1.ビームス プラス/バイヤー 金子茂さん
【ルール1】ダウンは原色でクラシックに。
シエラデザインズのインヨーパーカやミナレットパーカなどは、ビームス プラス別注でリリース。所有するヴィンテージの中でお気に入りは、ノースフェイスパーカとデナリエクスペディションパーカ。
「手放したものも多いですが、どれも毎年活躍しているものばかり。巷はブラックをはじめとするダークカラーがトレンドですが、ダウンといえば、当時ならではの目を惹く原色が好きです」
【ルール2】よりクラシックなアウターはウール素材のものがベター。
厳冬期のアウターとして、よりクラシカルなウールアウター。ナイロンシェルを使用したダウンアイテムとは異なり、ウールならではの温かみのある生地の風合い、見た目の温かさ、なによりもヘビーデューティな存在感など、魅力は尽きない。
「ウールコートを代表するフィルソンのマッキノークルーザーは、ヘビーな作りは大好物なのですが、2枚仕立てのダブルではなくシングルで充分暖かいので重宝しています」
【ルール3】足元はモカシンに限る!
ランコート、ラッセルモカシンなど、足入れのしやすさはもちろん、ヘビーに履き倒しても簡単にはへこたれない丈夫な革のもので、かつクラシックなスタイルのモカシンを複数所有。
「モカシンシューズには夏のイメージがありますが、それは間違いで、当時の人たちは森林でのワークシューズとして使用していたり、アウトドアシーンにおいて、ブーツではリラックスできない時に、脱ぎ履きしやすいスリッパ感覚で愛用しています」
2.ロフトマン/代表 木村真さん
【ルール1】クラシックな原色カラーはマストバイ!
高校生の頃にパタゴニアに夢中になり、以来30年以上も追い続けている木村さん。それだけに、年代によって異なる色彩にも注目している。
「例えば、同じ赤でもシーズンによって微妙に発色が違うんですよ。そのなかでも、意外とありそうでないのがクラシックな原色カラー。実は結構貴重なんですよ。それもあり、出たら即買いすることが多いです。特に僕は昔から発色のよいパープルが大好き。マンゴーは創始者のシュイナードが好きな色と公言するカラー。どちらも5年や10年サイクルくらいで登場していると思います」
【ルール2】「ヴィンテージは自分で買って育てる」が流儀。
パタゴニアは古着の価値も高まるなか、木村さんはヴィンテージを買うことはないとか。「古着は好きだけどパタゴニアは別。元々、シュイナードの企業哲学に共感して買い始めたから、なるべくリアルタイムで、その時代の理念が反映されたウエアを選ぶようにしています」。
常に今のパタゴニアに興味があるため、必然的に手に取るのは新作ばかり。「新品で買える現行モノも20年後や30年後は古着になるけど、そのなかでも各時代の価値観が見えるアイテムは、ヴィンテージとして残っていくのかなと。それが楽しみです」
【ルール3】今の気分で着るなら、 短丈&機能美ポケットのシェルジャケット。
30年以上も最新ウエアを買い続けているため、気がつけば所有するコレクションも膨大な数に。その豊富なアーカイブの中から、今の気分に合わせた一着を選ぶのが木村さんのパタゴニアの楽しみ方。
「今季は定番のマウンテン系とは少し違うコンセプトのアイテムが気になっていま す。そこで取り出してきたのが、90年代のウォーターアクティビティ系のアウター。短丈&機能美ポケットのシェルジャケットを、綺麗なシルエットのパンツに合わせたいですね。90年代のアメカジがトレンドというのもあるけど、個人的にも改めて新鮮な気分で楽しんでいます」
3.ナナミカ/ディレクター 野村剛司さん
【ルール1】ローテク×ハイテクのギャップを楽しむ。
オールドアウトドアと呼ばれるヴィンテージに精通しながらも、ロー テク×ハイテクを、ほどよくミックスさせたスタイルが印象的な野村さん。
「アウトドアものに限らず旧いものは好きですが、全身ヴィン テージでコーディネイトしてしまうとどうしても野暮ったくなってし まうので、一見クラシックな雰囲気であっても高機能素材のウエアな どをミックスしてコーディネイトのバランスをとっています」
【ルール2】カラーものこそ自身の原点である。
1970年代から、1990年代頃までに生産されたザ・ノース・フェイスのヴ ィンテージ。自身のコレクションのなかでもほんの一部ではあるが、新たなプロダクトを手掛けるにあたって、デザインや配色、ディテールなど、 次コレクションにおける重要なサンプルとなる。
「サンプルとして買ってい るものも多いですが、その年代の雰囲気が好きで個人的に買い集めていた ものも多いですし、いまでも定期的に愛用しているものがほとんどです」
◆
いかがだったでしょうか? 賢人たちのルールを参考に、自分なりのコーディネイトをぜひ楽しんでみてほしい。
(出典/「2nd 2022年1月号 Vol.178」)
Photo/Katsunori Suzuki, Hisanori Suzuki, Yuta Kono Text/Tamaki Itakura, Masatsugu Kuwabara
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