128年の歴史を物語るバブアー本社秘蔵アーカイブを大公開!

  • 2023.03.18

英国の名門ブランド、バブアーの栄えある歴史を知るため、数多くの資料が眠る本社アーカイブルームから、とりわけ貴重なプロダクツを厳選して紹介。当時のカタログを元にした確かな情報は愛好家なら知っておきたいもの。雑誌「2nd」20231月号にはさらにたくさんの名作が掲載されているので、こちらもぜひチェックしてほしい。

Findlay Cape1910年

バブアーが保有するアーカイブのなかでも最初期のひとつ。袖はなくマントのように身体を包み込む外套のような形状で、生地は防水性のあるライトオンスのシルコイルワックスコットンを使用。

当時の資料によるとドライブや釣り、乗馬、射撃、ウォーキングやゴルフなど、様々な用途のために開発されたことがわかる。内側には前身頃で交差するストラップが施され、天候が良いときは、肩から背負って携行できるようなデザインになっている。

Haydon Jacket1911年

フライフィッシング時や荒天時に便利な軽量の防水ジャケットとして開発された[ヘイドンジャケット]は、オイルスキンコットンを使用した最初期のモデルとして名高い。生地は二重にすることで表面をドライタッチに、快適性をもたらす類まれなギミックを持つ。

ベルベット素材の襟や立体的な袖のパターン、フラップ裏にあるポケット口の両側には補強用のレザーが縫い付けられるなど、テーラリング文化の英国らしい、丁寧な作りに感服。

Beacon Thornproof Riding Coat1930年

「ソーンプルーフ」と名付けられた、防水かつ破けにくいタフなオイルドクロスは、その後のバブアーの名声を確固たるものにした、あまりにも大きな発明。その生地を初めて採用したのは、1930年発表のシングルブレストタイプと、この前開きが3重になったストームフライタイプの2モデルだった。

裾のばたつきを抑える内側のサドルストラップから乗馬用と判断できる。当時はまだ交通手段のひとつであった乗馬だけに、レジャーのみならず日常生活にもバブアーが浸透。36年間にわたって作り続けられたロングセラーアイテムだった。

Barbour Touring Coat1953年

自動車よりもバイクが主流だった1950年代。富裕層の間で流行していたバイクツーリング用に開発されたモデル。長時間の運転でもストレスが少ないように、股間を補強する通称タミーパッドや走行時に裾がばたつかないようにする足に巻きつけるストラップ、左胸に斜めに付けられた大きなマップポケットなどの意匠が施されている。

当時のバイク専門誌「Power and Pedal」では、バイクウエアのロールスロイスとの高評価を獲得するほどだった。

Gamefair Jacket1980年

現在も続く、英国カントリースポーツメーカーの大規模見本市「ゲームフェア」。その栄えある第1回の会場にて、若き4代目ジョン・バブアーが発表した快作。「トロピカルソーンプルーフ」と当時銘打たれた軽量 かつ柔軟性に富んだオイルクロスは、後の大名作[ボーダー][ビューフォート]へと受け継がれた。

Durham Jacket198X年

1980 年代に入り、英国カントリースポーツにいま一度目を向けた4代目ジョンは、前出の[ゲームフェア・ジャケット]と同様のライトウエイトオイルドコットンを採用した別モデルを発表。水はけをよくするための肩先から飛び出た独自のヨークデザインや一体型となったフードなど、特徴的なディテールを数多く備えた個性派。

(出典/「2nd 20231月号 Vol.190」)

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