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キヤノンRFに、(比較的)リーズナブルな広角ズーム登場【RF16-28mm F2.8 IS STM】

  • 2025.01.27

Lレンズに肉薄する性能を持ちながら、比較的安価な標準ズームであるRF28-70mm F2.8 IS STMと同コンセプトの広角ズームレンズRF16-28mm F2.8 IS STMが発表された。発売は2月下旬。価格はオープンだが、キヤノンオンラインショップ販売予定価格は18万8100円となっている。発売前に、少し触れる機会があったので、ご紹介しよう。

EOS-Rシステムの利点を活かした『安くて軽くて明るい広角ズーム』

キヤノンが、EFマウントからRFマウントへの大規模な以降を発表したのは6年と少し前。発表された当初、RFマウントには非常に高性能だが、重くて高価なレンズしかなかった。次に拡充されたのは、安価だが暗いレンズ。続いて単焦点レンズなどが充実していった。そして今、そのすき間の『明るくて、それなりにリーズナブル』とか、『安価だが、いいところ突いてる』というレンズが充実しつつある。

先に発売されたRF28-70mm F2.8 IS STM(左)とほぼ同サイズ。実は1.2mmだけ短い。直径は同じ。

先日発売されたRF28-70mm F2.8 IS STMは、まさにそういうレンズで、写り的にはLレンズ並みなのだが、なぜかLレンズではない(STMだからなのか、耐久性の問題なのか?)が、Lレンズ並みといっていい写り、それでいて約495gと軽く、18万8100円と、一般ユーザーにも届かなくはない価格を実現していた。

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で、今回は、同一コンセプト、同じF2.8、ほぼ同じサイズで広角側をカバーする16-28mmである。前述の記事で、短い側の28mmが以外と長過ぎる……と書いたが、このレンズがあればカバーできることになる。重さは約445gと少し軽い。展示機もEOS R6 Mark IIだったが、つまりは筆者の持つEOS R6 Mark IIにピッタリフィットということになる。狙われているようで、困る(笑)

ちなみに、このレンズは赤い線が入っていない『非Lレンズ』だ。しかし、F2.8のズームということは非Lレンズの最上位に位置する。これもまた、EOS-Rシステムの大口径/ショートフランジバックだからこそ実現できたレンズだし、レンズ単体で中央5.5段、ボディ内手ブレ補正との協調制御で、中央8.0段、周辺7.5段という凄まじい性能を発揮する。RFだからこそ実現できた、小型、コンパクト、軽量、安価で、高性能なレンズなのである。

広角だが、大きな歪みや色滲みが発生しにくいのも、レンズのデータを本体が通信で理解して補正してくれるからで、これもRFに世代交代したからこそ可能になった性能なのである。ちなみに、このレンズで、RFレンズは49本目となる(うちLレンズは25本)。記念すべき50本目のレンズは、CP+に向けて発表されるのだろうか?

上位Lレンズと比べると、破格に軽くて安い

さて、このレンズの比較対象となるレンズと比べてみよう。

左がRF16-28mm F2.8 IS STM。中央がRF14-35mm F4 L IS USM(23万6500円)、右がRF15-35mm F2.8 L IS USM(34万6500円)。

まず、RF14-35mm F4 L IS USMと比べると、なんとこのレンズの方が安いのに明るい。重さも約540gなので、このレンズの方が100gほど軽い。もちろん、モーターはUSMだし、Lレンズならばこその画質もあるし、そもそもズーム幅は広い。しかし、これは悩ましいチョイスになってくるだろう。

RF15-35mm F2.8 L IS USMと比べると、明るさは同等、ズーム幅は劣る。しかし、お値段はかなり差がある。重さは約840gだから、倍近いことになる。

広角ズームとして考えると、赤いリングこそないものの、RF16-28mm F2.8 IS STMがかなりコスパに優れた魅力的なレンズだということがお分かりいただけるだろう。

