1.「THIRTY THREE(サーティースリー)」のレザースニーカー
国産ハンドメイドスニーカーブランド「スピングルムーヴ」で知られるスピングルカンパニーから2016年に誕生した「サーティースリー」。広島県府中市にある自社工場は、ゴムメーカーとして創業した時代から数えて約90年の歴史がある。ブランドネームは、工場が稼働した1933年に由来し、遥かなる時を超えて、未来へと歩み続ける意志を表している。
「美しい靴」をブランドコンセプトに掲げ、その哲学が余すところなく体現されたラインナップは、どれもが足入れする前に手に取ってじっくりと眺めたくなる仕上がり。アッパーには高級革靴の世界で定評あるイタリア・インカス社のカーフが使用されているものもあり、まさに「美しい靴」。職人が丹念な手仕事で色を入れていくフィニッシングが施され、もはや伝統ある工芸品のような面構えだ。
ドレスとスポーツの要素が混ざり合り、一歩先行くハイブリッドシューズへと見事に着地した「THIRTY THREE(サーティースリー)」のレザースニーカーはこの春見逃せないアイテムだ。
【問い合わせ】
サーティースリー
https://www.thirtythree33.com/
2.「MIS(エムアイエス)」のバッグ
レオナルド・ダ・ヴィンチは「単純であることは究極の洗練だ」と言い、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは「完璧とは付け加えるべきものがないということではなく、取り去るべきものがないということだ」と語った。物事の本質を捉えた彼らの言葉を濃縮すると、MIS(=メイク・イット・シンプルの略語)になる。それは、ロサンゼルスで2014年に生まれたバッグブランドの名前と重なる。
「MIS」で作られるバッグは、アメリカ国防総省が定めるミルスペックに準拠した生産体制を貫くファクトリーで屈強な魂が吹き込まれ、Made in U.S.A.の誇りとともにカリフォルニアから産地直送。余計なデザインが廃された、まさに“メイク・イット・シンプル”を体現。素材と作りの良さで勝負しており、ファブリック、バックル、ウェビングテープ、ファスナーなどのあらゆる素材がミルスペックに則していて頼もしい。こんなシンプルかつタフなバッグを携え、春の街に繰り出してみてはいかがだろうか?
【問い合わせ】
エムアイエス
https://miscalif.jp/
3.「PREBLIC(プレブリック)」のマネークリップ
「プレブリック」は、「一人ひとりのライフスタイルに合ったレザージャケット」をコンセプトに、2017年に始動したレザーブランド。東京・広尾にアトリエ兼ショップがあり、かの有名レザージャケットブランドのロンドン本店でパタンナーとして修行を積んできたオーナーが採寸からパターンの設計、裁断、縫製までを行い、ビスポークの1着を仕立てる。既製品やパターンオーダーも手掛け、革の悦楽を知る男たちに愛されているブランドだ。
そんな世界観を凝縮したかのようなアイテムがこちら。3点すべてが「トーマス」とネーミングされたマネークリップウォレットで、それぞれオモテ面に使われている素材が異なる。天然のクロコダイルレザーは、あえてセミマットな仕上げにし、使っていく間に風合いが増し、光沢が積み重なるように計算されている。そのほか、ホーウィン社のシェルコードバン、さらには1873年創業の老舗タンナーであるマシュア社のサドルプルアップレザーなど、使い込むほど味わい深くなり、この春財布を慎重したい人におすすめだ。
【問い合わせ】
プレブリック
https://www.preblic.jp/
4.「Good On(グッドオン)」のTシャツ
冬に蓄えた脂肪を燃焼すべく、春に向けてジム通いに余念がない大人もいるだろう。しかし、なかなかそうはいかない事情(欲望)を抱えた大人もいる……。そこで強い味方になってくれるのが、「グッドオン」のTシャツだ。いままたシンプルな無地Tシャツの人気が隆盛を迎えているが、1997年に誕生した「グッドオン」は大人世代に特におすすめしたい造りをしている。
「ショートスリーブヘビーラグランポケットTシャツ」に使用されている生地、シルエット、デザインの3つのすべてが実に頼もしい。まず、生地に9オンスのヘビージャージーを使うことで、乳首の透けや浮き上がりを防止。続いて、適度にゆとりのあるシルエットにより、ぽっこり出っ張った腹部をカバー。身幅に余裕をもたせた着丈は、すっきりめのバランスが絶妙だ。最後に胸に配したポケットで周囲の視線が腹部に向かうのをそらしてくれるという特典付き。ラグランスリーブなので動きやすいのも利点。どこまでも安心できるTシャツなのだ。
【問い合わせ】
グッドオン
https://www.good-on.com/
5.「COBMASTER(コブマスター)」のアウトドアバッグ
1971年に英国のロンドンで誕生してから、「A PAC IN LEISURE(遊びを詰めて出かけよう)」をテーマにキャンプギアやバックパックを展開するも、表舞台から姿を消したアウトドアブランド「COBMASTER」。一度聞いたら忘れ難い「コブマスター」というブランドネームは、母体となった企業名の「THE COBLES COMPANY LIMITED」から付けられたものだ。
