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『撮り鉄さん、生成AI使ってみません?』アドビが相鉄とコラボイベント

鉄道の写真を撮る趣味の人を『撮り鉄』というが、撮影に必死になるあまり、他人に迷惑をかけたり、危険なことをしたりする人が、時々話題になる。そんな『撮り鉄』の人に、アドビと相模鉄道が協力して、Adobe Expressに搭載された生成AIを使った『オブジェクトを削除』などの機能を使うことで、『他人に迷惑をかけない撮影を楽しみませんか?』というイベントを開催した。

なんと、臨時列車まで用意! アドビと相鉄のコラボイベント

イベントが開催されたのは2024年11月24日(日)。アドビと相模鉄道のウェブを見て応募した164組から、抽選で選ばれた31人が参加した。

相模鉄道は相鉄(そうてつ)とも呼ばれ、神奈川県横浜市に本社を持つ私鉄。4路線(うち1路線は操車場への路線で営業運転はしていない)44.4kmで営業している。横浜、海老名、湘南台、新横浜などを繋いでいる。

集合場所は、相鉄本線の星川駅。この駅の会議室で、スケジュールや、注意事項を聞いて電車の撮影を行う。

乗るのは星川駅からかしわ台駅に向けて運行される臨時列車。筆者は鉄分が少ない(鉄道に詳しくない)ので良くわからないが、鉄道に詳しいアドビのスタッフの方に聞くと、20000系という相鉄・東急の相互乗り入れのために作られたアルミニウム合金を使った新型車両で、鉄道ファンの方にとっては、とても嬉しいことなのだそうだ。

確かに揺れは少ないし、静かだし、シートもひとり分ずつ窪みが付いていて座りやすかった。参加者の方も『おお、20000系!』と喜んでらっしゃったので、鉄道ファン的には注目の車両なのだと思う。

聞くところによると、臨時ダイヤが組まれ、4番線にこの車両が止まっていること自体、普段と違うことなので価値があることなのだそうだ。しかも、その車両は参加者だけの貸し切りで、かしわ台駅までの30分ほどの道のりを走る、その車両に乗れるというのは特別なことなのだ。

駅では、星川駅の駅長や、相鉄のキャラクターである『そうにゃん』と、一緒に写真を撮れたり、特別アナウンスが行われたりと、シロウト目にも大サービスだった。

貸切列車に乗って、撮影を満喫

しばらく停車して写真を撮ったあと、列車はかしわ台駅に向けて出発。

車内でも、運転室の写真を撮ったり、好きなだけ車窓からの動画を撮ったりと、普段の列車ではやりにくい撮影を満喫。

さらに、抽選で選ばれた5名の方が、台本に基づいて車内アナウンス体験を行うことができた。

30分ほど走って、かしわ台駅に到着。今度は、普段立ち入ることのできない操車場に入って、整備場を見学したり、記念写真を撮ったりした。

誰もが使えるAdobe Expressで写真を加工

続いて、かしわ台駅の会議室へ。

そこで、これまで撮ってきた写真を使って、Adobe Expressの利用体験を行う。

Adobe Expressは、誰でも簡単にコンテンツを作れるようにしてくれるアプリ。

PhotoshopやIllustratorなどのAdobe CCアプリは非常にパフォーマンスが高いが、専門化しすぎてて『誰でも簡単に』とは言いにくいし、料金も高い。

Adobe Expressは、無料で始められて、プレミアムプランでも1180円/月、2人以上で使うグループ版なら700円/月(初年度は400円/月)と、非常に安価。

にもかかわらず、生成AIを利用することで、これまで以上に簡単に、強力なクリエイティブを発揮できるようになっている。

例えば今回利用したような画像内の不要なものを消したり、テキストから画像を生成したり、文字をグラフィックで装飾したり、ロゴを作ったり、動画を編集したり……ということが、簡単にできる。

Adobe MAX取材時に聞いたところによると、PhotoshopやIllustratorなどのAdobe CCアプリは多くのプロフェッショナルユーザーに使われているが、さらに一般の方にもクリエイティブのパワーを利用して欲しいと考えているのだそうだ。

困った時に、魔法の『生成塗りつぶし』

冒頭にも述べたように、一部の『撮り鉄』の人の行動が問題になっている。撮影の邪魔になる木を切ったり、畑などの私有地に入ったり、柵から線路の方に乗り出して撮影したり、カメラに写り込みそうになった人に暴言を吐いたり……というようなこともあるそうだ。

筆者も、鉄道趣味こそないが、趣味に没頭すると『なんとしても、これを成し遂げたい!』と思うことが生まれたりする方なので、こういう行動をしてしまう気持ちもわからなくはない。

たとえば、非常にレアな列車の撮影を狙って何時間も待った末に、通り掛かりの人のせいで写真が台無しになってしまったとすれば、そりゃ叫びたくもなるだろう。

そんな時、Adobe Expressの『生成塗りつぶし』を使って写り込んだ人を消したらどうだろうか? という提案だ。「邪魔だ、どけ!」と叫んだりする必要もないだろう。「立ち入り禁止」などの写真に入ると邪魔な看板なども消すことができる。

会場で、話をしてくれたグラフィックデザイナーで鉄道マニアでもある石川祐基さんによると、「ここぞ!」というシーンで、中の人が窓から手を出していて(危険行為の写真になるから)写真が使えないということもあるらしい。

もちろん、撮り鉄の間では「画像処理アプリで加工するのはズル」という意識も根強く、無加工で「一期一会」のシーンを切り取ることに価値があるという意見も根強いようだ。

しかし、「迷惑行為や危険行為が続くと鉄道趣味自体の評判も下がります。Adobe Expressで不要な写り込みなどを消して写真を仕上げるのも、手段のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか? という提案です」とアドビのマーケティングマネージャー岩本崇さんは語る。

鉄道三昧の1日を満喫

イベントでは、みなさんがお持ちのスマホやパソコン、会場で貸与されたMacBook Airなどを使って、まずサンプル画像で『生成塗りつぶし』を体験。続いて、この日にご自身で撮影された写真を使って、『生成塗りつぶし』で写真を加工する……という流れで体験された。

参加者の方が、この日操車場で撮った写真。 通常だと、人がいなくなるまでじっと待たなければならないが……。
Adobe Expressを使えばご覧の通り。路面が芝生になってしまったのはご愛嬌……と、岩本さん。

会場のWi-Fiの通信速度が遅く、一部進行が滞るなどのアクシデントもあったが、参加者の方は生成塗りつぶし体験も含めて、充実した1日を送られたようだ。

最後に、あらためて相模鉄道の方から、撮影に関する迷惑行為について、注意と説明が行われた。運転席へのフラッシュ撮影、線路内への侵入、私有地への侵入、ホームでの脚立の使用、車両に触ること(ワイパーを撮影したい向きに動かす人がいるらしい)、他の人に対して大声を出すこと……などは避けて欲しいとのことだった。

最後にじゃんけんが行われ、実際の車両の運転士が使うシミュレーターを5人が体験することができた。これも非常に貴重な体験。鉄道ファンの人には最高の1日だったようだ。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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