ちょっとだけ、現場での作例を披露

会場でちょっとだけ試写できたので、その画像をお見せしよう。なお、この画像は試作レンズによるものなので、最終製品とは違いがある可能性がある(そもそも、ウェブにあげる時点でかなり圧縮がかかってしまうので、画角ぐらいしか参考にならないと思うが)。

また、製品に触らせてもらった部屋から出るわけにいかなかったので、部屋からのスナップショットなのはご了承いただきたい。

まず、テレ側28mm。

(RF16-28mm F2.8 IS STM、焦点距離28mm、F2.8、1/80、ISO160、EV±0、フラッシュなし、カメラ: EOS R6 Mark II)

ここで、ワイド側16mmを撮るとこんな感じ。

(RF16-28mm F2.8 IS STM、焦点距離16mm、F2.8、1/60、ISO100、EV±0、フラッシュなし、カメラ: EOS R6 Mark II)

後ろに下がれない状態でも部屋の中を撮るのに良い。そして、これだけ広角なのに直線は直線としてしっかり表現されているのがすごい。レンズのデータがカメラ側に共有されていて、ひずみが出ないように補正されているのだと思うが、もっと高価なレンズのような修正ぶりですごい。

次に窓の外を撮ってみた。

(RF16-28mm F2.8 IS STM、焦点距離28mm、F2.8、1/1600、ISO100、EV±0、フラッシュなし、カメラ: EOS R6 Mark II)

同じ場所でも広角側で撮ればこの通り。

(RF16-28mm F2.8 IS STM、焦点距離16mm、F2.8、1/1600、ISO100、EV±0、フラッシュなし、カメラ: EOS R6 Mark II)

グッと広がりが出て、魅力的な絵になる。

YouTube動画の撮影で魅力的。そして、次に期待するのは?

最後に個人的な使い道でいうと、この領域のレンズは広角端しか使わないことが多い。筆者でいえば、取材時に会場の広さを伝えるために全体を撮ったり、集まった人の多さを表現したり、とかそういう用途だから、結局使うのは広角端になるのだ。

だから、筆者は熟考の末に、RF16mm F2.8 STMを買った。5万0380円とリーズナブルだし、F2.8だ。

1本あると世界が変わる! EOS Rシリーズ、RFレンズの超広角レンズ選びを考える【RF16mm,RF15-30mm】

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しかし、もちろんこれは筆者の要件であって、短いズームレンズの魅力というのはもちろんある(そもそも筆者は、広角レンズの絵作りが苦手なので、あまり使わない)。

これはRF16-28mm F2.8 IS STMのオフィシャルの作例だが、こういう場所に行って、適切な画角を選びたい時にズームレンズは大変便利だ。広ければいいというものではない。

あと、これもオフィシャルの作例だが、建築物を適切に撮影するには広角ズームが欠かせないと思う。自分の立ち位置から適切な切り取り方をするには広角ズームが必要。

あとは、このレンズが非常に活きるのは動画撮影だ。

プロモーション動画のこのシーンを見て欲しい。

パース感の強い中で、ダンスが魅力的に撮影されていて、しかもレンズがそれなりに明るいから後ろがボケている。

YouTube撮影などでも、狭い部屋で撮るシーンが多いだろうから、その中で適切な画角で撮るにはこういう広角ズームは非常に役に立つと思う。

キヤノンで聞いた話では、特に動画側に強く振ってるわけではなく、「静止画でも使って欲しい」とのことだったが、筆者は動画ユーザー、YouTuberの方にとって非常に魅力的なレンズだと思っている。

あと、最後にひとつ。これは単なる筆者の推測だが、RF28-70mm F2.8 IS STM、RF16-28mm F2.8 IS STMと来たのだから、次は「非LレンズのRF70-200mm F2.8 IS STM」が来るのではないかと思う。RF70-200mm F2.8 IS STMをコンパクトに仕上げて20万円以下で出てくれたりしたら、かなり魅力的だと思うのだが、どうだろうか? いくらなんでも20万円以下は無理かなぁ……。

(村上タクタ)

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