近年復活を遂げ、この春夏シーズンには日常でもフェスでも活躍するポンチョなどアパレルの展開も始まり注目を集めているが、再始動を果たして以来人気アイテムとなっているのがバッグだ。
カーミットチェアなどキャンプで使用するイスの肘掛けに取り付けると飲み物ホルダーとしても機能するショルダーバッグのような、かゆいところに手が届きまくりのラインナップは必見。ここにピックアップしたのは、メインファブリックに420デニールのコーデュラナイロンを採用したクラシックシリーズ。オーセンティックな佇まいで、大人のヘビーデューティスタイルに寄り添ってくれること間違いない。
【問い合わせ】
コブマスター
https://cobmaster.shop/
6.「IUGEN(イウゲン)」のレザーシューズ
例えば、深い余情がある音色のことを「幽玄な調べ」と表現する。物事の趣きが奥深くて計り知れないことを指す「幽玄」は、文芸・絵画・芸能・建築など諸々の芸術領域における日本文化の基層となる理念のひとつだ。現代に生きる我々は「ゆうげん」と読むが、古語としての読み方は「いうげん」。2019年にMade in JAPANの靴ブランドとしてスタートした、その名も「イウゲン」は、そんな古くから日本人が大切にしてきた豊かな感受性に根ざしている。
その真骨頂ともいえるのが、ローファータイプのシューズ。スニーカーほどくだけてないが、内羽根や外羽根の紐靴ほど堅くない。その柔らかな存在感こそ、まさに「幽玄」を体現している。左上のモンクストラップ付きにはスウェード、右下のタッセル付きにはスコッチグレインレザー、その他の3足にはキップレザーを使っているが、どれもが厳選したイタリア産の素材だ。日本人の足がスマートにおさまるようにイチから起こしたスリッポン専用ラストを採用している。
こんなちょうどいい存在感の靴を探していた人も多いのでは? 重くなりすぎず軽くなりすぎない絶妙なローファータイプのシューズ、春の足元にぴったりだ。
【問い合わせ】
イウゲン
https://www.iugen.tokyo.jp/
7.「GLENFIELD(グレンフィールド)」のレザーアイテム
昨年10月、革製品の企画・製造・輸入・通信販売を行う「JALUX STYLE」が初の実店舗「グレンフィールド自由が丘」をオープンさせた。そこで様々なブランドと肩を並べる直営店限定レーベルとしてデビューしたのが店名にもなっている「グレンフィールド」なのだ。
素材、作りのクオリティともに最高のものを用意するラグジュアリーラインでありつつも、「手の届くラグジュアリー」をコンセプトにして無駄なコストを省き、高品質な革製品を驚きの価格で打ち出している。
写真は、1840年に創業した英国の老舗タンナーである「トーマスウェア&サンズ」のブライドルレザーを使用したシリーズ。同社は2018年に輸出に貢献した英国企業に贈られる英国女王賞(Queen’s Award for Export Achievement)を受賞しており、手綱をはじめとする馬具に使われてきたブライドルレザーは、英国文化の一翼を担ってきた素材として知られる。
そんな素材と日本の職人の手仕事によって誕生した「グレンフィールド」。語るべき物語のあるアイテムは、新たな門出に花を添えてくれるアイテムとしても注目したい。
【問い合わせ】
グレンフィールド 自由が丘
東京都目黒区自由が丘1‐8‐2 サウスゲートビル103
TEL 03-6821-3368
https://www.glenfield.co.jp/
8.「Marantz(マランツ)」のネットワークCDレシーバー
「マランツ」の設立は1953年。創業者のソウル・B・マランツはもともとインダストリアルデザイナーで、音楽愛好家でもあり、クラシックギターやチェロの演奏家でもあった。彼は自宅の居間で音楽を聴くために1940年製のフォード・マーキュリーからカーラジオを取り出し、ラジオ店で購入したパーツを組み合わせてプリアンプを自作。それをラジオ店の友人に見せると店頭でのデモを勧められ、結果として100台を製作して販売することになったのが歴史の原点だ。
1982年には世界初のCDプレーヤー[CD-63]を発売するなど、常に新時代を開拓してきた。今回紹介する[M-CR612]は、音楽を愛する人のための一番小さなモデル。2008年から続くM-CRシリーズの第5世代として現代のオールインワン・ミュージックシステムにとって最も重要なネットワーク機能が大幅に強化され、多様な音楽再生においてマランツクオリティを実現。それ自身がひとつのインテリアになり、設置場所も選ばない。新生活におすすめだ。
【問い合わせ】
マランツ
https://www.marantz.jp/ja-jp
Photo/Takuya Furusue Text/Kiyoto Kuniryo
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