トラッド好きが愛用する、メイド・イン・ジャパンの名品。【Part2】

世界に轟くジャパンメイドのクオリティ。トラッドスタイルを愛する16人の洒落者が太鼓判を押す名品を4回にわたってご紹介。今回はファッションシーンの前線で活躍する4人の愛用するメイド・イン・ジャパンの、トラッドに欠かせないアイテムをピックアップしてお届け。

1.シックスストックのメリノウールTシャツ|会社員・佐藤惟吾さん

細さ17.5マイクロンのスーパーエクストラアフィンメリノウールを使用することで、ウール特有のチクチク感は少なく着心地良好。夏は速乾性があり涼しく、冬は外気を遮断し繊維に多くの空気を含むため暖かい。天然の機能素材として注目される。1万5400円(ノーデザイン https://www.chicstocks.com/)

ソックス専業として2017年に奈良県で誕生したシックストック。そのニッティング技術を活かして最近ではメリノウールのTシャツやボクサーパンツなども製造している。

「はじめはアウトドアブランドで探していたのですが、基本はベースレイヤーとして作られているのでシルエットがタイトだったりロゴなどのワンポイントが入ってしまうものも多くて、なかなか納得いくものが見つかりませんでした。

シックストックはあくまで街向き。シルエットにも余裕があり、縫製もきれいなので着用時のストレスが少ない。メリノウールは速乾性に優れるため、消臭効果も高く、夏にこそ快適ですね。コットンに比べて濃色がしっかり色出しできて、生地に光沢もあるので上品に見えるところも気に入っています」

会社員・佐藤惟吾さん|某アパレルブランドのバイヤーを経て、現在は地球環境などに配慮した次世代繊維を扱う会社で商品開発やバイイングなどを担当する。趣味はデザイナー椅子の収集

2.カスリのハオリジャケット|「ビームス」プレスチーフ・安武俊宏さん

日本の伝統技法とファッションを融合させたブランドより、国産リネンを使用した羽織り型JKT。フロントの紐部分をはじめとして、随所に施された重要無形文化財の「久留米絣(くるめがすり)」が放つイエローが、柔らかなベージュのボディに映える。リラクシンな着心地も◎。5万2800円(ビームス公式オンラインショップ www. beams.co.jp)

2020年より始動した「カスリ」は、福岡県の伝統技法である「久留米絣(くるめがすり)」を、ファッションを通して発信していくことを目的としたブランド。重要無形文化財にも認定されている久留米絣は、30以上にもわたる工程と緻密な手仕事による織物の技法だ。

「[ハオリ]というこのジ ャケットは、リラックス感がありながら通常よりも厚みのある国産リネンのガシッとした手触りが特徴です。なにより伝統技法である「久留米絣」の取り入れ方が秀逸。フロントの紐ふたつ、両脇のポケットのジップ部分など、あえて見えづらい部分にしか入っていない。色もベージュのボディに、同系色であるイエローの絣。言われなきゃ分からないこのさりげなさが、ファッション的かつ日本的で好きなんです」

「ビームス」プレスチーフ・安武俊宏さん|2005 年にビームスに入社。プレスチーフを務める傍ら、多数メディアへの出演や、書籍『BEAMS AT HOME』シリーズのディレクションもこなすなど、その業務は多岐にわたる

3.オールド ホームステッダーのソックス|「フィギュアインク」代表・早川雄介さん

3サイズ5色展開。コットン100%で肌触りが良く、ほどよい丈とシンプルなデザインは、クラシカルなスタイルからカジュアルスタイルまで、コーディネイトやシチュエーションを問わず活躍してくれる。各2200円(オールドジン グス [email protected]

半世紀以上も昔に作られたデッドストックのトランクスに見た仕立ての良いシャツのようなステッチワークや素朴で味わい深い生地、肌触りに感銘を受けたことがブランドの始まりとなったオールド ホームステッダー。アンダーウエアを軸とし、クラシカルで趣のあるアイテム展開に定評があるブランドだ。

早川さんがリアルに愛用しているのは、ここのソックス。「肌触りの良さ、フィット感からノンストレスで履けます。モチーフとなったのは1940年代に作られたソックス。ハリのあるコットンを使用し、縫い目がトゥの1箇所のみ。やや太めの筒状でしっかりとしたリブもずれ落ちにくい作りとなっています。スニーカーでも革靴でももはやこのソックス1択ですね」

「フィギュアインク」代表・早川雄介さん|アパレルショッププレス、PR会社を経て、現在は自身でブランドを預かるアタッシェド プレスの代表を務める。プレス業務のほか、ブランドのディレクションなども目指す

4.登山靴ゴローのゴロッパ|エディター・山下英介さん

軽快なガムライトソールはステッチダウン製法で底付けされており、交換しながら長年履ける。2万2000円 ※+3000円でサイズオーダー可能(ゴロー ☎︎03-3945-0855)

ヨーロッパのクラシックファッ ションをこよなく愛する、エディターの山下英介さん。取材や撮影で年に3~4回は海外出張をこなし、現地で洋服を買うことが多かった彼のライフスタイルは、コロナ禍によって大きく変わった。

「ストレス解消のために散歩を始めたのですが、その道すがらに見つけたのが千石の老舗登山靴店、ゴロー。山登りはしないまでも、街歩きに便利かなと思い購入したのが、この『ゴロッパ』です。22000円という価格も驚きでしたが、3000円を追加すれば左右サイズ違いでオーダーもできる。高価な外国製品に慣れきった自分にとっては衝撃でした」

その名の通り丈夫なスリッパをコンセプトにした気軽なデザインだが、革質やつくり込みの面においても海外製品に負けない完成度だと、山下さんは語る。「ぽってりとしたフォルムも魅力的ですが、長時間歩いても疲れない履き心地もすごい。工房にもお邪魔させてもらいましたが、正直なところほとんど儲けがないとか(笑)。日本製品の心意気を改めて実感させてくれた一足ですね」

エディター・山下英介さん| ヨーロッパのクラシックファッションをこよなく愛する、エディターの山下英介さん。取材や撮影で年に3~4回は海外出張をこなし、現地で洋服を買うことが多かった彼のライフスタイルは、コロナ禍によって大きく変わった

情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/2nd 20227月号 Vol.184)