128年の歴史を物語るバブアー本社秘蔵アーカイブを大公開!

英国の名門ブランド、バブアーの栄えある歴史を知るため、数多くの資料が眠る本社アーカイブルームから、とりわけ貴重なプロダクツを厳選して紹介。当時のカタログを元にした確かな情報は愛好家なら知っておきたいもの。雑誌「2nd」20231月号にはさらにたくさんの名作が掲載されているので、こちらもぜひチェックしてほしい。

Findlay Cape1910年

バブアーが保有するアーカイブのなかでも最初期のひとつ。袖はなくマントのように身体を包み込む外套のような形状で、生地は防水性のあるライトオンスのシルコイルワックスコットンを使用。

当時の資料によるとドライブや釣り、乗馬、射撃、ウォーキングやゴルフなど、様々な用途のために開発されたことがわかる。内側には前身頃で交差するストラップが施され、天候が良いときは、肩から背負って携行できるようなデザインになっている。

Haydon Jacket1911年

フライフィッシング時や荒天時に便利な軽量の防水ジャケットとして開発された[ヘイドンジャケット]は、オイルスキンコットンを使用した最初期のモデルとして名高い。生地は二重にすることで表面をドライタッチに、快適性をもたらす類まれなギミックを持つ。

ベルベット素材の襟や立体的な袖のパターン、フラップ裏にあるポケット口の両側には補強用のレザーが縫い付けられるなど、テーラリング文化の英国らしい、丁寧な作りに感服。

Beacon Thornproof Riding Coat1930年

「ソーンプルーフ」と名付けられた、防水かつ破けにくいタフなオイルドクロスは、その後のバブアーの名声を確固たるものにした、あまりにも大きな発明。その生地を初めて採用したのは、1930年発表のシングルブレストタイプと、この前開きが3重になったストームフライタイプの2モデルだった。

裾のばたつきを抑える内側のサドルストラップから乗馬用と判断できる。当時はまだ交通手段のひとつであった乗馬だけに、レジャーのみならず日常生活にもバブアーが浸透。36年間にわたって作り続けられたロングセラーアイテムだった。

Barbour Touring Coat1953年

自動車よりもバイクが主流だった1950年代。富裕層の間で流行していたバイクツーリング用に開発されたモデル。長時間の運転でもストレスが少ないように、股間を補強する通称タミーパッドや走行時に裾がばたつかないようにする足に巻きつけるストラップ、左胸に斜めに付けられた大きなマップポケットなどの意匠が施されている。

当時のバイク専門誌「Power and Pedal」では、バイクウエアのロールスロイスとの高評価を獲得するほどだった。

Gamefair Jacket1980年

現在も続く、英国カントリースポーツメーカーの大規模見本市「ゲームフェア」。その栄えある第1回の会場にて、若き4代目ジョン・バブアーが発表した快作。「トロピカルソーンプルーフ」と当時銘打たれた軽量 かつ柔軟性に富んだオイルクロスは、後の大名作[ボーダー][ビューフォート]へと受け継がれた。

Durham Jacket198X年

1980 年代に入り、英国カントリースポーツにいま一度目を向けた4代目ジョンは、前出の[ゲームフェア・ジャケット]と同様のライトウエイトオイルドコットンを採用した別モデルを発表。水はけをよくするための肩先から飛び出た独自のヨークデザインや一体型となったフードなど、特徴的なディテールを数多く備えた個性派。

(出典/「2nd 20231月号 Vol.190」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

Pick Up おすすめ記事

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...