2ndが理想とするトラッドスタイルともばっちりハマる。今回は初の試みとして、2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4名で“EDWINで作るトラッド”を考えてみた。 20代らしくアクティ...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。