興奮ぎみに話す本江さんが手にしているのは、フランス西部のトゥルランドリーで1889年に創業したという老舗ブランドに別注したモデル。
「ジョセフマランジュには130年以上の歴史があって、現当主が4代目。すごいブランドなのに、いままで日本では知られざる存在でしたね。[ジャボ]は、このブランドが誇るフラッグシップモデル。ノルウィージャンウエルトと袋ベロを備えた堅牢なカントリーシューズです。その波形のウエルトをストレートの形状に別注してスッキリと見せながら、ダブルレザーだったソールはフランス軍の特殊部隊で使われているものに変更してみました!」
ジョセフマランジュ × P t .アルフレッド
ハトメは4穴から5穴に、インソールと同色のライニングは黒に。木型の存在感を尊重しながら、ウエルトやソールも含めて大胆に別注。アッパーはデュプイのボックスカーフ。7万5900円(Pt.アルフレッド TEL03-3477-7952)
HISTORY
現当主の曾祖父がクロッグの製作で創業。祖父が乗馬靴の生産をスタートさせて、さらにはハンドソーンのビスポーク靴の職人となる。父の代になってから既成靴も始めたという。
FACTORY
近年では、仏の4大高級靴ブランドのひとつとされるコルテ(他にはベルルッティ、オーベルシー、ジェイエムウエストン)のグッドイヤー製法の既製靴もOEMで生産してきた。
ORIGINAL MODEL
丸みの強いラウンドトゥ、ノルウィージャンウエルト、水や埃の侵入を防ぐ袋ベロ。堅牢な印象ながら、デジェルマンのボックスカーフとダブルレザーソールで上品さも完備。
MATERIALS
こちらは名作[ジャボ]を構成する部材の一部。シャンクは木製、中底はコルク製といった具合に靴づくりの伝統に則した素材を用いて、130年以上の歴史がある工場で生産。
※情報は取材当時のものです。
(出典/「2nd 2022年11月号 Vol.188」)
Photo/Yuco Nakamura, Satoshi Ohmura Text/Tamaki Itakura, Kiyoto Kuniro
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